昨日、京都府相楽郡の相楽作業所で「東日本大震災関西障害者応援連絡会」の会議があり、参加させていただきました。
相楽作業所は16年前の阪神淡路大震災の時、救援物資を何度も運んでくださったことを思い出します。今回の震災でも相楽作業所と京都、奈良のグループが集まり、被災地の友人グループの紹介で福祉避難所に入り、支援活動をされてきました。
相楽作業所は「ゆめ風ネット京都」を引き受けてくださっていることもあり、ゆめ風基金の事務局も出席させていただきました。昨日の会議は現地の支援活動の報告と今後の活動について話し合われました。
つながりのある障害者作業所から紹介されて、約70人の障害者と家族が避難している石巻の障害者作業所を支援されてきました。現地の窓口になっているスタッフと綿密に相談しながら、地震直後から現在まで刻々変わる要望に対応するために、このグループの各作業所が連携してその時もっとも必要とされることを実行する支援活動は、被災者にとても喜ばれたそうです。
「直後の支援活動は知り合いや友人などそれまでにつながりのある所から支援を始めないと、いま困っているひとたちのニーズに応えられない」と現地にいち早く入り、支援活動をして来られた行動力に頭が下がりました。
ゆめ風基金は被災地障がい者支援センターを通じて、一般避難所や自宅、福祉施設の避難所などにおられる被災障害者の介護をしたり支援物資を届けたりと、個別ニーズに徹する支援活動をつづけています。「必要な時に必要な支援活動を」というところで、相楽作業所などのグループの支援活動とつうじるところが大きく、とても心強く思います。
今後はいままでの支援活動をつづけながら新しい支援として、被災地で障害者作業所が作っている商品をネットワークでの販売を始めることになり、すでに会議室の横の和室に宅配便の段ボールがいっぱいありました。このグループは何をするにもフットワークが軽く、福島県の作業所が風評被害で困っていると聞くと、すぐに現金で商品を買って来た他、岩手にも商品販売のために調査に行き、商品カタログといっしょにたくさん送ってもらったそうです。
テレビなどで被災地支援の一つとして被災地物産フェアーやイオンなどが支援プロジェクトをはじめたと報道されていますが、わたしたちは被災地の復興の過程で障害者や高齢者が対象となるのではなく、復興の担い手として参加していくことの大切さを訴えていきたいと思います。
障害者作業所の物づくりは長い間「福祉」の枠の中でしかとらえられて来ませんでしたが、実はいま注目されつつある「社会的企業」の経済活動として評価される時が来るとわたしたちは思っています。今度の復興は、日本社会全体のありようが問われる中で進めなければなりませんが、障害者が福祉の対象ではなく、福祉の担い手として、さらには社会の構成員として参加していくことで、よりやわらかく豊かな社会を実現する役割を果たすことかできるとわたしたちは思います。そのひとつの方法として、まずは被災地の障害者作業所の物づくりを支援していくことが必要ではないでしょうか。
夢は大きく、行動は地道に、できることから始めていけたらと思います。
文責 事務局員 細谷常彦