宮城につづいて、被災地障害者センターいわてが正式に活動を開始し、被災地での実態調査、支援活動が本格化する中で、予想されていたとはいえ震災以前に障害者が置かれていた状況も知るところとなり、支援活動も困難さが増しています。しかしながら、だからこそいま立ち上がろうとする被災地障害者の思いの深さもたしかなものとしてあり、これからの支援活動、復興活動にむけてのエネルギーとなることでしょう。
下記のように、被災地報告会を開催します。
ぜひご参加ください。
日時 2011年5月20日(金) 午後6時30分より
場所 市民交流センターひがしよどがわ
大阪市東淀川区西淡路1-4-18 電話:06-6321-3816
「20ミリシーベルト」の撤回を求める【子どもの教育に関わる立場からの緊急要求書】に賛同を!
「20ミリシーベルト」の撤回を求める【子どもの教育に関わる立場からの緊急要求書】に賛同を!
障害者権利条約批准・インクルーシブ教育推進ネットワークMLより
【子どもの教育に関わる立場からの緊急要求書】
子どもに「年20ミリシーベルト」の被ばくを強要する文部科学省通知(4.19)を撤回せよ
に賛同をお願いします
教職員、保護者、学生、生徒、教育関係諸団体、教職員組合、元教職員など子どもの教育に関わり、関心を持つすべての皆さん。
福島県では文部科学省の「年20ミリシーベルト」という現行の一般人への限度(年1ミリシーベルト)の実に20倍もの「基準」によって子どもたちが放射線の危険にさらされています。
5月2日に行われた「グリーン・アクション/福島老朽原発を考える会(フクロウの会)/美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)/国際環境NGO FoE Japan」と文部科学省、原子力安全委員会との交渉では「年20ミリシーベルトが安全という専門家は誰もいない」(原子力安全委員会)ことが明らかになり、「毎時3.8マイクロシーベルト以下は平常に活動していい」などと言うことには何の根拠もないことがわかりました。
しかし、福島県ではこの文科省の基準に基づいて子どもたちが、「普段通りの学校生活」を強要され放射線に被ばくさせられています。文科省は学校現場に「放射線を正しく理解するために 教育現場(保護者)の皆様へ」をおろし、「年20ミリシーベルトが安全である」かのように宣伝し、教職員にもそのように教えさせようとしています。
文科省の「年20ミリシーベルト」についてはすでに市民、保護者から、また諸団体や諸外国から数万もの反対署名が寄せられています。私たちは教育に関わるもの自身がこの問題について公然と抗議の声を上げ、文部科学省に撤回を要求しなければならないと考えます。子どもたちの生命と安全を守ることは教育に携わる者の責務です。
下記の撤回要求に賛同いただける子どもの教育に関わる諸団体、諸個人は下記アドレスにメールにてお知らせ下さい。(賛同団体は「賛同団体名」を、賛同個人は「お名前と都道府県名、小学校教員または保護者などをお知らせ下さい。個人名はホームページ、メールなどに公表しません。)第1次集約期限は5月21日とします。
なお、「20ミリシーベルト基準即時撤回、被ばく量の最小化のためのオンライン署名」も始まっています(http://www.jca.apc.org/mihama/fukushima/signature_02.htm)。そちらにも是非ご協力をお願いします。
2011年5月10日
子どもに「教育への権利」を!大阪教育研究会
■賛同受付■ メールアドレス eduosaka@gmail.com
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【子どもの教育に関わる立場からの緊急要求書】
子どもに「年20ミリシーベルト」の被ばくを強要する文部科学省通知(4.19)を撤回せよ
文部科学大臣 木 義明 様
4月19日、文部科学省は、「福島県内の学校の校舎・校庭等の利用判断における暫定
的考え方について」を出し、学校における放射線量の目安として年20ミリシーベルトという基準を、福島県教育委員会や関係機関に通知した。この年20ミリシーベルトは、屋外で3.8マイクロシーベルト/時に相当するとし、これ未満の測定値である学校については、「校舎・校庭等を平常通り利用して差し支えない」としている。翌4月20日に文部科学省は、「年20ミリシーベルト」を学校、保護者に押しつけるために「放射能を正しく理解するために教育現場の皆様へ」なる文書を出した。この中で、「毎時3.8マイクロシーベルト未満の区域-普通に生活して支障はありません」と放射能の危険性を否定している。チェルノブイリ原発事故の被害を過小評価し、まとめとして、「放射能について過剰に心配しない、させないことが大切です」とあたかも放射能が危険ではなく、不安になることの方が問題であるかのようにしめくくっている。
とんでもないことだ。文部科学省の通知は本来避難すべき、被ばくを避けるべき子どもと保護者を学校と地域に縛り付けるものである。子どもの生命と安全を守るべき教職員は、放射能に被ばくしても安全だと教えさせられる。放射能で汚染された学校がそのままなら、 子どもは学校だけでなく公園や地域で遊び、知らない間に被ばくをさせられることになる。子どもの生命と安全を守るべき文部科学省が先頭に立って子どもを放射線の危険にさらすことは断じて許せない。私たちは子どもたちを危険にさらすことに心を痛め、不安を感じ苦しんでいる多くの教職員、保護者とともに通知の撤回を要求する。
文部科学省の通知は現行の一般人の線量限度、年1ミリシーベルトの20倍もの被ばくを子どもに強要するとんでもないものである。
①毎時0.6マイクロシーベルト以上の場所は「放射線管理区域」に設定される。労働基準法はこの区域での18歳未満の作業を禁止している。文部科学省が子どもに押しつける毎時3.8マイクロシーベルトは、その約6倍に相当する。
②「年間20ミリシーベルトは子どもの発ガンリスクを200人に1人増加させる」とPSR(「核戦争防止医師の会」の米国内組織)が声明を発表したのをはじめ、子どもの被ばく基準を20ミリにすることは国際的な批判が集中している。
③文部科学省は「大人も子どもも同じ」と、大人よりはるかに高い子どもの放射線に対する感受性を考慮にいれていない。しかし、国際放射線防護委員会(ICRP)自身が子どもは 被ばく基準を10倍厳しくすべしとしている(pub.36)。
④子どもは土埃の中で遊び、放射能を含む食物を食べるのに基準は内部被曝を考慮しない杜撰なものである。
⑤原発労働者が白血病を発症したとき労災認定を受ける線量の目安は年5ミリシーベル トである。子どもにその4倍の放射線をあびせて発症しないといえるはずがない。
⑥4月29日に内閣官房参与で放射線安全の担当の小佐古氏が、年20ミリシーベルトの 数値に抗議して辞任した。子どもの基準が不当な高さだという批判は与党を含む国会議員 からも起きている。
⑦自分の子どもを通学させている福島県の保護者や福島県教組に結集する教職員は子どもを危険にさらす基準の撤回を強く要求している。
20ミリシーベルト基準の決定の仕方も無責任極まりないものだ。基準決定の根拠そのも のが崩れていることが明らかになっている。5月2日に行われた市民との交渉の場で、原子力安全員会は、文科省が20ミリシーベルト基準「通知」を出すことを「差し支えない」と決定するにあたり、正式の会議を開かず議事録もとっていないことを認めた。しかも、「安全委員会は20ミリシーベルトは基準として認めていない」と発言し、「年20ミリーシーベルトまでは安全だとする委員は1人もいなかった」と述べた。こんな「助言」で基準を決めたことそのものが不当である。
文科省通知によって、福島県内の学校が次々と再開されている。子どもたちは放射能を浴びながら登下校し、放射能の中で学校生活を強いられている。福島県郡山市や伊達市は、緊急対策として子どもたちの被ばくを低減させるため、放射能汚染された校庭の表土除去を実施した。しかし文部科学大臣は年20ミリシーベルト基準に基づき、このような被ばく低減措置は「不必要だ」と発言し低減のための活動を妨害している。これは子どもたちに20ミリシーベルトの限度いっぱいまで被ばくすることを強要するものだ。文部科学省は自らに義務つけられている被ばく低減のために具体的な措置を直ちにとるべきである。
文部科学省は教育の現場に「年20ミリシーベルト」基準を持ち込み、被ばく低減策さえ否定することで子どもたちの生命と安全を脅かしている。教育に関わる者として私たちは、文部科学省に対して以下のことを直ちに実施するよう要求する。
要求事項
1.子どもに年20ミリの被ばくを強要する「福島県内の学校の校舎・校庭等の利用判断における暫定的考え方について」(通知)を直ちに撤回すること。
2.放射能を心配させないことが大切だとする「放射能を正しく理解するために 教育現場の皆様へ」を撤回すること。教育現場に配付している場合は、回収し廃棄すること。
以上
2011年5月( )日
呼びかけ団体 子どもに「教育への権利」を!大阪教育研究会
賛同団体・個人
避難所に於ける、障がい者に対する人的支援を含む配慮についての要望案 福島
「被災地障がい者支援センターふくしま」より福島県への要望案が届きました。
福島県知事 佐藤雄平様
被災地障がい者支援センターふくしま
代表 白石清春
避難所に於ける、障がい者に対する人的支援を含む配慮についての要望
この度の東日本大震災におきましては、連日私たち県民のためにご尽力くださり、ありがとうございます。
さてこれまで私たちは、避難所、緊急時避難準備区域において、障がい者の方々の訪問活動を行ったところですが、その中で避難に関して下記のような課題が浮き彫りになってまいりました。
①身体的な障がいをお持ちの方は、設備面、介助面等の不安から、避難所での生活が困難であるとして、避難を諦めている、または避難しないと決めている、という方がいる。
②発達障がいをお持ちの方、またはそのご家族の方は、集団生活が困難である、または周囲の理解が得られないという事から、避難所での生活が困難であると考えている。
③精神障がい者の方、またその支援者の方々は、前回の避難の際に、避難所で周囲の方々の理解が得られず、辛い思いをした経験から、避難の困難さを訴えている。
④同じく精神障がいの方々は、避難所に医療機関との連携がないと服薬等の面で不安となり、パニックになる恐れがある。
⑤聴覚や視覚障がい者に対する情報提供の不足。
以上の状況から、緊急的な避難における避難所には、設備面のみでなく人的支援の必要性、集団の生活が難しい方への配慮などが必要です。こういった設備面等における配慮があるという情報がないと、障がい者の方々は避難自体をしないという判断をされる恐れが多いと思われます。さらには、避難をしたとしても避難所の生活が送れず、避難先を転々とし、その中で体調不良になり、最悪の場合自死を含む死亡者を出す恐れさえあります。
つきましては、緊急時の避難に備え、避難所に次頁の点に関する配慮を行い、そのことを情報提供することを強く求めます。多くの障がい者の方々の命に関わる問題です。ご検討、よろしくお願いいたします。
障がいを持つ方の避難所での生活に関する要望
1.車いす対応のトイレやベッド等の設備面での配慮があること、また介助等の人的支援を入れること
2.発達障がいや精神障がいの特性に配慮し、体育館のような大きな空間ではなく、小さな空間(部屋)に入れるような配慮、及び同障がいに対する理解を求めるパンフレット等を他の避難者へ配布する等の配慮
3.避難所となる場所の近隣に精神障がい関係の医療機関があることの配慮
4.保健福祉、医療面での支援のために、相談員、保健師等の配置に関する配慮
5.その他、障がいを持つ方の避難生活に必要な支援を柔軟に行える配慮
6.視覚障がい者や聴覚障がい者に対し、障がい特性に応じた情報提供が行える配慮
連絡先
被災地障がい者支援センター ふくしま
郡山市桑野一丁目5-17
TEL 024-925-2428/FAX 024-925-2429
メール shienfukushima2011green@yahoo.co.jp
おすぎとピーコさんからのメッセージです
河内家菊水丸さんからのメッセージ
桂小春団治さんからのメッセージ
横路孝弘さんからのメッセージ
とっておきの音楽祭に小室等さんが特別参加
とっておきの音楽祭は、2001年仙台市で始まった、障害のある人もない人も一緒に音楽を楽しみ、音楽のチカラで心のバリアフリーを目指す音楽祭です。商店街、ビルの前、公園など街がステージとなり、障害のある人もない人も一緒に演奏し、歌い、踊り、街行く人が観客となります。毎年、県内外から約200の団体・バンドが出演してきました。
障害のある人もない人も参加し、心のバリアフリーを目指す屋外の音楽祭は全国的にも珍しく、その規模も日本最大といわれています。
今年も6月5日の開催に向けて準備をしていたところ、3月11日の巨大地震で実行委員、出演予定者のほとんどが被災し、家族、友達、仕事、家、故郷を奪われ、音楽祭の開催があやぶまれましたが、たくさんの市民から「今だからこそ音楽祭を」と開催をもとめる声が寄せられ、開催することになりました。
特別な思いが集まって開かれるこの音楽祭のフィナーレに、ゆめ風基金の呼びかけ人代表の小室等さんが特別ゲストとして参加されることになりました。
被災地の障害者救援活動をつづける被災地障がい者センターみやぎのスタッフの方々から「とっておきの音楽祭」の話を聞き、ゆめ風基金としても何か協力できることがないかと話し合いました。186グループの参加がありすでにプログラムが決まっている中で2曲分しか時間がないのだけれど、それでも小室等さんになんとか来てもらえないかという実行委員会の願いをおそるおそる伝えたところ、小室さんは「かまわないよ」と言ってくださったのでした。
小室さんの心意気に、とっておきの音楽祭の実行委員会もゆめ風基金もただただ感謝です。
前日の前夜祭にも加納浩美さんなどゆめ風基金の支援ミュージシャンの参加も決まりました。
ゆめ風基金のスタッフも4日5日現地に応援に行くことになり、被災地障がい者センターみやぎのスタッフと交流し、現地の状況を聞かせてもらうことになりました。
よろこび、かなしみ、いかり、いさかい、わかちあい、わかれから生まれるいくつもの歌を、まるで魔法使いならぬ「歌使い」のように静かに届けてくれる小室等さんが被災地に立つすがたが浮かんできます。
そしてとっておき音楽祭で歌われるすべてのグループのすべての歌がひとびとの心に流れ、共に生きる新しい町をつくりだす静かな勇気となっていく現場に立ち会えることに、わくわくするというより、涙が出てきます。
ともに生きる、すべてのひとの希望をたがやすために…。
とっておきの音楽祭
4月13日陸前高田 八幡隆司
必要なときに必要なところに届くように
本日5月10日、被災地障がい者センターいわて、被災地障がい者センターみやぎ、被災地障がい者支援センターふくしまの3拠点の共通支援金として1,000万円を送金しました。
被災地があまりに広い範囲に渡っていることや支援活動の拠点作りが整備され、現地での救援活動の中で緊急に支援金を必要とする場合にすぐに役立ててもらうためには、あらかじめ現地に支援金を送金しておいたほうがよいと判断しました。
現地の被災障害者のニーズに沿った救援活動を被災地障害者とともにすすめようと願うわたしたちにとって、支援金そのものの流れも必要なときに必要なところに届くように、現地の決済を優先することが本来の姿であると思います。大切な支援金を送っていただいたみなさんにもご理解とご賛同をいただけるものと思います。
震災以後2ケ月をへてこれからがほんとうのはじまりなのだとスタッフ、関係者一同あらためて心をひとつにして、支援活動をすすめようと思います。