国連の「世界ボランティア白書」

 ボランティア国際年の10周年を記念して、国連(UNV)が初の報告書となる「世界ボランティア白書」を発表し、その中の「社会包摂の力としてのボランティア活動」として、ゆめ風基金の「障害当事者派遣プロジェクト」の活動が取り上げられました。
 英文で約120ページの白書は日本人の活動にも触れながら、ボランティアと幸福の関係や、すべての人を排除せずに包み込む「社会包摂」の理念など、活動の未来像も提示しています。
 「障害当事者派遣プロジェクト」は、ゆめ風基金の被災地障害者支援活動の中でも、被災地の障害者の提案から生まれた重要な活動で、障害者ボランティアが介護者と共に被災地を訪れ、障害当事者による被災障害者へのピアカウンセリング的な聞き取り、働きかけによるニーズ発掘をすすめようというプロジェクトです。
 障害者が遠くから応援に来てくれたことで、健全者ボランティアには言いにくかったことも話してくれるようになり、ほんとうに必要な支援活動を進めていくことができました。
 また、ボランティアとして被災地を訪れた各地の障害者にとっても、被災地の障害者とつながっていくことで現状を共有し、被災地の障害者の自立生活をすすめるために行動を共にしようとしています。
わたしたちはこの活動が、当面の支援活動としても日本全体の障害者の自立生活運動としても大きな足跡を残す予感を感じます。
 国連(UNV)の「世界ボランティア白書」の中で「障害当事者派遣プロジェクト」が取り上げられたことは、わたしたちにとっても心強く思います。
2011年12月24日 京都新聞朝刊

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