①からの続きです。
活動拠点とした「TAPDICO」は、2008年に発足した約20名の組合員からなる障害者自助組織( いわゆる障害者の共同組合)であり、働ける軽度や聴覚障害者が大部分を占めています。
市政府から提供された事務所で、学校用の椅子等を作製することで収入を得ています。
調査団は、ポリオや四肢切断等の約10名のTAPDICOメンバーと面会しました。
被災後、メンバーの多くは事務所内及び事務所の隣に設置された仮設住宅で生活しています。
聞き取り調査は、事前に用意した質問票に沿いつつ、障害の状況、現在の生活、福祉機器ニーズについて訪ねていきました。
聞き取り対象者は英語を話すものが少なく、タガログ語またはワライ語で、そこから英語への通訳は、
TAPDICOマネージャーのJose Juby Albay氏が行いました。
また、聴覚障害者に対しては、佐藤神父が手話にて聞き取りを実施。
2月4日には、事前にTAPDICOが把握したリストにより来所を呼びかけた障害者21名(TAPDICOメンバーを含む)に対しインタビューを行い、2月5日は5名の障害者を戸別に訪問し、調査を実施。
2月6日には、視察したコンベンション・センターの周辺で2名の障害者を戸別に訪問。
聞き取りした障害者は合計28名。
必要とされたのは、
車椅子 15台 (内子ども用5台)
松葉杖 8組
白杖 4本
トーキングフォン 2台
補聴器 4個
義肢装具 4台
車椅子車輪交換 1件
医療支援 2名
すべての障害者に会えたわけではないので、まだまだニーズはあると思われます。
出会った人たちの中には、足をけがしたまま、医療を受けられず、壊疽をおこしかけている人も。
活動拠点となる予定の「TAPDICO」の事務所が、政府からの借用物件で、
ずっと利用できる保証がないので、TAPDICOは、新事務所への移転を計画中です。
・土地:CCA(Canadian Co-operative Association:カナダ協同組合) の資金により、郊外の土地10,000㎡(150万ペソ(約340万円相当)を購入し、現在、土地の認証手続き中です。
事務所、事業である椅子等の作製所、メンバーの住居を併せて建設する予定。
・事務所:CBM(キリスト教系の視覚障害者支援NGO)の資金により建設するが、作製所の建設にかかる80万ペソ(約180万円)、また整地、電気・水道工事にかかる50万ペソ(約110万円)の資金を得られていない。
調査団は事務所移転に対する日本側の支援の実現可能性を検討すべく移転予定地を視察したが・・・。
移転予定地は、中心部から車で30分程の郊外にあり、周辺は草地が広がる未開墾地であり、事務所建設までには相当の時間がかかると考えられる・・・。
といった状況です。
資金については、支援Tシャツを作り、日本で販売するなどの予定もあります。
海外支援の経験もあるNPO、NGOとの協働も必要になっていきます。
長期的な支援が必要であることはまちがいありません。
まず、忘れないこと。
東日本大震災の復興もままならぬ状況の中、できることから支援し続けていけたらと考えています。