みやぎ登米支部・「そうそうの杜」活動日誌 NO.8

 震災直後から被災地障がい者センターみやぎの支援活動に参加されてきた社会福祉法人「そうそうの杜」は、現在は被災地障がい者センターみやぎ登米支部を拠点にして、地元のグループ「ハグハウス」とともに登米市や南三陸町の仮設住宅をまわり、移動カフェを運営しながら個別ニーズを掘り起こす活動をされています。
「そうそうの杜」・東日本大震災派遣報告書 NO.8
日時:2011年9月8日(木) 天気:晴れ
報告者:T
9:00~12:00 仮設調査(志津川地区)①袖浜仮設(33戸)②沼田仮設2(20戸)
                       ③沼田仮設1(40戸)
12:00~17:30 ミニカフェ・調査 波伝谷仮設
活動した上で感じたこと
 袖浜仮設は人の気配も少なく、高齢の女性に話を伺う。この仮設は半数ほどが地元の部落出身者とのこと。しかし、自治会はまだ発足しておらず、集会所も敷地内にはなく、仮設下の部落集会所を使用するとの事。
 沼田仮設1、2はベイサイドアリーナを挟むように設置されており、ローソンに近い沼田1は集会所はなく隣接の既存施設である「沼田ふれあいセンター」を使用するとの事。
この仮設ではスロープ棟はあるが、ほとんどが高齢者である。カフェなどの催しも時折実施されているとの事。
沼田2仮設はベイサイドアリーナの山手に存在し、集会所は存在するもののこちらも自治会は発足していないとのこと。沼田2では志津川高校の避難所におられた夫婦に話をうかがうことが出来る。これから冬を迎えるにあたって暖房器具の不足があるという(備え付けのエアコンは一部屋しか効かなく、収納がないため荷物が部屋の隅にあることからストーブも怖くて置けない様子)。
また、地元の漁師や高齢の方々は入浴時間が長い方が多く(20分~30分は浴槽に浸かっている)、追い炊きできない仮設の風呂ではぬるま湯にはいらなくてはいけなくなるとのこと。(お湯を入れ替えるには生活の資金面で苦しい)できれば給湯器が有ればとおっしゃられる。そのほか、雪が降ってくるとひさしがない仮設なので心配だとの事。
仮設の課題はまだまだ多く、行政の動きは住民の方には不満にしか映っていないこともうかがう。また、どこの仮設もやはり高台に存在することからバス停までの移動が困難で、雪が降ると出歩くことも出来なくなるだろうとの事。
 午後の波伝谷(はでんや)仮設では、10名ほどの住民が寄ってくださりカフェを通じて話をうかがう事が出来る。以前に情報のあった手帳をお持ちの方は、9-2棟に住まわれており、こだわりが強いが笑顔で挨拶などはできるという。恐らく自閉症・発達障害の方と思われるが本人には出会えず。
中には被災でご主人が行方不明になり、未だ見つかっておらず葬儀だけは執り行ったといわれる方、せめて遺体の一部だけでも帰ってきて欲しいといわれる方がおられ、まだまだ震災・津波の大きさをうかがい知ることができる。
最後に一人の方がMさんと抱き合った瞬間嗚咽され「本当は泣きたいんだけど、そんなこと言ってらんねぇから」と語られた言葉と姿が胸を打った。
被災地の方々は「復興に向けて」と頑張っておられるが、本当は誰しもが心の中に押し殺した悲しみを抱えながら生きておられるという現実を見せられたようだった。
感じたことを改善・向上させるのに必要なこと
 仮設のひさしについては、行政からの補助もあるとのことでできる限り行政を利用してもらう。また、RQ東北支部というボランティア団体が住宅改修のボランティアを行っているとの事で必要であれば調整できればと考える。
給湯器については風呂バンスをお試しで使用してもらうことも検討。
被災された方々に寄り添うこと、泣きたいときは泣いてもらい、笑いたければ笑ってもらえるような雰囲気が必要。無理に「笑顔を・・・」と頑張る必要もない。復旧ではなく復興を、街の復興、経済の復興、現地の方々の心の復興が大切。
備考
 作業所の再開、特別支援学校の再開で平日の日中は障害者はどこもほとんどおられない。土日を有効に利用するのも1つの策か。
つつみさん:昨日夜~ハグハウスに戻られ本日より活動。

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