なぜ合理的配慮は必要か

障害連事務局FAXレター NO.223 2011.8.12(金)
なぜ合理的配慮は必要か
―難しい直接差別と間接差別の境目、差別禁止部会(第7回)―
8月12日(金)差別禁止部会(7回)が行われた。
はじめに、差別類型をめぐって議論した。
合理的配慮の必要性については、機会の平等を実質的に保障するという観点では委員の意見はほぼ一致していた。
太田は、車イスの入店拒否や、新幹線の自由席でデッキに乗せないなどの例を挙げ、大袈裟なことをしなくても少し柔軟な対応をすれば差別されなくても済む場合が多い、ことを言った。
また、他の委員からも文明や科学の発展から取り残されたマイノリティーの人たちへの配慮というか「義理」みたいなことが求められている、という意見があった。
直接差別・間接差別・合理的配慮の不提供など、差別類型については、直接差別に重きを置いたほうが裁判がしやすくなるという意見も出た。
一方で類型はシンプルにしたほうがわかりやすい、立証責任などとからめた議論にしないほうが良いと、いう意見もあった。
さらに、ひとつのルールで考え、ルールから外れた対応をする差別と、そのルール自体が不公平な差別とがあり、それは直接、間接という考え方では割り切れないものである、という意見もあった。
あるいは、類型化していく意味が本当にあるのか、という疑問も提起された。
差別の正当化事由(差別しても仕方がないと思われること)については大方の委員の意見は公的支援のあるなしによって正当化事由は認められない、でまとまっていたように思う。
企業や団体などの組織運営にあたって、当初から障害者の存在を前提とすべきという意見があった。
立証責任については、差別類型毎に、受けた側にあるかした側にあるかが、変わってくるという意見が出た。
太田はなるべく簡単に障害者が問題提起できるような仕組みが必要であると、強調した。
さらに差別禁止規定のあり方については包括規定と同時に各分野ごとの規定も必要だと主張した。
 最後に、池田直樹弁護士からのヒアリングがあり、鉄道会社を相手にしたエレベーター設置訴訟や、車いす用トイレ整備訴訟などの報告を受けた。障害者基本法はガイドライン的性格を持つので、争いにくかった。差別禁止法は個人救済に焦点が当てられるので、政策論的な法律と、個人救済的法律と両方が必要であると述べた。
次回、9月12日(月)
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【お知らせ】
障害者・患者9条の会企画
2011年 9月3日(土)「白熱教室2011」
平和に生きる権利を
いま、何を学び、何を行動するか
 日時 2011年9月3日(土) 13時受付 13時30分~16時
 会場 東京都障害者福祉会館(田町)
記念講演 中澤正夫(精神科医)
     「ヒロシマとフクシマ -目を背けてはいけない史実と事実」

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