団体報告 その②

■報告②:レインボーアグリ 和氣さん、渡辺さん

《被害状況》
 レインボーアグリさんは愛媛県野村町で活動されています。西日本豪雨では、町中が浸水被害に遭いました。 
 発災時は、避難と同時に水が流れ込み、命からがら屋根の上に避難された方や、浸水した町の写真なども交え報告してくださいました。水位も高く、レインボーアグリさんのビニールハウスが見えなくなる程の高さで、作業所の2階部分も浸水されました。特に1階部分は濁流が流れ込み酷い状況で、送迎車が玄関に乗り上げ、人力では出せないため、トラクターを持って来て引っ張り出したそうです。

《発災から数日経ち・・・》
 発災の翌日から猛暑が続き、5~6日経つと、町中に流れ込んだ山水が干上がり、ほこりとなって飛び、眼や喉に支障きたす方も増えたそうで、災害が終わっても大変な状況が続いたそうです。
 また、利用者さんの中には、町の中を怖くて歩けない方もおられ、一段落し、安堵されたのか「あの時はこんな感じで怖かった。」と、辛かったこと、大変だったことなど、涙ながらに気持ちを吐き出す方もいらっしゃったそうです。発災当時は、言葉にできないほど不安な日々を過ごされていたのだと思います。

《ボランティアの支援》
 代表の和氣さんは、利用者さんが自宅に引きこもってしまうことを懸念し、発災から4日目に活動を再開されました。その後、施設外就労のネギ加工の工場も復旧し、ボランティアさんと一緒に作業をされたそうです。(野村町の人口は約4000人ですが、発災後、約2000人のボランティアさんが支援に入られました。)
 スタッフの渡辺さんは、「大勢の人がボランティアに来てくれたことを知るだけでも、大変楽になりました。また、特に、利用者の心のケアという部分では、ボランティアさんと色々な話をたくさんすることで、利用者さんも少しずつ日常を取り返えされたようで、災害になったという特殊な状況だけではなくて、いろいろな人と触れ合うことで、心が解放されたというか、落ち着いたりしてくるのを実感しました。職員だけでは抱えきれなかった部分。非常に助かったなと思います。」と話されていました。

《新しい活動の場》
 その後、新たに活動の場を作られ、普段は、地域の方が会議会場として利用されるなど、地域との交流の場として活用されています。また、市からの要請があり、今では緊急時の避難指定場所としての役割も担っているとのことでした。

《支援の繋がり…今後に向けて》
 すべての支援の始まりは、7月8日、ネット愛媛「ルーテル作業センター ムゲン」佐野さんからの「そっちはどう?」の一本の電話だったそうです。
 渡辺さんは「当然の事ながら、この様な災害経験は初めてで、発災時は、何をしていいかわからない。そのような時、ムゲンさんから連絡があり、色々な方が現場に来て、次あれする、これすると、テキパキと具体的に指示を出してもらいました。
 あの時、その指示がなかったら、相当まごついただろうと思いますし、このような支援が経験として非常に助かりました。
 今後、どんな災害が来ても、みなさんと共に障害者の方が不利益を受けないように、自力で再生できるような活動に参加してもらいたいと思っています。」と、当時の様子を報告してくださいました。