豊能障害者労働センター機関紙「積木」225号より
五月一四日、豊能障害者労働センターさんのバザーに、参加させてもらいました。かれこれ一〇回以上の参加になる恒例の春のバザー。今年は「被災障害者救援バザー」というタイトルがつけられました。
売上金の全額を、東日本大震災で被災した障害者の方々のために、ゆめ風基金さんに寄付するということを聞き、「なんて無謀!なんて素敵!」と、私の心は躍ったのでした。
今回ばかりでなく、いくつもの災害に寄付をし続けるとよのさん。その度私は、「いったい自分たちの生活は大丈夫なのか!?」と心配になってしまいます。そんな心配をよそに、やりきってしまうとよのさん。ほんとに大好きです!
自分がたいへんな時でさえ、誰かのために何かをする。
久しぶりに、一九九五年一月一八日の朝を思い出しました。私は、阪神淡路大震災の被災者です。私の住むマンションと隣のガソリンスタンドを残し、町内はすべて地震のあとの火事で燃えてしまいました。部屋のベランダに降りかかる火の粉を見ながら、なすすべもなく近くの小学校に避難しました。
翌朝、五時半頃だったと思います。なんと小学校で、おにぎりと毛布が配られたのです。茫然自失だった私は、「こんな時におにぎりにぎってくれる人がいるんだ!誰だろう?すごい。」と、ほんとに驚きました。そして、その人の存在がうれしくて、とても力づけられました。
東日本大震災。何の資格も特技ない私に何ができるのだろうか、まして短い日程でと悩みましたが、ゴールデンウイークに、被災地障がい者センターいわてとみやぎに行ってきました。現地スタッフさんやボランティアさんのサポートであれば私にもできるかなと思い、思いきって行きました。
一日だけ、ボランティアの方々と、津波の被災地である大船渡市へ同行させてもらいました。避難所などで聞き取りをしたり、経過を確認したりしました。
被災と障害だけではなく、地域や家族、社会構造そのものの問題を突きつけられたようでもありました。神戸に戻ってからも、お話を伺った方々のその後が気になります。
今回は全国から、被災地からも、あたたかいメッセージとともにたくさんのバザー用品が届いたと聞きました。だれかの思いが、まただれかをつないで、愛のバトンリレーのようですね。そんな関係をこれからもみなさんとともにつくっていきたいと思っています。また、震災の長い支援も心に決めています。
神戸から愛をこめて 加納浩美
加納浩美
1961年、秋田県天王町に生まれる。神戸市在住。シンガーソングライター。24歳、初めてバンドを組み、各種オーデションを荒らしまくる。平行してソロ活動もしていたが、1995年の震災以後、ギターの弾き語りでオリジナルの他、ジャンルを問わず自らの感性で選んだ数々の名曲を歌いつづけている。
現在も震災関連イベントや障害者団体の催し等、請われるままに年間40回程のライブを継続している。
*作品に、トルコ・台湾地震救援活動支援CD「ラブパラシュート」がある。