あなたは、入部香代子という方を知っていますか?
わたしは、2月23日ホテル阪急エキスポパーク「香代子のガッハッハ人生を語る会」で、姿なき彼女と出会いました。
彼女は、重度脳性まひ者です。一番多感な時期を施設ですごし、自立生活を命懸けでやり、恋におち、結婚。二児の母をしながら、障害者が地域で生き、働く場「エーゼットの会」をつくり、豊中市会議員を4期務めた人です。
「語る会」は、彼女の形見の衣装をつけた色とりどりのおんなたちが司会進行。
スタートと終わりの「ガッハハー」の彼女の大きな笑い声がスピーカーからあふれる仕掛けに、思わず、私もつられて「うっふふふふー」
脳性まひ者は、声のトーンや大きさが調節しにくい。笑う時も目いっぱい。泣く時も目いっぱい。だから、おかげで人より濃い人生が送れます?!。
よく、人をしのび、語る時、「彼女は幸せだった。とか、彼はかわいそうな人生だった」なんて言われます。でも、それは、ある一定の健常者の価値観なんだと思います。障害者は(本当は健常者もなんだけど)規格外。
ひとりひとりが規格外の生を生き、終える。脳性まひという生をしっかり生きたくさんの人に希望を与え、62歳の夏、星になった彼女の名は入部香代子さん。私は、この名前を生涯忘れないだろう。
なぜなら、妊娠した時「当然降ろしますよね」と言った医師に「当然産みます」と言いきったのは彼女だから。
「私抜きに私のことは決めないで」と言い続けたのは彼女だから。
障害者にとっては、ただただ当たり前のことを、あたりまえに言っているだけなのにって、いつも首をかしげ、臆せず動いたのは彼女だから。
彼女が生きた後には、命が芽生えた。道ができた。
そして、何よりも大切な人と人とのつながりができた。
香代子さん。最初で最後そうお呼びさせてもらいますね。
私も、子供を産み育てました。亡き夫に車いすを押してもらって行き続けた選挙会場の小学校にスロープが付きました。
今朝は、ひとりで電車に乗り、駅員が出迎えていなかったらどうしようと、50歳を過ぎたおばちゃんはドキドキしています。
若い時より、懸命に生きなくてはいけないのが、障害者なんですね。だから・・・楽しい?!
「ガッハハハハ」「うっふふふ」
ありがとう。おつかれさまでした。