ヒデの救援レポート、4月2日

ヒデの救援レポート、4月2日:65
●Fさんの年末被災地訪問、覚え書き風見聞録風手書き日記 その2
○12月13日・Oさん。南三陸では、障害者拠点はできない。登米につくる。登米では何をしようとしているのか、もうひとつわからなかった。Oさんも、家が壊れ、流されて、仮設住宅にはいってはる。
避難所では、通路にふとん半分ほどの場所にいたという。ダンボールを敷いて、新聞をしいて、毛布をしいてねていた。トイレは、穴掘ってして、ブルーシートをかけていた。物資は届いても、みんなにいき届く数でなければ、配布されなかった。
 このへんのひとは、200坪、300坪のところに住んでいたから、ちょっと雑草をとったり、野菜をとったり、日常を暮らすおおらかな大きさがあった。仮設だと、板一枚でおとなり。むかいもすぐそこ。知らないひとがすぐそばにいる。そのことに、息苦しく、外にでれない。
・昼ごはんは、南三陸から登米にはいって、道の駅にいく、林林館。おおあたり。Kさんたちは、食堂であぶらふどん。私は、ほくほくのやきいもと売店の牛乳。170円。牛乳がとんでもなく、おいしい。大きいの買っとけばよかった。後悔。おもちもおいしそう。Aさんは、あげまんじゅうが気になってる。牛乳は、H君もAさんものんだ。ほんとうにうまい。
○南三陸・涙がにじみ出る。すさまじさが、まだ建物に残っている。クレーン車が動く。建物があった土台が、四角く残る。土台だけが残っている。壊された町。つぶされていった町。めちゃめちゃになった車。防災の看板をかかげて残る市役所庁舎。手をあわせるところ。トラックが通る。散髪屋さんがプレハブでやっている。4階のたてものの窓ガラスが割れている。2階に船が乗っかかっている。
 町のひと隅で、黄色のおそろいのTシャツを着て、がれきをとりのぞいている、いちぐん。トラックやクレーン車が動く中。なんだかむなしく考えてしまう。ほかにできることが、今はあると思う。ボランティアツアーというものがあるという。それかどうかは、わかんないけれど。
○13日の晩・帰ってきてから、Tさんと話をする。Oさんは会議。Kさんは東京。ここからは、東京は近い。南三陸を見てきましたか。Tさんは、シニカルで、おもしろくて、おおきい。KさんとOさんと、近くに飲みに行く。車イスがはいるため、お店のひと、大移動。おしつけないやさしさがある。
 Oさんたちは石巻で活動。仮設の店舗ができているとのこと。お店マップをつくりたいとのこと。Iさんたち、車イスのひとがリサーチする。めずらしいので、お店にはいりやすいとのこと。町にかかわり、発信していくところに、自分たちがいてるということを、これからの日常でつくっていこうとしているように思う。
・ひとりひとりの支援が、対立をも産んでいるとのこと。支援を本当に求めているひと。支援を利用しているひと。支援が必要なのに、家が残っているからと、何の支援もぼちぼちないひと。支援がないのに、ふんばっているひとは、一杯いてる。ひとりひとりの支援より、まち全体の支援が必要だとのこと。被災したまちを再生していく、支援が必要だとのこと。
○みやぎのたすけっと・大阪から、勝手にやってきたような4人。事務所から出るときは、行ってらっしゃい。帰ってきたときは、おかえりなさい。
7時になっても、8時になっても、誰かがいてる。デーブルの上には、おかしが必ず乗ってる。大阪のおかしがある。中之島サブレ。みかんも必ずある。おいしいコーヒーがいれてある。
 朝は、8時半からミーティング。Tさんが、コーヒーがはいりましたよ。という。食べる食材もいっぱい。ゴボウがあったり、みそがあったり。ラーメンもはるさめも。いつも誰かが訪れて、話をして帰っていく。町の中の集い場のよう。便利もいいしね。
・最後の日、わたしたち、ちょっと淋しそうだったのか、行くときは、行ってきますですよ。と、Oさんが教えてくれた。行ってきます
・8時半からのミーティングが、大切なカンジ。私たちの今日の行動も、ちゃんと聴いてくれる。石巻とか、各々の活動や課題もでてきて、KさんやTさんが、きっちり、ていねいにコメントを入れたりして、まとめている。大切な会議だ。
○みやぎのたすけっとのこと
・いろんなことが、つながっていた。・避難所に居れない。事務所に戻る。・水がきていた。発電機も手に入れた。みんなで食料をあつめた。けっこうあった。何日かはやれると思った。そして、発電機をつかわなくても、電気が通った。たすけっとのところだけ通った。生きてた。被災者になりきらなかった。何かやらなければという条件があり、そこから動く思いがあった。そのような状況にあった。つながるようにあった。
 日頃から、ゆめ風ネットワークにあり、H理事、ゆめ風基金がきてくれると思ったとのこだった。H理事の助言で、頭の中の交通整理ができたと、代表のOさん。外からの目で、これからしていくこと、今することの交通整理をする。外からの風の力を借りて、内部で持ちきれない、ごちゃごちゃを立て直していく。道筋をつくっていく。
○12月14日・亘理というところへ行く。
・12日、13日とは反対側。2日より近いので、ゆりあげ:というところと山元というところに立ち寄る。・ゆりあげは、海岸であることを誇りにしていた町であったように思う。海浜プールの看板があったり、海岸の案内があったり、松並木もあって、たぶん散歩するところや遊ぶところがたくさんあったのだろう。海岸の町のにおいがした。・がれきもとりはらわれて、ところどころに山積みになってる。先ほどの看板は、その中にある。
 何もない。低い低い大地が、どこまでも続いて、松並木が茶色くのこる。大地も茶色だ。海がおだやかで、キラキラと青い。どこが北で、とこが南かわからない。立ち入り禁止になっているけれど、何台かの車がはいって、人がところどころでたたずんでいる。海岸沿いには、たすかった舟が何台かうかんでいて、漁師さんらしきひとが、網を広げていた。漁をはじめているのかな。・海がほんとにきれい。・心がやわらかくなる3日間。息をのむ状況を見たあとも、やわらかく1日を終えることができた。たすけっとのおかげだ。
●この年末被災地訪問、覚え書き風見聞録風手書きFさんの日記を、2回で終えようとhideは、愚考したのでありますが、内容が示唆に富んでいる私文で、文量が後1回分ありますので、hideの勝手で、連載3回と変更させていただきます。ということで、●その3に続きます!
被災障害者支援ゆめ風基金に寄せられた救援金、金額は、3月19日までに、222681086円です。これまでに支援した団体、個人への金額、支援総額は、12月31日までに、123599050円になります。
○台風12号関連、2942828円。フィリピン洪水関連、1000000円です。
このメールは、東北関東大震災被災障害者救援に関する、被災障害者支援ゆめ風基金副代表理事、障害者問題総合誌:そよ風のように街に出よう編集長、バクバクの会事務局員でもある河野秀忠が感じた、各方面の被災障害者救援活動のあれこれの個人的レポートです。広く知ってもらいたいので、転送自由。自由にお使いください。
息の長い救援が求められています。長期戦です。救援金の送り先は、郵便振替口座:00980-7-40043:ゆめ風基金です。;とうほく;と書いてください。
東日本大震災救援活動の中のボクの吾亦紅風景
 吾亦紅と名付けられた植物は、小さな赤い花をつけます。大輪の紅薔薇のようにではなく、ひっそりと。大きな声、叫び。大勢の群集の権利要求、強い権力ではなく、小さく、ひっそりと。しかし、その大勢の人たちと同じように、わたしにも、赤い血潮がしっかと流れているんだぞと、:われも、また、赤い:吾亦紅:と咲くのです。
●東北関東大震災障害者救援本部・自立情報発信基地から
震災1年を迎えて、被災地は
○代表・中西正司
●震災1年をむかえて、現地の状況は、目まぐるしく変わってきました。福島では、被ばく線量の高い障害者たちは、現地にとどまるべきか、ほかの地域に移転すべきかの選択に迷い始めています。また、介助者がすでに移転してしまって、60人必要なところに40人しか残っておらず、新規募集をしても、ほとんど介助者がみつからないという状況にも直面しています。
 したがって、介助者のいない時間は、不安に満ちた生活を送っている障害者も多くなってきました。この状況で障害者たちがいつまで現地で踏ん張れるのか、また介助者もいつまで現地にとどまってくれるのかは、差し迫った課題です。
 私たちにできることは彼らを側面で支え、東京や関西方面への転居を目指す人たちについては住む場所や介助サービスを受けられるように支援をすることなどです。また現地事務所の維持も、救援本部ではかなりの負担となってきました。被災地センターも沿岸部に拠点が出来ました。岩手では、朝日厚生文化事業団のご支援を受け、自立生活センターの当事者リーダーが現地に滞在して当事者エンパワメントをおこない、自立生活の理念の普及につとめています。
 みなさんにご協力いただいた救援基金は、10か月以降より寄付金が急激に落ち込んでおります。今後少なくとも3年間は支援活動を継続していきたいと考えておりますが、現在の状況で月1000万の支援金をつかわせていただいており、このままの金額で支出していくと、あと1年で基金残高がゼロになる可能性があります。
 そこで、皆さんに再度ご寄付をお願い申し上げます。基金の用途は、現地事務局の維持継続、介助スタッフの雇用継続、地方転出者の支援のための交通費や介助者費用、現地での移送サービス用車両の維持費、運転協力者への謝礼などです。皆さんからの息の長いご支援を承りますようお願い申し上げます。以上

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