ヒデの救援レポート、2012年3月12日

ヒデの救援レポート、2012年3月12日:62
●速報!
 被災地3県の沿岸部で展開している被災地障害者センターの移動、移送支援活動に、DPIが折衝していた航空機会社ボーイングから、75万ドル・日本円で6千万円の援助が決定。3月7日に、東京で贈呈式。よかったぁ。
●3月25日の3つのイベントのお知らせプラス
場所はいずれも大阪市扇町公園&山西福祉記念会館・JR環状線天満駅下車すぐ
○連絡・日常生活支援ネットワークTEL/FAX、06-6649-0455
ゆめ風基金TEL06-6324-7702
●午前10時から12時、NPOゆめ風基金法人定期総会
●午前10時から1時、まちなか被災シュミレーション・ボランティア育成ワークショップ●12時から5時、みんなの東北イコール関西・いろいろしゃべろうin扇町公園
●午後2時から4時、大団円!! いも煮交流会・東北被災障害者救援活動100人しゃべり場
●第2回ポジティブ生活文化交流祭・どなたでも参加できます!ぜひ、おいでください!
参加費無料!
●hideは、2月2~3日に開催された、水平社創立90周年記念・全国人権啓発研究集会in熊本に参加してきました。
 全体会は熊本市立体育館。hideは全体会と2つの分科会に参加しましたが、この2日間は全国的に冷え込み、熊本市内は日中でも零下4度前後。雪が間断なくチラチラしていました。震え上がり、とても南国九州とは思えませんでした。
 全体会記念講演に、とても示唆に富んだお話しがありました。その人は熊本学園大学の元教授で、長年、公害問題の原点ともいわれる水俣病を追跡、研究されてきた学者さんです。ところで、hideも障害者市民解放運動に参加し始めた1975年頃、つまり映画「さようならCP」上映運動で走り回っていた頃に、hideの畏友のひとりで、当時水俣に移り住み、チッソ社に対する糾弾闘争・チッソ前座り込み闘争に参加していたNさんに呼ばれて、何回か水俣現地に足を運んだこともあって、関心を持って聞かせてもらいました。Nさんは、その後、自動車事故で物故されたけれど、hideの記憶からは消えない大切なひとでした。
 講演の主題は、水俣病に全く学んでいない福島原発事故でした。講演者の話では当初、チッソ社は毒素廃液を海に排出すれば、薄まって危険性は無いと主張していたけれども、多くの水俣湾の魚を食べた人たちに水俣病が発症したことから、魚を食べたひとが水俣病にかかると主張を変えた。
 その内、魚を食べていない赤ちゃんに水俣病が発症。さらに研究が進むと、排出された廃液は海底に沈澱して、それを食べた虫、虫を食べた魚、その魚を食べた大型魚類へと、毒素濃縮食物連鎖があり、毒素は母親の胎内を汚染していることが分かってきた。汚染は、環境を破壊するが、母親の子宮もまた環境であり、人間そのものも環境に他ならない。環境は、人間の外側にあるのではなく、人間を含めた総和が環境なのだ。母親の胎内が汚染された結果、胎児性水俣病が発症した。
 その全プロセスが、福島原発事故の対処に重なる。海に排出された放射能汚染水は希薄になると主張する学者もいて、放射能汚染水が海洋排出されてきたが、水俣病からは何も学んでいない。放射能は食物連鎖の中で濃縮され、人びとが被曝するだろう。その結果に誰が責任を負うのだろうか?冷静に深く考えなければならない環境を、我々は作り出してしまったのだ。というものでした。メディアの報道でも、海洋のいたるところで、高い放射能汚染の数値が検出され始めています。未来を見据え、子どもたちを早く福島県から疎開させるべきだとhideは愚考するのですが~。
 たまには、あまり働いていない脳を叱咤激励して、他者の言葉に聞き耳ダンボするのも、いいことではありますまいか。
被災障害者支援ゆめ風基金に寄せられた救援金、金額は、3月1日までに、216745614円です。これまでに支援した団体、個人への金額は、12月31日現在、
●東北へ、123599050円
●台風12号関連、香川県、和歌山県、兵庫県方面2942828円
●フィリピン大洪水、10000000円です。
 このメールは、東北関東大震災被災障害者救援に関する、被災障害者支援ゆめ風基金副代表理事、障害者問題総合誌そよ風のように街に出よう編集長、バクバクの会事務局員でもある河野秀忠が感じた、各方面の被災障害者救援活動のあれこれの個人的レポートです。広く知ってもらいたいので、転送自由。自由にお使いください。
 息の長い救援が求められています。長期戦です。救援金の送り先は、郵便振替口座00980-7-40043ゆめ風基金です。;とうほく;と書いてください。
東日本大震災救援活動の中のボクの風景
●非日常の日常の被災地支援活動を続けていると、時折だけど、現状の深い淵を覗き込む時に息が続かず、呼吸が重くなることがあります。昨年の重さと今年の重さが重なる冬空の下で、こりゃあいかんと気分転換を図ることにしました。
 知り合いに懇意にしているメガネ屋さんがあり、以前から使用しているメガネでは目が霞むようなので視力検査をしてもらったところ、乱視と遠視の度が進んでいるとのことでした。ええい、気分転換だぁと、新しいメガネを誂えることにしました。
 以前のメガネはまん丸レンズでしたが、新しいメガネはやや四角いレンズです。丸いレンズのメガネで視ると世間は丸く見え、四角いレンズのメガネで視ると四角い世間に見えるかと言えば、そんなことは、全然あ~りません。(笑)
 全然変わらない世間と、東日本大震災被災が厳然とあるだけです。hideの気分がいかようにあれ、やるべきこと。成さねばならぬことが、あるだけです。なんだか、当たり前のことだよなぁと、ひとり、うん、うんしているhideなのであります。アホらしくて、ため息まむしなんですね。以上、32000円の顛末でした!!
●いちごものがたり
●工房地球村です。全国の皆さん、ありがとう。
 宮城県の最南端に位置する山元町。イチゴやリンゴ、ホッキ貝が特産の小さな町です。東日本大震災では地震、そして津波によって町は大きく傷つきました。
 この町で、精神に障害を持った方々を支援している工房地球村。幸い、施設の建物は無事でした。しかし、職員、家族、友人、恩人、家など大切なものを失いました。
施設は2カ月閉鎖し、5月9日再開。職員が足りない中、全国から来てくれた精神科スタッフや、作業所職員の支援で少しずつ元気を取り戻しています。現在利用者25名のうち、十数名は仮設住宅から通っています。一人でいるのはつらく、みんなで分かち合って前に進もうとしています。
 津波で、ジャムをつくるためのイチゴ、清掃作業先の公園や介護施設もなくなってしまいましたが、新たな商品づくりにチャレンジ中です。それがエイブルアートカンパニーの応援によるいちごものがたりです。山元町の特産品であるいちごを再びこの地で作れるように、人々の美味しい笑顔が見られるように。可愛いいちごに託した再生のためのプロジェクトなのです。
 プロジェクト第一弾として、いちご手ぬぐいが11月にできました。エイプルアートカンパニーのスタッフがワークショップを開催し、地球村のメンバーたちが山元町のいちごやりんごを描きました。そして、美味しそうないちごたちが、まずは手ぬぐいになりました。それは、職人さんが、手彫りで型をおこし染める昔ながらの注染の手ぬぐいです。すぐ乾く手ぬぐいは、旅行に最適です。インテリアにも、ひと花添えてくれることでしょう。
 山元町の復興も地球村の復興も、いちごの復興が大切なのです。このいちごものがたりをこれから全国の皆さんへ発信していきます。私たち工房地球村一同、わが町・山元の復興を目指す一員として地域の皆さんと一緒に頑張ります。応援よろしくお願いします。
                              工房地球村、代表・田口ひろみ
 地震、そして津波によって多くのものを失った宮城県山元町。さまざまな農作物もその犠牲になりました。いつかまた、たくさんの人たちに山元町で作ったいちごを食べてもらいたい。山元町の特産品であるいちごを、再びこの地で作れるように。人々の美味しい笑顔が見られるように。可愛いいちごに願いを託した再生のためのプロジェクト。それが工房地球村のいちごものがたりです。
●工房地球村とタイヨウプロジェクトの出会いは?
 2010年の12月、地球村のスタッフとエイブルアートカンパニーのスタッフは出会いました。場所は仙台パルコ。エイブルアートカンパニーの期間限定ショップの会場です。将来、メンバーの力でオリジナルグッズをつくりたいなぁ、そんなスタッフの言葉が印象的でした。
 震災後、カンパニーのスタッフが地球村にお見舞いの電話をしました。町は壊滅的な被害。仕事はなくなり、創造的な活動など一切できない状況との返事が。この電話をきっかけに、タイヨウプロジェクトによる支援活動をスタートしました。いちごものがたりの手ぬぐいは、工房地球村のメンバーが描いたいちごやりんごの絵を使ってデザインされました。
●工房地球村・宮城県亘理郡山元町真庭字名生東75の7
●TEL・0223-37-0205
●いちごものがたり手ぬぐい一枚、税込み1050円以上

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