ヒデの救援レポート、2012年5月28日

ヒデの救援レポート、2012年5月28日:72
障害者問題を考える兵庫県連絡会議障問連ニュース5月号からの抜粋
連絡先・TEL078-842-3299・FAX078-842-3354
生活支援研究会気付け
岩手・被災地報告 山下博靖さん(被災地障がい者センター・いわて)
 岩手の沿岸部を移動するのに国道45号は欠かせない。海沿いの町々を南北に貫いているからだ。車窓からは、三陸特有の細く入り組んだリアス式海岸がつづく。鋭く切り立ち平地がなく、夏は手付かずの緑が濃い。
穏やかな海だけを見ていると、あの日はまるで嘘のように思える。しかしこの海で、あの日およそ2万の人が助けも求められずに亡くなった。陸地は地盤沈下し、海はすぐそばに迫っている。防波堤もなくなり、台風シーズンは恐ろしい。がれきという名の被災者の財産は撤去されたが、家の基礎が残るのみで、そこに新たな町が復活できるとは思えない。
 3月11日。被災地は震災から2年目に入った。岩手に入ったのが去年5月。盛岡の被災地障がい者センターいわての専従として沿岸部を行き来してきた。
 避難所、仮設を回り被災した障害者を探す。出会えた方のニーズに応える。衣服や食料、医療器具やストーブなどの物資提供、通院・買い物などの同行、見守り、食事などの身体介助、相談事、行政との交渉など。1日2~3班作り、地理も分からない県外ボランティアがナビを頼りに沿岸部に車を走らせた。
 これまで支援に伺ったのはざっと180名、ボランティアには全国から157名の方に来ていただいた。2012年3月27日現在。また当事者派遣プロジェクトと言って県外多くは関西の当事者も岩手に入りいっしょに活動してきた。
 夏から秋に岩手では大船渡と釜石にセンターの支部ができた。年明け宮古にもセンターができ、ぼくは今そこを拠点にしている。こっちに来て思うのは障害者の置かれた環境の厳しさだ。各圏域に一つはある巨大社会福祉法人以外は社会資源があまりに乏しい。大阪や神戸など都市部との違いは言うに及ばず、岩手の内陸との差もある。家族が見るという考えも根強い。ヘルパー派遣事業所は宮古市内では2つしかない。従って在宅か施設のどちらかという状況だ。そんな状況を良く思わない人は、この地域をあきらめ見切りを付けるか、変えたい思いをうっ積させている。
 この4月から被災地障がい者センターみやこは以下のことに取り組む。
1.被災した障害者支援・震災から1年しかたっておらず、被災した障害者支援は欠かせない。仮設などのチラシのポスティングを継続、この圏域で新たなニーズを掘り起こす。掘り起こしたニーズに応え、入浴や見守り、外出などのヘルパー的な活動と移送サービスを行う。また毎月第2土曜日に交流会を開いており、季節のイベントと併せ今後も継続する。
2.被災地支援地元の福祉力アップ・社会参加や余暇支援、自立に向けた取り組みなど、震災前から不足するサービスを、地元を補完する形で取り組む。また今後もこの地域に必要とされる事業を、これまで支援に伺ったりしてきた方々の意見も踏まえ検討し、将来の法人化と事業化を目指す。また当事者派遣プロジェクトが継続されるので、当事者の目線からこの地域の福祉を見ていただきいっしょに活動する。夏に沿岸部の当事者のエンバワメントを図る大きな企画を当事者派遣プロジェクトと協力して行う。また宮古圏域以外の沿岸部でこれまで出会ってきた方々への支援とフォローも継続する。
 被災地の障害者支援は震災以前からあった問題に移行しつつある。つまり、大津波があろうとなかろうとここにあった問題だ。地域で生活し続ける選択肢が不足し、自立は今の岩手沿岸部では相当に困難だ。だけど悔しい思いをされている人がこの地域にいる以上、少しでも僕たちも変えるお手伝いをしていきたい。みやこのセンターがその選択肢のひとつになれればと願う。震災以前に戻すだけでは意味はないのだ。
 山下さんは、長年神戸でヘルパーとして、活動され、東日本大震災直後から岩手で支援活動を続けられています。以上
ただいまの基金額は288,046,817円(2012年2月29日現在)です。これまでに支援した団体、個人への金額。東北関連、5月2日までに、129999050円です。その他、台風12号被災地に、2942828円。フィリピン洪水被災地に1000000円の支援をしました。
このメールは、東北関東大震災被災障害者救援に関する、被災障害者支援ゆめ風基金副代表理事、障害者問題総合誌そよ風のように街に出よう編集長、バクバクの会事務局員でもある河野秀忠が感じた、各方面の被災障害者救援活動のあれこれの個人的レポートです。広く知ってもらいたいので、転送自由。自由にお使いください。
息の長い救援が求められています。長期戦です。救援金の送り先は、郵便振替口座00980-7-40043ゆめ風基金です。;とうほく;と書いてください。
東日本大震災救援活動の中のボクの風景。
大阪府吹田市のぷくぷくの会機関紙まねき猫通信118ひきめからの抜粋
連絡先・TEL、06-6317-5598 FAX、06-6317-0936
●当事者リレーエッセイ
大震災から1年…
○轟広志さん
○全編ルビ付き
 うすら寒い春・アノ日から1年たった。今はもう季節も春爛漫といいたいところだが、僕の住む地域だけなのか?妙にうすら寒いなかで桜を見ている。
気候も変だ。政治も変だ。原発も変だし、市長も変だ。あなたに云われたくないという声が聞こえる(笑)。そんな 僕だってお金は欲しいと思う。大金がいい。減らない額ではなく増えるぐらいの額がいい。でも、そのために人様や動物、魚たちや植物が死のうが滅ぼうがどうでもいいとは思わない。
 アノ日から1年たち、少しだけ原発事故のこともわかってきた。でもその事実はまさに高濃度の放射性物質のごとく何重にもくるまれ、あぁそうだったのかと思うにはほど遠い。お国の経済なのか電気会社の経済なのか何だかよくわからない。経済のことを考えて、あえて原発という意見を聞く。それならせめてアメリカの真似ぐらいはしてほしい。
 福島に配備された原発は、アメリカで開発され俗にマークⅡと呼ばれる初期型であるがゆえに、アメリカ本土でも最も地震被害が少ない地域のみに配備されている。
 さらに緊急事態の電源確保のために、個別に2台の発電機を付属させているが、福島第一ではその非常用発電機2台を地下に並べて設置していた。地震直後の津波で2台もろとも水没し、緊急用の電源は失われた。NHKが取材した元アメリカ原発技術者は、それらの資料を見たあとにつぶやいた。これは人為ミスだ。
 どうする東電?どうやったら償える?いまは償う気もないように見えますが未だに解けない疑問・福島の避難地域の家畜や動物はなぜ全殺処分だった?近隣に迷惑をかけるから?それとも被曝していて危険だから?高濃度の放射線を人が浴びていても言えない?まして殺しはできんからね~。
 なんて、やや病的妄想みたいなことを書きましたが、なぜこうなり、これだけの被害を確認し、さらにこんな被害も想定している。よってこういう対応と救済を行って行きます、と明確には誰もいわない。もう丸1年以上たっているのに!小さな島国の日本が大きな犠牲を払ってまで何故、原子力の脅威を未だに世界に知らしめなければならない?
 それから橋下市長。選挙圧勝の余韻だと思いますが、JR大阪駅裏の再開発であそこはホールだけがある森にしたいの発言はうかれ過ぎです。歴史ある大阪フェスを潰しておいて。
東京医療的ケア研修会
正しい知識を学びましょう!
社会福祉士及び介護福祉士の法改定に基づく研修と被災地支援事業
○日時・2012年6月16日、(土)午後1時30分~4時30分
○6月17日、(日)午前9時30分~11時45分
会場・ホテル・グランドヒル市ヶ谷
内容・16日・新法制度下のかく痰吸引等医療的ケアの実態報告・かく痰吸引等ヘルパー研修事業紹介・さくら会モデル
17日・法制度の概要と質疑応答、厚労省・高木専門官当事者、専門職による課題整理と提言
 先日起こった茨城県の竜巻災害!予測の難しい自然災害ですが、局地的に大きな被害を出しました。その中で、hideも事務局員としてひっそりと名を連ねる、バクバクの会・人工呼吸器を使う子の親の会の会員、ひと家族が被災されました。幸いにも、家屋の被害は軽微で、竜巻の後に起きた停電にも、人工呼吸器を止めることなくクリアーされ、翌日には病院に避難入院されたそうです。バクバクの会では会員に呼びかけ、支援カンパに取り組むことが役員会で決められました。本当に、日本列島は、自然災害列島ですね。なにが起きるか分かりません!
以上。

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