2017年12月に機関誌を読まれた読者の方から、ご批判のお電話がありました。その時対応した職員がご説明はいたしましたが、他の会員の方にも参考になるご指摘もありましたので、理事会の考え方を再度ご説明いたします。
1.熊本における調査活動について費用や期間をかける必要はあるのか?
この熊本の調査活動に関しては、理事会において何回も協議を行い、現地の方とも再三話し合って支援を決めました。単なる調査ではなく、それを通じて熊本の復興につながり、また今後起こるかもしれない他の地域での災害支援や防災にもつながるものと評価できましたので、支援を決定したものです。
2.復興支援は本来の目的ではないのではないか?
ゆめ風基金の本来の目的は、災害が発生したときにすぐさま被災障害者に支援を行うものです。復興は、災害直後の危機的状況を脱したら、現地の力で成し遂げることが基本だと考えています。
ただ東北や熊本などのような大規模の災害の場合は、なかなか短期間では現地の力だけで復興ができない状況にあることも事実です。ゆめ風基金としては、その都度理事会等で入念に議論を行い、しばらく伴走する形の支援が必要な場合に限って復興支援を継続することとしています。いつまでやったらいいのかは非常に難しい問題であり、皆様のご意見もお聞きしたいと思っています。
3.会計についてわからないことがある
広報活動費というのは何に使っているのかというご批判でしたが、年4回発行する通信の印刷代と、郵送料に限られています。発送作業はボランティアさんにお願いしています。
また人件費が高すぎるのではないかとのご指摘もありました。この人件費は常勤3名と非常勤4名の人件費であり、各個人の給与水準は世間相場からして決して高くはないものと考えています。ボランティアでやるべきことではないかとのご指摘もありましたが、現在の事務を支障なく行うには最低限必要な体制だと考えていますので、ご理解をお願いいたします。皆様からの支援のお金を最大限被災障害者支援にあてることができるよう、諸経費の圧縮に関しては従来からも努力してきましたし、今後も運営の最大の目標として取り組んでいく所存です。
このようなご批判は、開かれた運営を目指すゆめ風基金としては、真摯に受け止めて運営の参考にさせていただきますので、他の方もご意見をお寄せいただけましたら幸いです。連絡先等をお教えいただいたら個別にもご返事いたしますし、理事の誰かがお会いして説明させてもらうということも考えています。よろしくお願いいたします。
認定NPO法人 ゆめ風基金
代表理事 牧口一二
読者に寄りそう、当事者と共に歩む、ゆめ風のみなさんのご活動に、心から敬意を表します。
阪神淡路大震災以後、災害弱者といわれる障害者の救援金として「ゆめ風基金」が立ち上がり私も当時少しだけでしたが、お手伝いさせていただいた頃を懐かしく思い出しました。
一昨年の熊本地震で被災された障害当事者の方々の生活が、一日も早く復旧復興されますことを心からお祈りいたします。