障害者派遣プロジェクト3
2011年7月20日
当事者派遣プロジェクト報告(7月9日~16日)
藤原勝也
メインストリーム協会から三組目として、私と桐間で7月9日から16日で盛岡へ行ってきた。夜は涼しかったが、日中は関西と変わらないぐらい暑い日が続いた。
被災地センターの活動は、支援物資やサービス(移送、介助等)の提供が主だったが、障害当事者による当事者支援を特にピアサポート活動として位置づけられることになった。私たちは後者の活動を中心に行った。被災地センターのスタッフの多くはCILにあまり関わったことがない人で、当事者の活動の大切さを実際の活動を通して感じてもらう必要があった。
7月11日の被災地センターの事務局会議(毎週月曜開催)で今後の活動について話し合われたときに、支援活動を徐々に縮小させていって遅くとも8月末には終わらせて、自立に向けたピアサポート活動を中心に行っていくことが決まった。そんな流れもあって私はピアサポート活動の中で自立生活を伝えることに重点を置いた。
私が訪問した被災地は宮古市、大船渡市、陸前高田市であった。そこで自立に興味を持っている障害当事者に会った。そのうちの一人はまだ10代で将来のことを色々考えているみたいだった。障害の感じが私と似ていて、自立生活の話を真剣な姿で聴いていた。重度障害者の自立のイメージが少しつかめた感じだった。
今回出会った人の何人かは、実際に自立している人に会うのは今回のIPTが初であるが、インターネット等を通して情報を得ていた。沿岸部においても活動を続けておくと障害者の情報が入り、自立に興味がある人を発掘することも可能ではないかと感じた。
しかし、課題もある。今のところ被災地センターとCIL盛岡の活動は一つになっていなくて、実際に自立生活をやりたい人が出てきたときに十分な支援が出来ない状況である。被災地センターは被災した障害者全般の課題に取り組んでいて、自立に特化しているわけではない。やはり自立を支援していくには自立生活センターは欠かせない存在である。今後、両者が協力して支援していける体制づくりが必要であると感じた。宮古市に拠点を作るという話があるが、岩手県で自立生活する障害者が増えていかないとCILの活動が広がっていくことは難しいと思った。CILは障害者がリーダーとなって主体的に作っていくものである。
難しい課題が横たわっているが、被災地センターの中は段々明るくなっていって、皆で協力してやっていくという雰囲気が出てきた。最初自立生活のことを知らなかったスタッフにも少しずつ私たちが伝えていくことで理解が広まっていった。自立の重要性が認識されるようになってきたことは良かったと思う。