10月28日(土)京都市で、「避難者ピアサポート体験講座」が開催され、事務局の東が参加しました。
内容は、ピア・カウンセリングの第一人者である安積遊歩(あさかゆうほ)さんを講師に迎え、2011年3月に東日本大震災に引き続いた東京電力福島第一原発事故避難者たちが仲間どうしで聴きあい、助け合う方法を学ぶというものです。
テーマ・方向性は、「3.11以来、大きく人生のギアを入れ替えながら、それぞれの生きがたき人生を生き延びてきた私たち。もう一度どんなによくやってきたかを振り返り、どの瞬間もベストを尽くしてきたことを、確認しましょう」というものです。
(ピアサポートについて説明される安積遊歩さん(壇上))
本文章を書かせていただいている東自身も、東京からの放射能避難者です。原因不明の全身のアトピーと重いぜんそくにかかったということもあり、親しんだ人たちから離れ、2014年に大阪に避難してきました。
東京からの避難ということはほとんど理解されることはないため、大阪で知り合う方々に放射能避難という事実を伝えたことはほとんどありません。
今回の講座には、福島県をはじめ東北の方々だけでなく関東からの避難者も多く参加されていたため(合計10名ほど)、二人一組になってお互いの話を聴きあうピアカウンセリングの時間は、私自身にとっても避難の苦労や理解されないつらさを安心して共有できる貴重な時間でした。
またピアカウンセリングの手法は、個人的には新鮮で学ぶところが多かったです。その手法は、「話し手と聴き手をしっかり分け、話す時間と聴く時間を区切り、聴き手は話し手の顔を見て、聴くことに専念する。聴いたことは外に持ち出さない。聴き手は相手の話の内容よりも、話し手の感情(涙や笑いなど)が出ることを意識して聴く」というものでした。
安積さんが見本として、参加者の前で、ある避難者の方の話を聴かれていましたが、安積さんの話し手の感情を引き出すやり方はとても上手に思われ、私も引き出された話し手の方の思いを聞いて久しぶりに号泣しましたし、自分も安積さんのように人の話を聴けるようになりたいと思いました。
最後になりますが、法的事実として、日本では2011年3月11日に発令された原子力緊急事態宣言が現在でも解除されていません(参考①:衆議院ホームページ質問主意書より)。
また、この原子力緊急事態宣言により現在日本では、福島第一原発事故前には、放射線業務を行う労働者が特定の条件でのみ立ち入りが許されていた放射線管理区域レベルに汚染された地域での居住が政府により容認されています。(参考②:「電離放射線障害防止規則」/参考③:文科省土壌汚染モニタリング結果)
ゆめ風基金では、2011年3月から東京電力福島第一原発事故を「原子力災害」と認定し、放射線レベルの比較的低い場所で過ごすための保養活動や、移住支援、事業所の移転等にも救援金をお届けしています。
原子力災害は現在でも継続中であり、もちろん今後もゆめ風基金は東日本大震災被災障害者支援だけでなく、原子力被災障害者支援も継続していきます。お困りの障害者の情報などありましたらぜひご連絡ください。
ゆめ風基金は、障害者や高齢者、病弱な人など特別なニーズをもつ人が生命や人権を脅かされることがないよう、適切な支援活動が行われるようにサポートすることを目的に、今後も活動を続けていきます。
事務局だけでは力不足なことが多くあります。みなさまと輪を広げていくことで、少しでも被災障害者支援を前に進めていければと思います。
引き続きなにとぞよろしくお願いいたします。
事務局・東
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