ゆめ風ネット新潟からのお便りです

先日、総会に出席してくださった、ゆめ風ネット新潟の遁所さんから頂いた文書です。
皆様にもご紹介したく、是非ご一読くださいませ。
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「ゆめ風基金に参加して」
今この原稿を書いている中、4月2日チリで大きな地震があったこと、4月3日神戸市三宮で解体工事現場での事故で首の骨を折る負傷者が出たことなど、胸が痛む出来事が続きました。
心からお見舞い申し上げます。
総会に参加する前に、3月2日、法人職員で被災地に行ったことがない若者と一緒にゆりあげ漁港に行ってまいりました。昨年訪問した時に、日和山神社の手すりが皆さんの寄付のおかげで再建されたこと、また避難している人たちの住宅をつくる前に公園にするための工事が行われていたその現場は 1年たっても同じ風景でした。
高速道路を挟んで津波の被害の差を垣間見たこの3年、避難所のわきに大きなパチンコ店がつくられていたことが私としては物悲しく感じました。
今回、大阪に出張することになり、相変わらず自家用車で参加したのですが、行きは10時間、帰りは11時間ほどかかりました。
高速道路を使ってもこのぐらいの時間がかかりました。
東日本大震災の時に滋賀県の自立生活センターの佐野さんが高速道路を使い新潟で一泊をし、した道を通って山形を通り仙台に入った時のことを思うと、仮に東海地震が起きた時に高速道が寸断されていた場合被災地では避難経路が確保されるのか、そしてガソリンがあるのかということを再度思った次第です。
総会に参加するその日の午前中、箕面市にある「バクバクの会」をたずねました。
目的は、人工呼吸器で生活する人の支援についてそのノウハウを持っている「バクバクの会」との連携を確認すること。
現在、特別支援学校に通っている生徒さんが、修学旅行でみんなと一緒にディズニーランドに行きたいと希望されたのですが、人工呼吸器を利用する重度の方なので、学校がそれを一緒に考えてもらうためには何かアイデアがないかということもお聞きしたいと思ったことからでした。
昨年、中学校への進学を目の前にして亡くなった人工呼吸器を利用する女の子のことを、副理事長の河野さんが新潟総会でのあいさつでおっしゃって下さいました。
その女の子は、小学生の時に、みんなとディズニーランドに行けたのです。
「バクバクの会 東京支部」の皆さんのお力が大きかったと聞いております。
ちなみに、現在、中学部に通う女の子は、私たちが開催した介護職員等の痰の吸引行為の研修(第3号研修)を終了した在宅サービスの事業所が、長時間支援にかかわってくれています。
これも、震災の年に ( 2011年 1月 )「バクバクの会」が、人工呼吸器を利用して、地域で暮らしている皆さんの話しと研修を開催してくださったことがきっかけでした。
この第3号研修のノウハウを、2013年5月に、南相馬の青田さんのデイサポートセンターでお伝えする機会を得られたことも、ゆめ風のネットワークのおかげだと思っています。
総会では、移動サービスのことが中心に討論されておりました。
現在、福祉有償運送サービスをするときに、運転協力者の講習を修了した者でないと業務に就くことはできませんが、新潟市の場合、単独事業で、日中一時支援については送迎加算をつけること、現在は通所サービスには移動加算があり、来年度から地域活動支援センターの送迎にも、移動加算(一回\240ぐらい)つくことになっています。
新潟市のボランティアセンターには、昔から、「テントウムシ号」というボランティアサービスがあり、福祉車両をボランティアセンターが所有して、提供会員と利用会員が、外出したい時にガソリンを満タンにして満タンにして返すという方法で人件費の謝礼は発生しない仕組みをとっていました。
が、今は福祉有償運送の影響を受け中止しています。
被災地での復興支援の移動サービスは、この「テントウムシ号」の方法を踏襲するとよいのではないかと思いますが、移動サービスを生活の糧としていくのであれば、運営協議会でタクシーの料金の半額以下というところを気をつけて、十分論議していただきたいと思います。
キロ\100くらいだと運営が安定しますが、新潟市の場合、キロ\30から \50と低価格に設定されガイドヘルパーを併用しないと運営することは困難になっています。
そのせいか、福祉有償運送の事業をする NPO法人が増えませんし、運営協議会を通さないで白タク行為で運営しているところも出てしまい、課題は山積みです。
福祉タクシーのぶら下がりというところで、私有自動車を福祉有償運送のように使う方法もあり (KKや有限会社)NPO法人や社会福祉法人が運営する福祉有償運送の在り方とその仕組みが違うので、利用者が戸惑うことも多いのです。
震災に備えた場合、福祉車両の確保が大切で、そのためにも、日ごろから社会資源の開拓を考えていますが、上記のように、一つ手をつけると一つ制度の壁が立ちはだかり、それでも立ち止まりながら考えまた進んでいきます。
避難場所として確保した、「地域活動支援センターぴあポート」の場所も、地域活動支援センターの補助金が縮小され、維持することが困難となりつつあります。
福島県田村市の方が避難所として使っていた場所も維持することが難しく、大家さんが売りに出しています(六百万円)
新潟市で活動する私たちの防災の課題を考えながら、又、ゆめ風のノウハウも教えて頂きながら継続していきます。
(遁所 直樹)

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