ヒデの救援レポート2014年5月26日№158

●「東北関東大震災障害者救援本部」世話人会が、5月16日、東京で開催されました。
ゆめ風基金からは、副代表のhideと、事務局長の橘高、理事の細井が参加しました。
・議事の要約です。
東北からは、8障害者拠点から出席があり、緊急支援時期は過ぎて、これからの支援の中から、各拠点の自立が模索される。
したがって、救援本部の役割はあまりなくなるので、一定の区切りとして、来年3月末で救援本部を解散し、以後の支援は、救援本部加盟の各団体が引き継ぐ。
残余金は、計算上、2000万円となるので、有効な使途を議論して決めていく。
というようなことが確認されました。


●東北関東大震災、障害者救援本部特集号 自立情報発信基地№11号からの転載
連絡先 TEL 042-660-7747 FAX 042-660-7746
被災地は…今 その6
「女性達は被災者であり、支援者でもあった」宗片恵美子(NPO法人イコールネット仙台 代表理事)
私たちの団体は、男女共同参画をテーマに幅広い活動に取り組んでいます。
特に防災・災害復興は重要なテーマととらえて震災が発生する前から取り組んできました。
障害に関しては当事者団体ではありませんが、災害時に女性たちが抱えた困難と障害のある方々の問題が多くの点で重なりましたので、このような発言の機会をいただき感謝しています。
私たちの団体が震災発生前からこの問題に取り組んできた背景には、宮城県沖地震の発生確率が高かったことや、95年の阪神淡路大震災の時に女性たちが数々の困難を抱えたことなどがあります。
女性たちは子育てをしていたり、介護をしていたり、障害があったり、お年寄りであったりなどさまざまな暮らし方をしています。
そうした方たちから災害を想定した時に抱える不安や心配が数多く寄せられました。
それらをふまえて「女性の視点からみる防災・災害復興に関する提言」をまとめ、各自治体や地域団体などで提言活動を行ってきました。
女性の視点とは、災害時には、女性自身も困難を抱えますが、女性の身近には子どもたちやお年寄り、障害のある方など、災害時に困難を抱える方々がいます。
そうした人々の代弁者にもなりうるという意味で、女性の視点には幅広い視点が含まれていると伝えながら活動してきました。
震災発生以降は、避難所や仮設住宅で、女性に対する支援活動を行ってきました。
また周辺の市町村では、女性たちに聞き取りをして必要な支援につなぐ活動に取り組んできました。
支援を通して、避難所に関するいくつかの課題が見えてきました。
まず、運営リーダーはほとんど男性です。
男性たちも一生懸命力を尽くしてくれているのですが、どうしても女性たちの声が届かない状況がありました。
特に空間についていえば、プライベート空間が確保できないというのは、女性にとってかなりのストレスです。
更衣室、授乳室もありません。
夜中に寝返りを打ったら、隣りに知らない男性が寝ていて、震えあがったという声も聞かれました。
また保育所も介護施設も被災し、閉鎖になり再開しない。
女性たちは、子どもや介護の必要なお年寄りを連れて避難してくる。
しかしケアしてくれる人がいない。
結果、働く女性たちは仕事を辞めざるを得ない。
そこで、私たちの団体では、2011年9月に、被災地で女性たちが、何を体験し、何を考え、どう行動したのかを記録として残すため、宮城県内の女性を対象に『東日本大震災に伴う「震災と女性」に関する調査』を実施し、1500人の方から回答を得ることができました。
調査では、女性たちが抱えた困難を「家族」、「地域」、「仕事」、「健康」各分野について具体的に質問し、洗い出しています。
多くの切実な回答が集まりましたが、一方では、女性たちが困難の中に止まっていたわけではないことも明らかになっています。
6割以上の方々が「被災はしたが、支援者でもあった」と回答しています。
隣近所の安否確認から避難所や仮設住宅での支援に至るまで様々な支援にあたっています。
そして、8割以上の女性たちが、復興計画の策定の議論の場に女性の参画が必要であると答えています。
この震災を経験し、意志決定の場に女性の声を届けなければならないと実感したのです。
では、復興計画にどのような内容をもりこんだらいいかについては、「障害のある人や妊産婦・病人・高齢者・子どもなどのニーズをふまえたサポート体制を整備すべき」:が最も多い回答でした。
女性たちは、家族も含め困難を抱えた人たちのケアにあたり、なんとかこの震災を乗り切りました。
しかし、結果、体調を崩し、仕事も失うという状況を抱えました。
これは、個人的な課題としてではなく社会的課題として取り組んでほしいという女性たちの切実な声です。
ケアを負担するのがいやなのではなく、個人には限界があったということです。
そして2番目に回答が多かったのは、「女性の地域防災リーダー、災害復興アドバイザーを育成し、地域に住む人々の支援体制を実効性のあるものにする」です。
3月11日の午後2時46分、地域には男性は少なく、子育てをしていたり、介護をしていたりなど圧倒的に女性たちが多かったのです。
女性たちが自分たちで地域を守らなければならないと実感した瞬間でもありました。
日常、実際に地域を支えているのはほとんど女性たちです。
しかし、女性たちは、マンパワーとして地域を支えていてもリーダーシップを発揮するところには少ないのが現状です。
災害が起きた時に、しっかりと判断をして地域を守るというパワーが発揮できなかった。
それをふまえって人材育成をしてほしいということです。
私たちは、これらの調査結果を「男女共同参画の視点からみる防災・災害復興対策に関する提言」としてまとめ、全国発信しております。
この提言の基本にあるのは、人権と多様性への配慮です。
今年は、「女性のための防災リーダーの養成講座」を開講しました。
人材を育成し、女性たちがリーダーとして地域で力を発揮できるようなシステムを作って行きたいと考えています。
今は講座を終えた受講生が自分たちの住む地域で避難所ワークショップ等様々な取り組みを行っています。
この養成講座は、毎年継続し人材の蓄積を図っていく予定です。
女性と男性が地域で協力し、責任をもって地域防災に関わることは、多様な方々への支援につながるものと思い、今後も取り組んでいくつもりです。(2013年12月:仙台市民シンポジウム要約)
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これまで届けた救援金
301,661,224円(2014年4月4日現在)
内・東日本大震災救援金総額
255,252,139円(2014年2月28日現在)
ただいまの基金残高
238,331,044円(2013年12月末日現在)
このメールは、東北関東大震災被災障害者救援に関する、被災障害者支援ゆめ風基金副代表理事、障害者問題総合誌「そよ風のように街に出よう」編集長、バクバクの会事務局員でもある河野秀忠が感じた、各方面の被災障害者救援活動のあれこれの個人的レポートです。
広く知ってもらいたいので、転送自由。
自由にお使いください。
息の長い救援が求められています。
長期戦です。
救援金の送り先は、
郵便振替口座:00980-7-40043 ゆめ風基金です。
とうほくと書いてください。
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