団体報告 その③

■報告③:愛媛県腎臓病患者連絡協議会 事務局長 河野さん

《被災状況の聞き取り》
 愛媛県腎臓病患者連絡協議会では、発災翌日の7月8日(日)午後から、地域の被災状況と透析施設の被害を電話で聞き取り調査されました。
 8日に調査を行った中予と東予からは被災情報がなかったため、翌日の7月9日(月)午後2時以降に、被害の大きかった南予地方の施設を対象に電話での聞き取りを調査をされました。午後2時以降に行われた理由は、午前の透析が終わり、午後2時頃はスタッフの方も比較的落ち着かれている時間帯なので、発災直後で迷惑をかけないように、午後2時以降に調査されたそうです。
 
《調査内容》
 透析患者の方は、週3回、約平均4時間人工透析をされますが、数回飛ばした場合、体調に異常をきたす可能性もあるので、透析を続けることが大切ということで、施設の被災状況、患者の透析の実施、通院状況、そして電気と水などのライフラインについて調査され、全腎協事務局へ報告されました。
 
《発災当日の状況》
 各地の被害状況として、八幡浜市の泌尿器科では、一階部分床上3cm浸水されましたが、2階で透析をしているため、当日の朝には復旧し通常透析を実施されたそうです。
 大洲市の病院では、昔から水害による被害が多い地域なので、事前に水害対策として玄関に段差をつけていたということもあり、かろうじて浸水は免れましたが、町の被害状況から判断し、2時間ほど透析を実施した後に業務を中止し、全員帰宅。残りの透析は、発災から2日後の7/9(月)から透析を実施されたそうです。
 この他、西予市にあるクリニックからは、夜間断水の報告を受け、水の確保の為、西予市役所の危機管理課へ要望書を提出され、透析施設への水の供給について確約されました。
 
《通院不能な方への対応》
 吉田地区や、西予地区は被害が甚大で、交通の遮断や家屋の被災等により、一時的に入院し透析を受けた方、消防のヘリで西予市から宇和島徳洲会病院に移送された方、救急車で大洲市から松山市の県立中央病院へ移送された方もいらしたそうです。

《まとめ》
河野さんは「平時から県と透析研究会でネットワークを作り連携体制が整っていたので、スムーズな対応ができた。今回のような局所的被害の場合は、日頃から整備していた連絡網が機能した。大災害については、 SNS やメールなど含めた様々な情報の取得に関した取り組みや、行政との連携の強化もいると思う。」と、報告してくださいました。