日本障害者歯科学会シンポジウムのご報告

お知らせで何度かご紹介した、「第30回 日本障害者歯科学会」の総会と学術大会に行ってきました!
秋晴れの10月13日日曜日、神戸国際展示場まで、福本は電車でトコトコと~。
一般公開講座は、「想像するちから」と題して、京都大学霊長類研究所・教授の松沢哲郎氏の講演が。
人間とは何かを知りたいからチンパンジーの研究をしていますとおっしゃる松沢教授。
おもしろいことに、チンパンジーには、人間より優れた瞬間記憶の能力があるとわかってきたそうです。
瞬時に見る力、聞き分ける力、記憶する力。
これが、チンパンジーが自然の中で生きていくのにどう影響するのか。
人類と比較してどうなのか。
わかってきたのは、人間は、ひとり一人の能力が限られているからこそ
コミュニケーションを多くの人ととり、経験を記録し、共有することで、さらなる高みに行ける可能性を手にしたということ。
そうして、一人で生きていく術(すべ)を学んでいったということ。
-人は、今日に絶望する。が、人間は、明日に希望が持てる-
との、最後のことばが、大きな指針となりそうな気がしました。
ロビーでは、ゆめ風基金のスペースを頂き、被災地の様子や、ゆめ風が行ってきた支援の様子をパネルにして展示!
手前の黒づくめの男性は、当会副代表・河野さんです。

ゆめ風をずっと応援し、この日もお手伝いに来てくれた森田さんと福本の2ショット!

午後からの一般公開シンポジウムでは、
「大震災時の障害者支援を考える」と題し、我がゆめ風基金代表理事の牧口 一二がコーディネーターをつとめました。

(シンポジウムの様子~~広い、りっぱな会場でした!)
パネリストは、下記の4人の皆様です!
それぞれに、震災体験や震災後の支援活動について語ってくださいました。
●野橋 順子氏(NPO法人生活支援研究会理事長)
「阪神・淡路大震災を経験。一階だったので、ベランダからとりあえず避難したものの、車いすで使えるトイレやお風呂がなく不便でした。ボランティアはすぐ帰ってしまうので、命をつなぐ最低限の介護をお願いするにも、大変でした。でも、その経験が、今のヘルパーさんの手を借りての一人暮らしにつながりました。人とのつながりに、感謝ですが、震災直後は、行政がもっと・・・・。」
●松村 敏明氏(社会福祉法人 えんぴつの家 理事)
「阪神・淡路大震災後、『被災地障害者センター』を立ち上げ、全国からのボランティアの受け入れ態勢を整え、
長年の障害児教育や「きょうだい会」の経験を生かし、障害者の名簿を作成。住所ではなく、人がそこにいる場所がわかる情報が大切だと痛感しました。結局、それが、地域と人をつなげることになります。何かあれば、逃げることが一番大事なんだけど、障害者は特に日ごろからだれとどんなふうに逃げるかを考えて、つながることができる人を普段からつくっていくことが命を救うんだと思います。」
●菊池 正明(CILたすけっと仙台事務局)
「東北大震災の時は、障害者メンバーと一緒にとりあえず、車中で避難生活をしました。避難所は、とてもじゃないけれど、居場所を作れそうになかったんです。福祉避難所にしても、介護者がいないわけだから、看板だけあっても使えません。「たすけっと」という場所と人間関係で、互いに助け合いながら連絡が取りあえました。今日生きるのが精いっぱいで、明日なんて見えない中でも、そんなに、人間って捨てたものではないと、実感しました。」
●青田 由幸(南相馬市:NPO法人さぽーとセンター ぴあ 代表理事)
「地震・津波・原発事故の時に避難できずに残されるのは、高齢者と障害者、そしてその家族です。医療や物資や支援を一番必要としている人が一番後回しになる。津波で亡くなった人の数より、その後、関連死された方の数のほうが多くなってきている今、福祉が、人とつながれる場所になると思うのです。ただ、原発問題は、今、語ることすらタブーになってきていています。」
 
牧口「この世の中で命を大事にするには、どうしたらいいか。それを考えて、情報を作って共有できる社会になったらいいよね。災害が起きたら、の避難は、もちろん考えないといけない。何もないときに考えて、みんなで生き延びるようにしようね。いざというとき、人は人をほっとけないって、僕は信じているんだけど。」
『人は人をほっとけないって、僕は信じているんだけど。』
う~ん・・・牧さん深い!
まず自分の生きる力を信じることから始まるんだと教えてもらったような気がします。
そして、自分を大事にすることが、他人を大事にすることにもつながっていくのだと・・・。
災害時の避難や、防災を今後も考え続けることが、人としていかに生きるか、さらには、どんな社会をみんなで作っていくかにつながると思います。
人が人を信じられる社会。
一緒に作ってみませんか?
  

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