7月22日京都市右京区社会福祉協議会学習会 八幡理事の講演

八幡さんの講演とアンケートの記録です。
東日本大震災の経験に学ぶ    2011.7.22  <ゆめ風基金八幡さん>
その時、知的障害者は、避難所でどうしていたんだろう?
こんな素朴な疑問に対しては、「一般の避難所や体育館に知的障害者は殆ど居なかった」との事でした。やっぱり、おとなしい子供しかだめなんです。
「パニックをおこしたり、走り回ったり、奇声を発する障害者に、なれていない健常の人たちの中では、居たたまれず、壊れなかった作業所や施設や、親類の家で過ごしている人が殆どでした。でも、その施設も、つぶれたり、職員が誰もいなくなったり
で、なれていない遠い遠い施設に避難したり、大変だったようです。
 
宮城でも、福祉避難所は、130カ所もあっても、ほとんど100%は高齢者で、車いすなど身体障害者はそれと分かるけれど、知的障害者は、いわゆる障害者だと思われていないのが現実です。しかも、小さなグループホームや小規模作業所は、指定でないので、食事も届かない。支援学校などは、避難所にも使えなかったそうです。
地震の時間が、昼間だったために、親子がバラバラに被災し、施設に居た子どもは、
助かったけれど、親だけがなくなったケースがたくさんあります。
この経験を踏まえて、私たちは、どうすればいいんでしょうか?
地域の人に、わかってもらえて、避難所や体育館で受け止めてもらうために、ふだんの地域のコミュニテイ・つながりが、こんな時、生きてくるのです。
私たちは、ついついヘルパーさんや、作業所の指導員や、福祉関係とだけ繋がってきている。それは大切だが、地域の中で、自治会や民生委員や各種団体などと一緒に
日常的に、学校などで避難訓練ができていれば、本人もまったく知らないところに
急に、つれていかれて知らない人達の中でパニックが起きることは、少しはましだろうし、「ああーこの子たちは、走り回るんや!」「奇声も発するんや!」そんな事がわかってもらえた上での、人間関係ができて、避難所での知的障害者も含めての過ごし方、運営の仕方が、生まれてくる。
又、一緒に過ごした小学生や中学生は、大人になった時、障害者と過ごした体験が
貴重な宝となって、生きてくるだろう。
地域みんなで、障害者も含めて考えられるようになれば、今は体育館しか開放されない学校も、「あばれるこの子たちには別の空き教室を!」「授乳中の母親やオシメを変える赤ちゃんにも空き教室を!」「病気の高齢者にも空き教室を!」というような発想が出てくるんじゃないでしょうか?
「障害者にやさしい・居やすい環境は、普通の人たちにもやさしい居場所なんだ」
そのために、私たち障害者の母親は、自分の地域の回りに人に声を掛けていこう!
タネをまいていこう!
 お話の中で、本当に大切なことだと分かったけれど、一番難しいことだと思う。
 でも、やっていかなくっちゃー。
38名の参加者のうち、右京区長はじめ社協や福祉事務所や支援センターの職員が
14名も参加され、今回の学習会が、、行政や地域や親が一緒になっての受け止めの
キッカケになればと思っています。


学習会ありがとうございました。「良かった!」「ためになった」「目からウロコだった」など
感動の声が一杯上がっています。何よりも、今後の親のすすめ方の目標が、出来たと
思います。行政の方との、つながりのキッカケにもなったと喜んでいます。
【平成23年度 障害を持つこども(青年)たちの 将来を考える学習会 アンケート集計結果】
☆回収数・・・23件
 (回答者 育成会会員13件、その他9件、未回答1件)
  ※その他の方の所属・・京都市社協、区社協、通所施設、福祉ボランティアセンター、
サークルペガサス、会員外保護者、他圏域支援センター
☆全体の内容に関して
育成会会員
○大変よかった・・12件
・少し早口だったので聞けなかった事も多かったです。この話しは他の区役所の方々も聞いていただ
きたかったです。
・災害があった時に、障害のある子と何処へ避難すれば良いのか(親子で居る時、一人の時、事業所に居る時)考えておかないと・・。
・子供の様子を身近な方にとにかく知ってもらう事が大切である。親の元気な間に頑張りたいと思いました。
・自分達家族の対応のしかた。これからの地域でどう対応するか。
・ずっと気になっていたので、とてもありがたかった。今はおどろく事ばっかりで書けませんが、家に帰って一人で考えてみたいと思っています。
・当事者が常に地域とのつながりを持つこと。障害者でかたまるのは良い場合もあるが、常に障害を理解してもらうよう努力する。勇気はいるが本人を外に出す。
・災害時のみばかりでなく、福祉のあり方などの再認識ができた。地域でのコミュニティーづくりは今後の大きな課題となりました。育成会会員であることは安心ポイントの1つであると感じています。
・地区によっていろいろちがうので、結局は自分のことは自分で守る。近所によく知ってもらえるようにしておく。地域の繋がりが大事だということ。
・指定避難所の必要性、地域でのつながり、まず日頃から感じていました。これをきっかけによりつながりが広がることを考えてというか行動を出来ることから、とより感じました。
・どの報道からも聞かれない新しい切り口の話だった。「知的障害者がひなん所でどう過ごしたんだろう?」でなく、そこで普通に過ごせるための地域のつながりや、地域全体での防災訓練など、まわりの人々と一緒に自ら切り開いていく事が大切だとわかった。しかし、声をかけていくのはかなりむつかしいが、やっていかなくっちゃ-。
○良かった・・1件
その他
○大変良かった・・7件
・「防災」をキーワードにして、地域のコミュニティー作りの大切さを改めて考えることができ、今後のとりくむべき方向性を見いだすことができた。
・今回の災害で障がい者の被災状況、避難状況はほとんど見られなかったように思い、「どうされているのか」というのはずっと感じていたので、現地の状況を少しでも伺うことができ、良かったです。日々からのつながりのために防災訓練!!というのが、私の中になかった視点だったので新鮮でした。「つながりがないからできない」に陥らずに行動を起こさねばと改めて感じました。
・施設職員として普段からの実践の大切さを再認識できました。参考になるお話もたくさんお伺いすることができました、ありがとうございました。
・実際におこっていることをお話いただけて、課題がより具体的に見えてきました。今あること、やっていることを丁寧に見直し、みんなで意見を出し合うことでも対応できることがたくさんあるとも思いました。
・コミュニティー作りの大切さを痛感しました。安否確認における相談援助の大切さを聞き、日頃からシミュレーションしておくことが大切だと感じた。
・障害者に対する配慮が、災害弱者すべての配慮につながるという話など、現地の話が具体的に聞けたこと。
・各参加者それぞれに知りたかった内容についてわかりやすく教えていただいたこと。
○良かった・・2件
・安否確認の重要性。新しいコミュニティーづくりを考えて(先のこと)。
  よい種まきをする。日頃の顔の見える関係を作っておくことの大切さ
  災害の経験を生かせる。相手の気持ちに寄り添うことが大事(相談員)
・親の力(私自身の)程度がわかった(弱点が)。親の会の社会参加活動が大切かも。
 活動の現場が思ったより遅々としていることがわかりました。
 未回答
 ○大変良かった・・1件
☆今後、学習会で取り上げて欲しいテーマやその他ご意見など
 ・地域とのコミュニティーづくりについて
 ・右京区避難所はどこにあるか
 ・将来について専門職としてこれからも考え、実践していきたいと存じます。運営・企画ありがとうございました。
 ・地域の民生委員や社協役員も接点を求めています。我々が仲介すべきではあるのですが、何かを一緒に取り組むとか(防災訓練など)そういったところから顔の見える関係につなげていけたら、と考えています。
 ・講演をきくだけにとどまらず、地域でネットワークで更に議論を深めたいと思います。
 ・地域の中で日々の努力、つながりの種まきが必要。どんなことが具体的にあるだろう・・か?
  思いつくままに・・あきらめない気持ちが大切。なでしこジャパンから学んで。
・2年、5年、10年後継続して活動報告をききたい。具体的に何を子供にふだんから調整できるものがあるでしょうか(思いがけない状況の中でも生活して行ける為に今から何が必要なの?)。親子だけで施設の往来をしているだけではだめと言っておられたのが印象的でした。
・「障害者にとってやさしいひなん所、住みやすい町、地域は普通の人にとってもやさしいのだ」
 この事を堂々とまわりに声を出せる様、がんばりたい。

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