年度末にも政策委員会スタート?制度改革推進会議(第34回)

障害連事務局FAXレターNo.221
年度末にも政策委員会スタート?
―推進会議(34回)、どうなる障害の定義―
 制度改革推進会議(第34回)は8月8日行われた。
 障害者基本法改正について東室長からあった。「7月29日参議院で成立し8月5日公布」とのこと。「政策委員会はいつスタートするのか」に対して、東室長は「年度末にもスタートするかもしれない」との見通しを述べた。
 つづいて総合福祉部会、佐藤部会長から総合福祉部会における新法の骨格提言についての報告があった。
 はじめの議論では、障害の範囲、支給決定などであった。
 質問では、「障害制度区分認定基準の客観的指標には問題がある」というくだりは自治体の立場からどうかと思う表現だ、などが出され、「審査会で区分変更が多い実態があることに着目した」などと佐藤部会長や尾上副部会長は答えていた。
 障害の定義について、障害者基本法をよりある意味広くしていることについても、矛盾が生じるのではないか、との指摘が何人かからあった。
 これに対して、佐藤部会長は「これまでの枠組みではなく、新しい枠組みで障害の定義を検討している」と答えた。
 次の議論は、権利擁護、相談支援、支援体系などであった。
 デイアクティビティセンターにおける重症心身障害の人に対する医療的ケアについての考え方を評価する意見が出され、さらに地域で生きるという権利条約の理念に立ってすすめてほしいとの発言があった。
 また、「どれを優先するかという議論が出されてなく予算的に膨大になってしまう」との危惧が出され、「相談支援についてはカットしてもよいのではないか」という発言もあった。
 それに対して、佐藤部会長は「特定相談はニーズに応じたサービスはどれくらいかを明らかにさせ、個人のエンパワメントを発揮させる場として重要」と答えた。
 つづいて、利用者負担、地域資源整備に移った。
 障害にかかわる費用は無料とし、一部高額所得者について応能負担を導入するとした考えについて評価する意見が出される一方で、「一部応能負担という考え方はおかしい、高額所得者は税制で反映されるべきだ」との意見が出された。また、重度障害者については「一部お金を払ってでもきちんとした介助を保障してほしい」との発言もあった。
さらに「消費者的な視点で捉えていくことも重要ではないか」との指摘もあった。
 自立支援協議会と市町村政策委員会は役割が重複するのではないか、との指摘があり、東室長は「政策委員会は障害者基本法のものであり、自立支援協議会は総合福祉法上のものですみわけが必要とされる」と述べた。
 最後に“医療”“障害児”“労働”の合同作業部会の報告がそれぞれあった。労働の作業部会の座長である松井委員は、東室長の質問に答える形で、「労働については包括的な差別禁止法による差別禁止とともに、雇用促進法においても差別禁止条項を設けるべきだ」との考えを示した。
 次回9月26日(月)
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