被災障害者発! No.2 200字メッセージ

機関紙「ゆめごよみ風だより」57号より
被災障害者発! No.2
「一番つらい時に来てくださった事、忘れません」
山元町社会福祉協議会 工房地球村  田口ひろみ

 私は震災を経験して、人と人との繋がり「絆」を強く感じました。「障害者どころじゃない」というのがその頃の上司の指示。自分の考えが正しいのかさえ見えなくなっていた一番つらかった時、全国からの助けに、私は前に進む勇気を頂きました。被災地となっても、障がいのある方々が、これまで以上安心して生活していけるよう、柔軟な支援が必要と痛感します。この度のご縁でご指導頂いた事を忘れずに今後の職務に取り組んでいく所存です。これからもよろしくお願いします。
「決して一人ではない」 仙台 フリースペースソレイユ 菅井
 昨年、発生した東日本大震災は、誰もが予想もできない未曾有の大災害をもたらしました。この経験を通し私たちは、決して一人ではないこと、そして人の心の温かさを知りました。 あれから一年が経過し、心を一つにして復興に向けて、動き始めています。
全国からたくさんの皆様からご支援をいただき、私たちの施設は新しく生まれ変わります。そして、新たな仲間も迎え、より一層元気に楽しく活動していきたいと思います。
「当事者が切り拓いていく」 仙台 みどり会 今野真理子
 現在は拠点を持ち再建の道半ばにおります。利用者と共に一から作り上げ、以前よりも更に信頼関係が強くなりました。当事者は震災時生きるしなやかな強さを見せてくれました。「生きているだけで丸もうけ」と視点が変わり自身の人生と丁寧に向き合うようになりました。症状の改善にも繋がり生活環境や発想の転換で大分好転する処を目にしました。皆さんは切り拓いていく力をお持ちです。その力を全国の仲間たちの心に留めて欲しいです。
「海に生きる町づくり」 被災地障がい者センター宮古 杉田美由紀
 2011年3月11日の次の日より夫と私は叔父家族の捜索活動を開始した・・。
叔父家族は妻と40代の障がいを持った息子と3人で暮らしていました。息子が障がい者ということから奥さんは周囲の目を気にしてほとんど外へ出なかった。そして大津波のあったあの日も外へ出ることなく真っ黒な津波の渦の中へ飲み込まれてしまいました。私は4月より被災地障がい者センタースタッフとして働いています。今回の経験を胸に被災地の障害者の方のために地域コミュニティづくりや安心して住める町づくりに力を注いでいきたいたいと思っています。
「当事者の力で乗り越えられる」 相馬 ひまわりの家 山下剛
 東日本大震災を経験して、私たちが皆さんにお伝えしたいことは、その人の人格を尊重して自分のことは自分で決められる環境が身近に整っていれば、地域社会で生活をしていくことは可能であるということです。今回の震災により、精神科医療は崩壊し危機的な状況に陥りながらも、この震災を乗り越えられたのは、当事者たちが持っている力(エンパワメント)のおかげだと実感しています。私たちが考えている以上に力を持っているということなのです。全国の支援者の皆さん、当事者の力を信じていろいろ挑戦をさせてあげてはいかがですか。

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