阪急電車が止まった(事務局・福本のつぶやき)

阪急電車が止まった

ゆめ風での仕事を終え、
車いすを介助者に押してもらい帰宅。
阪急・崇禅寺駅に着き乗車切符を買い、
ホームで電車を待っていた。
「人身事故により到着が遅れています」とアナウンスが入る。
「人身事故ってまた、どなたかが?と思うと、なんだかいたたまれない。

夫が病死した10年前、息子が思春期だった。
駅でこのアナウンスを耳にすると、
「元気か?生きといてよ」とメールをした。
「おれは心配無用、おかんも生きとけ」と返信が来た。
今は大切な人に支えられて、
中学生と学ぶこと生きることについて考える毎日の彼。
このアナウンスを聞いても、息子にメールしなくなったのはいつからだろう。

そんなことを考えながら待つこと30分。
アナウンスが「復旧の見込みは経っていません」に変わった。
夕方の冬の冷たい風の中、足が拘縮し始める。
「二時間ほど・・・」と小声で駅員さんはホームに告げに来る。
はじめての体験だ。

介護者と楽にあたたかく帰宅できるルートを考える。
タクシーで新大阪駅に行こうと、とりあえず歩を進めた。
が、走行中か予約と書かれたタクシーばかりで、
空車のタクシーは一台もない。
こんな時には、みな同じことを考えるのだ。
「新大阪まで、結局歩いちゃいましたね」
「お疲れさまでしたね」と乗った地下鉄・御堂筋線の電車は
混んでいた。

これが、地震で地下鉄も止まっていたら、どうしていたんだろう?
電車に乗って安心したら、急にこわくなった。
カイロと温かい飲み物と常備薬、
言葉が交わせる介護者と一緒に、飢餓感なく暮らしていること
あたりまえのありがたい日常が
あたりまえでなくなる時、どうするのだろう。

一寸先はわからぬと、奮発して
三日前から食べたかったいちごを
買うだけでは、だめだー。

勉強会に参加させていただこう。

by 福本

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