現地ボランティアナマナマ情報2

障害者救援本部の活動に参加しているパーティパーティでヘルパーをしているNさんの現地ナマナマ情報です。
 活動一日目は事務所での情報整理でした。第一期から第二期支援に移るにあたって活動形態が変わりました。今まではたすけっとスタッフが地域担当のボランティアに仕事を割り振ってきたけれどその仕事自体が大変すぎてもうだめ、ということでチーム編成をしてあらゆる事を基本的にチームで判断し進めて引き継いでいき担当者は監修するようなスタイルです。
 初の試みなので反省点がたくさん出るのは当たり前ですが、私のチームはパーティーバーティの穴沢くん、西本願寺ボランティアから来られている看護師の女性の方、私の3人で全員が全くの新人で何をどうしたらいいのか見当もつかず、資料を整理しろと言われても何をどうしたらいいのかさっぱりで、ほとんど手つかずで3時間ほどが過ぎました。たまたまその場を通った八幡さんに「八幡さん!!!はっきり言って、何をしたらいいかまーーーーーーーったくわからへん!!何したらいいの?!」と訴えると、「明日の聞き取り調査に備えて必要な情報を抜き出したらいいんや」と言われ、そこでなんとなくやるべきことが見えてきて、ファイルの情報が暗号ではなく情報に見えてきました。
 西本願寺ボランティアの女性が「わたし自信がないです」とかなり落ち込んでおられたので、「大丈夫ですよ。私たちには私たちにできることしかできない。できないことはできないんだから、困っている障害者を見つけて力になりたいんですっていう思いが伝われば何とかなりますよ!!!」と、穴沢君と一緒に必死に説得しました。西本願寺のボランティア先でたまたま知った情報だけをもとにひとりでたすけっとに飛び込んで来てくれるだけの度胸の持ち主なので、最後には「でも、あと4日はいるって決めてたので、何の役にも立てないとは思いますがその日まではいます。」と腹をくくられました。私は彼女の勇敢さにとても感動したし、心強く思いました。
 そして今日、いよいよ調査一日目。たすけっとスタッフのはからいで、東京の広域協会から来られているYさんがフォローに入ってくれることになりました。まずは名取市役所の福祉課に仮設の建設、入居状況を聞きに行きましたが対応してくれた福祉課のおじさんはいわゆるお役所仕事でこれといった情報は得られず。私たちがしどろもどろしている間に吉田さんは2階にある建築課で一般車両通行禁止になっている地域の通行許可証を取ってきてきれました。Aくんは仙台に到着してすぐ音楽祭だったので津波の被害の大きかった沿岸部をまったく見ていなかったので、車で被害状況を見に行けるようにとのはからいでした。「どういうことが起こって、どういう被害を受けた人達に支援をしていくかってことは知っておいた方がいいと思うから」と自然にさらっと言える吉田さんのような人がチームに入ってくれて本当に良かった!
 沿岸部を見た後は宮城県立精神障害者センター近くにある仮設を訪問しました。ファイルを見てパーティパーテイのDくんが何度か聞き取りにいってくれたところだということが分かったので是非引き継ぎたいという気持ちで訪問を希望して、仮設訪問の第一か所目になりました。個人情報になるのであまり詳しいことは書けませんが、まさにビギナーズラックで「キーパーソン」のような存在にいきなり出会いました!!前日のミーティングで八幡さんが「第二期では被災障害者をいかに社会資源につなげるか!!!!キーパーソンになりうる人をいかに発掘するか!!!」と熱く語っていましたので…。
 聞き取りの時に西本願寺のボランティアさんが私には思いつかないことを自然に聞きだしたり、事務所に帰ってきてミーティングしている時も素晴らしいインスピレーションを与えてくださったりと、この人がとどまってくれて本当に良かったと思いました。実は彼女はホスピスでターミナルケアをされていて、何百人もの人の死に出会っています。尊厳死というものを考えて日々緩和ケアにあたられてきた彼女の感覚というのは他の誰も持っていない独特で素晴らしいものがあると感じます。
 そんな彼女が一時は頭を混乱させて自信をなくし、もしかしたらそこでやめてしまったかもしれないと思うと、ボランティアのコーディネートってほんとうにむずかしいなと思いました。みなさんがぎりぎりのところで精一杯やっておられることはわかるので言いにくいけれど、このことは八幡さんに提案しようと思っています。 
 だって、被災者もそうだけど、ボランティアに第一期も第二期もないですよ。素人は素人でしかないんだから、「大丈夫だよ。あなたにしかできないこと、あなたがいるからできることが必ずあるんだよ。」と言って自信を持ってもらう方が良い仕事が出来る気がします。
実を言うとそれってまさに私自身への慰めでもあるんです。私は実は繊細なので(ははは)、内心びびりまくってるんですよ。こんな私に何ができるんやろう、やっぱり泥の掻き出し掃除のボランティアにでも行ってた方がよっぽど人の為になれたんじゃないかって。
 だけど、今日ラッキーなことに素敵な人に出会いました。地域の人の為にすごく頑張っている障害者です。自分が限界に近いことを感じながらも今は必死に動くしか方法がないのかもしれません。しかもそれはパーティーパーティのDくんがいたから繋がったご縁です。
 私が居る間にできることは限りがあるけれど、きっとその人をこの「みやぎ」に繋げていきたいと思っています。そういう人と出会っただけでも仙台に来た甲斐がありました。明日からもスローダウンを念頭に置いてゆったりがんばります。今日は突っ走って根掘り葉掘り聞いてデリカシーがなかったと自己反省しましたので・・・。はぁ、難しいなぁ。

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