ヒデの救援レポート、015年7月28日:180

★豊能障害者労働センター機関誌「積み木」№257号からの転載
(連絡先 TEL 072-724-0324、FAX 072-724-2395)
「当事者は誰だ?-熊と東北とわたしたち・・・石原礼」
・熊という生き物はああ見えて保守的な臆病者で、冒険心と言うか開拓精神に欠くところがあって、山や森の中で、それぞれ決まった時間に決まった範囲で食い物やコレクションを求めてうろうろと1日をすごしておるそうな。
そして、そこで見知らぬ人間や他の動物の足音が聞こえてくると、元来の臆病者、それ故にいったんは自分が物陰に隠れてやり過ごそうとするのだが、それでも自分は追われている、と言う不安に駆られると、開き直ってかケツをまくってか反対に威嚇的、攻撃的になったりするという。
熊さんの言うことにゃ、お嬢さん、お逃げなさい、とはいかないんだな。
そのあたりの習性、俺としては、とても他人とは思えない、実際結構シャイなヤツだったりするのでした。
また、その暮らしぶりは実に呑気なもので、寒いときはできる限り寝て過ごしていたりだとか、一つのことに集中「特に食事」するとその事柄にはまりにはまってしまい、その他周囲に対する注意、警戒心といったものがお留守になってしまうという。
鈍くさいところもあるものだ。
これまたとても他人とは思えない。
にくいアンちくしょうだったりするのでした。
しかし、そうやって木の上でドングリなどをのんびり食ってはまっていると、それを漁師が鉄砲で撃ってさ、と言った悲劇になってしまうのであった。
また、我々人類が熊の本来の本拠地である山や森を、断りもなく切り開いたりするものだから、熊としてみれば、何処までが本来の自らの行動範囲なのか定かでなくなり、うっかり人里に出てしまい、うっかり人間に遭遇し、不安に駆られ、結果、臆病ゆえに攻撃的になってしまって、またしてもそれを漁師が鉄砲でと、といった悲劇。
果たして、鈍くさいのは熊なのか、我々人類なのか。
3月11日、東日本大震災4年の時をむかえた宮城に行ってきました。
被害の大きかったゆりあげ港、志津川、いまだに続く余震と、一向に復興は進んでいない現実を目の当たりにしました。
情けないやら腹がたつやら、明らかに、トーキョーオリンピックとやらに関心も人手も取られ、放ったらかしになっているのだなと思いました。
現地で暮らす仲間たちの言う、「忘れ去られていく不安」が現実の景色として迫ります。
全国的な動きとしては、これまで活動してきた「東日本大震災障害者救援本部」も、この度、4年間の活動を持って解散、今後はそれぞれ現地での活動へ、といった運びになった訳でありますが、この様な厳しい現実、状況の中、あとは現地で、となったところで、まだ出会ったばかり、立ち上がったばかりの現地の若い障害者たちとしては、何をどうしてよいものやら、それこそ、まるで森からからはぐれた熊の様な思い、ますます、「忘れ去られていく不安」に駆られて行くのではないのでしょうか。
実際は、これからこそ、継続した支援が必要であると、ますます認識させられる訪問となりました。
ゆめ風基金としても、我々としても、現地の仲間たちと共に暗中模索しながらの活動を続けて行こうという思いを新たにしました。現実は先送りも巻き戻しも出来ない。
ましてや、そこに暮らす人々だけの問題ではないのだ。
そうやって被災地の復興が遅々として進まない一方で、今の社会を、とんでもない速度で、どんどんストロングな、きな臭い方向に進めようとする動きがあります。
果たして、彼らだか彼女らかだかの掲げる、「おもてなしの文化国家」とはいったい何なのでしょうか。
基地も原発も河口堰も公共事業も、そこに暮らす人々は、そんな危ないものはいらない、やめてくれろといって いるにも関わらずやめないのはどういう訳か。
政治家の皆さんはいつも自分たちがこの国の中心だと思い上がって、自分たちは安全なひととこに固まって、現地で暮らす人々や最先端にいる人々の知恵も意見も気持ちも反映しないし聴きもしないではないか。
そんな事でおもてなしも文化もあったものか。
政治家の皆さんも、電力会社も、その言いなりになっているマスコミもやっぱりみんな嘘つきだ。
吸血鬼だ、がりがり亡者金食い虫だ。
人の命や暮らしに差をつけるこの国は、おもてなし国家でもなければ、文化国家でもない。
土建屋談合国家なのだという事実を、被災地の現状からはっきりと思い知らされたのでした。
外国から来る皆さんも、くれぐれも騙されるなよ。
一見、呑気に、気ままに暮らしている様な熊たちも、山や森の自然の中で、他の動植物たちと一定のリズムに則って、何かを先送りする事もなく、それぞれの範囲でいま現在の役割といったものを担い、暮らしています。
一方、我々人類は、原発や基地の問題で、よく、未来の子どもたちにツケを回すな、と言ったりしますが、その言い方自体に先送りを感じてしまいます。
しっかりと、いま現在の事として向きあい、いま現在の事として立ち向かわなければ何も始まらない、変わらないのだという事を被災地で暮らす人々も、沖縄で暮らす人々も、障害を持った人々も、それぞれの範囲からずっと、我々に訴えかけているのではないのでしょうか。
それは、当事者の問題ではないという事も。
ひょっとしたら、山や森で暮らす熊たちも、同じことを我々に伝えてくれているのかもしれない。
鈍くさい人類よ、いい加減に気づけよ、と。
以上
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これまで届けた救援金
354,650,649円(2015年7月3日現在)
内・東日本大震災救援金総額
290,442,139円(2015年6月12日現在)
ただいまの基金残高
258,818,333円(2014年12月31日現在)>
このメールは、東北関東大震災被災障害者救援に関する、被災障害者支援ゆめ風基金副代表理事、障害者問題総合誌「そよ風のように街に出よう」編集長、バクバクの会事務局員でもある河野秀忠が感じた、各方面の被災障害者救援活動のあれこれの個人的レポートです。
広く知ってもらいたいので、転送自由。
自由にお使いください。
息の長い救援が求められています。
長期戦です。
救援金の送り先は、郵便振替口座:00980-7-40043 ゆめ風基金です。
「とうほく」と書いてください。
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「東日本大震災救援活動の中のhideの風景」
●祭りと花火、夏本番の中、後、半月!
梅雨が明け、夏本番!
毎夜、どこかで花火大会、お祭りが行われ、日頃、学校の捕虜になっていた子ども達が、夏休みで解放されて、そのはしゃぎ声が、街中を占拠する。
とはいえ、今年の夏は、暑い。
猛暑日がスクラムを組んで、続いています。
hideは、ことのほか夏が苦手なんですよぉ。(苦笑)
その猛暑日の中、8月16日、被災障害者支援:ゆめ風基金:設立20周年イベント「希望はつながり」が半月後に迫っています。
●午後4時より、中之島中央公会堂です!ハバ、ハバですよぉ!
以上!

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