障害連事務局FAXレター No.231 2011.11.11(金)
司法関係者に教育トレーニングを
―政治参加の実質的保障が必要、差別禁止部会(第10回)―
11月11日(金)差別禁止部会(第10回)が行われた。まず、この日は司法手続きについて。
東室長から法務省側の取り組み(推進会議でのヒアリング)が報告された。これに対し大谷委員は「現状との違いを強く感じさせられる、例えば刑事施設では手話は暗号として解釈され使うことが禁止されている」という、などの多くの問題があるとした。
また別の委員からは知的障害を伴わない発達障害について誤った対応が多くなされていることが挙げられ、司法へのアクセスについて司法関係者の教育トレーニングの重要性が出された。
さらに司法手続きの中で、どういう合理的配慮がなされたほうが良いか、という調整機関の必要性がある、などの意見もあった。この調整機関は司法手続きに限らず、あらゆる分野で求められる、という趣旨であった。
差別禁止法以前に、各個別法の検証が必要であるという意見もあった。
続いて、「選挙等」について議論された。太田をはじめ、各委員から「選挙等」というより政治参加、政策参加、被選挙権の問題として取り上げられるべきだとした。太田や池原委員は、施設や精神科病院で暮らす人の選挙権が実質的に奪われているのではないか、と発言した。また、地方議会で言語障害がある議員が自ら選択する方法で発言する機会が奪われたことは、国民主権が侵されているという発言もあった。
さらに、選挙公報の点字版が作られていない実態についても言及があった。
最後に、今後の議題について東室長から示され、「差別禁止法の立法化でできる部分と、他の法制度の改正が求められる部分があるだろう」「救済機関については、人権救済法をにらみながら、調整する場面も出てくるかもしれない。いずれにしても、各論がある程度でないと、救済機関には移れない」とし、来年の夏までには提言をまとめていきたい、とした。
次回、12月9日(金)
※本号は日本障害者協議会(JD)の協力によって、つくられました。