ヒデの救援レポート:2013年3月18日№112

●今週の週末、23日、24日は、認定NPO法人・ゆめ風基金の法人総会と、「小室等&こむろゆい」さんのコンサートが、東日本大震災被災障害者支援後方支援拠点のある新潟市で開かれます。
これからの被災地支援のあり方が議論されます。
機会があれば、また、レポートしますね。


●映画:逃げ遅れる人々「東日本大震災と障害者」上映と南相馬からの報告会
吹田
日時:2013年3月30日(土) 午後1時30分~
場所:大阪府吹田市岸部市民センター・多目的ホール
(大阪府吹田市岸部南1丁目4の8 TEL06-6317-1293)
参加費:500円
・大阪でひとやすみプロジェクト、ぷくぷくの会共催
お問い合わせは、スマイルぷくぷくへ TEL・06-6337-8050
豊中
日時:2013年3月31日(日) 午後1時~
場所:豊中人権まちづくりセンター・4階
参加費:500円
主催:一般財団法人とよなか人権文化まちづくり協会、大阪でひとやすみプロジェクト
お問い合わせは、TEL 06-6841-5300
FAX 06-6841-6655
協賛:豊中市、豊中市社会福祉協議会
★吹田、豊中ともに、映画上映後、さぼーとセンターぴあ代表理事、青田由幸さんのお話、大和田みゆきさんのお話のあと、質疑応答があります。
『津波と原発事故がもたらした現実から目をそらさないために』
みなさんは、福島県の南相馬市をご存知ですか?
福島原発の北側にあり、津波と原発事故で想像を絶する被害を受けたところです。
私は、子どもの遊び場づくりや医療支援で、2011年の秋から南相馬市に通い続けています。
一見すると暮らしは元通りになったようですが、津波と原発事故が残した傷跡は深く、「復興」に向かうどころか徐々に問題は複雑になり、人々の苦しみは深刻になっています。
南相馬市では、放射能汚染、地震や津波で亡くなった方が525人、避難途中や避難先などで亡くなられた関連死と認定された方が388人、ご遺体は見つかっていないけれど死亡届けが出されている方や災害弔慰金の支給対象となった方が111人、合計1024人が亡くなられました。(福島民報2013年1月19日付け)
どれも、県内の他の市町村と比べ桁違いに大きな数字です。
県内の死者合計が3072人とされていますので、人口7万人ほどの南相馬市が受けた痛みがどれほど過酷なものであったかが想像されます。
さらに原発事故が津波による壊滅的被害に追い打ちをかけました。
原発が次々と爆発する中で、実に6万人以上の市民が市外に避難しました。
しかし、避難できなかった人たちがいました。
なんらかの障害のある人々、高齢者、そしてその介護者や家族です。
南相馬市で障害者の事業所を運営しておられる青田由幸さんと出会い、津波の中で、原発事故の中で、いわゆる「災害弱者」と言われる人々がどれほど過酷な状態に置かれたかを教えていただきました。
市内にとどまった人々を守り抜こうとする青田さんたちの取り組みは、朝日新聞の連載『プロメテウスの罠』で取り上げられ、映画「取り残される人々」にもなりました。
個人情報の壁を乗り越えて市を説得し、一軒ずつ障害者や高齢者の家を回って安否確認をし、話を聞き、物資を届け、生活を支えました。
放射能汚染を恐れてトラックが南相馬市に近づかないため、物資は底をつき、お金はあっても食べ物や飲み物が手に入らない状態が続きました。
もしこの活動がなければ、亡くなられた方の数はもっと多かったでしょう。
青田さんは、自分には南相馬市で起こったことを語り伝える使命があるとおっしゃいました。
だとすれば私たちの使命は、南相馬市で起きたことに耳を傾け、二度と同じ悲劇を繰り返さないようにすることではないでしょうか。
津波と原発事故が『災害弱者』に何をもたらしたのか、周りの人々はどう動いたのか 、私たちが語り継がなければならない貴重なお話が聞ける機会です。
ぜひ多くの皆さんのご参加をお願いしたいと思います。
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これまで届けた救援金
236,894,624円(2013年2月12日現在)
内・東日本大震災救援金総額
191,385,539円(2013年2月12日現在)
ただいまの基金残高
260,654,573円(2012年12月末日現在)
このメールは、東北関東大震災被災障害者救援に関する、
被災障害者支援ゆめ風基金副代表理事、障害者問題総合誌「そよ風のように街に出よう」編集長、バクバクの会事務局員でもある河野秀忠が感じた、各方面の被災障害者救援活動のあれこれの個人的レポートです。
広く知ってもらいたいので、転送自由。自由にお使いください。
息の長い救援が求められています。
長期戦です。
救援金の送り先は、
郵便振替口座:00980-7-40043 ゆめ風基金です。
「とうほく」と書いてください。
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●東日本大震災救援活動の中のhideの風景
【社会福祉法人・大阪市社会福祉協議会・大阪市ボランティア情報センター機関誌【のぼ】3・4月号173号からの転載
連絡:TEL 06-6765-4041 FAX06-6765-5618
●みんなで再び立ちあがれるように~福島県双葉郡富岡町~富岡町生活復興支援センター「おだがいさまセンター」
青木淑子さん、吉田恵子さん
○草むしりに300人ーみんなつながりを求めている
・『富岡町は桜吹雪の中で踊るよさこいが名物のまちだったんです』と話し始めたのは吉田恵子さん、富岡町生活復興支援センター「おだがいさまセンター」の運営をする富岡町社会福祉協議会の職員です。
発災直後、避難所での生活が長く続き、表情の無くなりつつある町民を見て『何かしなければ』と思い、ボランティアセンターである「おだがいさまセンター」を避難所の中に立ち上げました。
最初の活動は避難所周辺の草むしり。
ボランティアを募集すると、なんと約300人もの町民が集まったそうです。
吉田さんは
『草むしりをしながら知らない人同士でコミュニケーションをとる姿を見ました。皆さんつながりを求めているんだと実感しました』と当時を振り返ります。
○ラジオを通じて情報発信【おだがいさまFM】
・『富岡町の人たちが元気で生きていくために必要なことをしています』と力強く話す吉田さん、2011年5月に臨時災害放送局【おだがいさまFM】を開局しました。
現在は日曜日以外のほぼ毎日、富岡町のローカルな情報や暮らしの情報を届ける【おだがいさまFM】ですが、その放送が聞けるのは郡山市内のみ。
震災後、避難先を求めて県外へ出ていってしまった富岡町民のためにも、どこにいても聴取が可能なタブレット端末の配布を町役場と協働して進めています。
『全国バラバラになったコミュニティーを再生していくために、ラジオを通じて情報発信していくのはとても重要なこと』と話すのは同会のアドバイザー、青木淑子さんです。
『このラジオを聞くと、とても懐かしくてホッとする。楽しみにしているんです、と泣きながら話す県外に避難した人がいたんですよ。聞いてくれている人がいるんだから頑張らなきゃ』と青木さんは富岡町民への想いを口にします。
○モノづくりから生きる力を取り戻す
・おだがいさまセンターでは富岡町民が元気に暮らせるように生涯学習として個人の趣味を活かした手芸活動などの応援をしています。『ここで作っているモノを買い取って支援がしたいとお話があったので、私たちは町民が作った作品を売ることにしました。自分の作ったものがお金になるのは励みになるんですよ』と青木さんはこの活動を、生きる力を養っていくための大事な活動として考えています。
『これからは売り出せる作品の準備をして、全国に広げていきたい。それを通じて町民が元気になることと、富岡町のことを全国の人に知ってもらえたらありがたい』と吉田さんはこれからの展望を話してくれました。
以上

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