大阪行政まわり①~概要説明「なぜ毎回障害者は困るのか」~

こんにちは!事務局の東です。

「なぜ災害時毎回障害者は困るのか!?」
「なぜ行政の被災障害者施策は同じ失敗を繰り返しているように思われるのか!?」
「変えるためにはどうすればよいのか!?」

阪神淡路大震災から障害者の困りごとの内容はあまり変わりません。
なぜ行政はそこをなんとかできないのだろうか。

同じ失敗を繰り返し続けていることの理由が分からないので、
直接大阪府下の行政・社協をまわり意見交換およびゆめ風との連携の提案を行うことをはじめました!

次回からは各市町村での結果を報告いたしますが、
今回は、行政・社協による被災障害者支援の現状とその問題点を説明します。(※現時点でゆめ風が考えるもの)


1.行政・社協による被災障害者支援

①避難行動要支援者名簿

②福祉避難所

③ボランティアセンター

の大きく3つが挙げられます。

 

しかしながら、なんと!!

全国的にほぼすべての自治体において、この3つのすべてが機能していないのです!

しかも、この3つは達成されたとしてもそもそも非常に不十分な取り組みなのです。

一点ずつ述べさせていただきます。

 

2.取り組みのそもそもの問題点!

①避難行動要支援者名簿 そもそもの問題点!

そもそも!避難所にバリアが多い!避難してもサポートが受けられない!そんななかで、自宅から避難所へ避難することだけを想定した名簿はあまり意味がありません。
名簿は町内会に渡されますが、実際の運用は町内会に任され熊本地震では名簿による避難行動支援はほとんど見られませんでした。

そもそも名簿作成が法的に義務付けられたにも関わらず、名簿自体作られてもいない自治体も多いのですが。。

 

②福祉避難所 そもそもの問題点!

そもそも!福祉避難所は「二次避難所」として開設されることが想定されています。どういう意味かと言いますと、地域の小学校など真っ先に開設される「一次避難所」の様子を見てから「二次避難所」である福祉避難所を開設するということです。災害が起きた時にまっさきに開設されなければあまり意味がありません。またそもそも!配慮のない一次避難所にも避難できない障害者が多いのです。

また、「福祉避難所」という名前は、特別なケアが受けられるようなすばらしいもののように捉えられていますが、実際は大したことがないものなのです!

高齢者施設や障害者施設の空いているスペースに避難者を受け入れることが想定されており、「避難者10人あたり1人の支援者」しか想定されていません。しかも災害時ただでさえその施設のスタッフは大慌てで人手不足なのに、どうやって避難者を支援する人を確保するのかということがほとんど考慮されていません。

またもっと根本的な話を言えば、障害者を一般の指定避難所から分けて福祉避難所に行ってもらうという発想は、共生社会づくりの観点からふさわしい発想なのでしょうか。

バリアフリーな指定避難所とそこでの合理的配慮があれば指定避難所に避難できる障害者は、事務局の感覚では8割くらいおられます。そもそも2016年に障害者差別解消法が施行され、指定避難所のバリアフリー化、合理的配慮は法的義務です。

福祉避難所に分けてしまうことで、普段から付き合いのある近隣住民と切り離されることで、近隣住民からのサポートも受けられなくなります。
指定避難所をバリアフリー化し、合理的配慮がなされるように啓発活動を行うことが第一なのではないでしょうか。

 

③ボランティアセンター そもそもの問題点!

ボランティアセンターは、社会福祉協議会が中心になって開設し、一般のボランティアを募るものですが、阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本地震等でも、正直ボランティアセンターは障害者への支援に積極的ではなかったのではないか、という感想を持つ障害者団体は多いです。

「障害者の支援方法がわからない」と言われ、熊本地震でも断られたケースが何件もありました。

熊本地震でも、障害者団体で被災地障害者センターくまもとを立ち上げ、支援を行ってきました。こちらからボランティアセンターに対して協力要請をもっと積極的に行えばよかったのかもしれませんが、結果的に連携はうまくいかず、発足当初から支援者不足に喘いでいます。

現在は、障害者、高齢者、外国語話者など特別な配慮が必要な方々への支援に向け、社協の方々は積極的に勉強会を開いたり、連携の試みをされています。
ゆめ風基金としても積極的に連携を行い、被災した障害者が困らないよう今後も努めていきます。

現時点でのゆめ風基金の認識は述べたとおりです。
行政・社協の方々と率直に意見交換させていただき、次の災害時には障害者が少しでも困らないために、まずは大阪から連携および協力の働きかけを積極的に行っていきたいと考えています。

みなさまとともに考えていくことができればありがたいです。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 

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