大阪北部地震 第6報

「避難行動要支援者名簿」と要支援者安否確認の現状について

朝日新聞(6月22日朝刊)に、「避難行動要支援者名簿」と安否確認状況についての記事がありました。

内容は、今回災害救助法が適用された大阪府内13自治体のうち、「避難行動要支援者名簿」を基に安否確認を行った自治体は8市町に留まったこと、および他5市町(吹田市、枚方市、箕面市、高槻市、摂津市)については、現在まで「名簿」を基にした安否確認を行っていない、というものでした。(※ただし高槻市、摂津市は、「名簿」を使わず独自に障害者福祉事業所への連絡や独居高齢者名簿等で安否確認を行ったとのこと。)

第4報でもお伝えしましたが、本記事でも、安否確認については自治体が行っていることを伝えています。
自治体が全名簿登録者の安否確認を行うのは、かなりの時間がかかります。災害時には、最初の48時間以内での安否確認が重要です。そのため避難行動要支援者名簿も、自主防災組織(町内会等)など近隣住民がそれを基に災害直後に安否確認することが前提となっています。

しかし今回の大阪北部地震でも、自主防災組織によって「名簿」をもとに直後に安否確認された例は、現時点であまり聞かれませんし、自治体による安否確認もまだ終わっておらず、記事の通り安否確認も行わない自治体もあります。(※一方日頃から町内会に入ったり、近隣の方と付き合いのある人は、名簿登録有無に関わらず安否確認された例が多いと感じます。)

また、名簿は重度障害者で開示同意した人しか含まれていません。中軽度の障害者はそもそも名簿に掲載されていませんし、開示に同意しなかった多くの障害者も掲載されていません。重度障害者はもともとサービス提供事業所とつながっている人が多く、事業所から安否確認されますが、もともとサービス提供事業所とつながっていない中軽度の障害者も心配です。

豊中市では開示同意者名簿も開示不同意者名簿(自治体判断で災害時には自主防災組織等に提供される)も自主防災組織に提供され、まだ完了はしていませんが自主防災組織による安否確認も災害直後から行われているようです。

東日本大震災を受け、2013年に災害対策基本法が改正され、市町村による「避難行動要支援者名簿」作成が義務付けられました。しかし今回の地震でも十分に活用されなかった自治体が多いように見受けられます。詳細については、状況が落ち着いてから調査予定です。

今夜の救援本部会議の結果については追って報告致します。

事務局 東 耕大

 

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