東北関東大震災障害者救援本部東京事務局から、被災地障がい者支援センターふくしまより発行されています、ふくしま支援センターニュースつながりNo.3の転記が届きましたので、掲載させていただきました。
被災地障がい者支援センターふくしまより発行されています、ふくしま支援センター
ニュースつながりNo.3を転記いたします。
HTMLでご覧になる方は、こちらのアドレスへ
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/JDF/hukushima_news/news_f3.html
~~~以下転記~~~
ひとりじゃないよ! 信じあい 助けあいながら
ふくしま支援センターニュースつながりNo.3
2011/05/04発行:JDF 被災地障がい者支援センターふくしま
※住所がかわりました!今後とも支援センターふくしまをよろしくお願いします!
■住所 〒963-8025郡山市桑野1丁目5-17深谷ビル B 棟101号
■TEL 024-925-2428 ■FAX 024-925-2429
■メール shienfukushima2011green@yahoo.co.jp
【調査累計(4月27日現在)】
障害者支援事業所 85ヵ所、
避難所(2次避難所含)312ヵ所、
個別相談対応数 108件、
電話相談 56件。
~支援センターふくしま白石代表あいさつ~
2011年3月11日マグネチュード9.0という未曽有の大地震が東北・関東を襲いました。
その地震から引き起こされた大津波によって岩手、宮城、福島の沿岸部はことごとく壊滅されて、27000名以上の死者と行方不明者を出しました。それに伴い、福島県では大津波の影響で、第一原子力発電所が事故を起こし、目に見えない放射線が福島県内の人、農作物、家畜、自然を汚染しています。原子力発電所の事故の終息がいつになるやら予想がつかない状況なので、福島県の復興はまだまだスタートが切れないでいます。
支援センターふくしまでは多くのボランティアさんたちの力を借りて、福島県内の大部分の避難所を回って、障がいをお持ちの方の安否確認と困りごとを聞いたり、ニーズ調査を行ってきました。そして、障がい者の避難所での過酷な生活の全容が浮き彫りになりました。避難所の床が堅くて横になれなくて車いすのまま2週間も我慢している人、お風呂に1か月も入れないでいる人、避難所の駐車場で、車の中で寝起きしている人、自閉症のため集団での生活が難しくて、避難所を転々としている人、「この世の終わりが来る」と言って恐怖している精神障がいの人等、様々な障がい者が避難所では苦労されていました。
私たちは、200か所近くの避難所を見て歩きましたが、障がい者らしき人は100名程度と、割合的には少ない数でした。ことに身体的に重度の障がい者はあまり見当たりませんでした。避難所の生活が苛酷であろうことが分かっているので、知人や親せきの家に避難したり、または在宅で不便な生活に耐えているのではないかと想像しています。
南相馬市のとある事業所では、津波と原発の恐怖から利用者である障がい者が避難してしまったので、もう閉じようと覚悟していたら、避難していた利用者と家族が戻って(避難生活に疲れ果てて)きていて、ぜひ事業所を続けてほしいとお願いされて、現在その事業所に20名もの利用者が通ってきています。その事業所には若い職員さんがいましたが、原発事故の関係から辞めてしまいました。そのような状況にも関わらず、事業所を運営している理事長はじめ職員さんの心に動かされて、南相馬市の事業所に対して、支援センターふくしまでは支援物資とボランティアを送り込む支援活動を続けています。そして、これも原発の関係から南相馬市の計画避難に指定された地区の障がい者の安否の確認と避難意向の調査を上述した事業所の理事長さんに、南相馬市から直々にお願いされ、私たち支援センターの応援部隊に南相馬市に入っていただいて、南相馬市内に散らばっている障がい者の家を回って訪問活動を展開しています。
今後の支援センターふくしまの活動としては、郡山に避難所兼サロンを設置して、南相馬市や川俣町、川内村、葛尾村、その他の地域から避難してきた被災障がい者を受け入れる体制を確立していきます。それから、障がい者用のバリアフリーの仮設住宅を2戸ばかり設置していこうと考えていますが、郡山は放射線量がかなり高いので、可能なら会津若松市に設けていきたいと考慮しているところです。さらに、全国各地の障がい者団体と連携して、全国の避難所に被災障がい者を受け入れる準備をしているところです。
支援センターふくしまは、まだ事務局体制がしっかりしていないので、事務局員や事務作業のボランティアが少なく、データの整理がなかなかできていない状況です。後手後手になっていますが、今、郡山養護学校の卒業生名簿のデータ整理に着手していて、データが打ち終わった段階で養護学校の同窓会の役員の方と卒業生の名簿データを確認しあってから、福島県の浜通りと中通りに住んでいる養護学校卒業生の家を一軒一軒訪問していく活動を展開していきます。
福島県は、何回も述べますが、原発事故の問題で行政も民間も右往左往しています。私たちもこのまま郡山に居続けていいものやら、判断に苦慮しています。私はもう歳なので放射線はあまり問題にはならないでしょうが、若い人たちや子供さんにとっては大変な問題になると警鐘を鳴らしている方たちもいます。原発からどんどん放射線が漏れだしている期間が長く続くのであれば、郡山の若者たちを遠いところに避難させることも考えていかなくなるかも知れません。
このような福島県の状況ですが、いつも笑いを絶やさずに(いつも笑い顔でいると免疫力が上がります。免疫力がアップすると、放射線で壊れた細胞の DNA を修復するとのこと)、きっといつかは福島の復興をやり遂げるという強い意志で支援センターふくしまの活動を続けていく所存ですので、よろしくお願いいたします。
白石 清春
~5月4日、乙武洋匡氏が来訪~
5月4日(水)、乙武洋匡氏が支援センターふくしまに訪れました。被災地の障がい者の現状、支援センターふくしまの活動について、支援センターのスタッフと熱心に話していました。
乙武氏はとてもまじめな方で、被災地の現状に熱心に耳を傾けていました。
■■第1次避難所訪問の調査報告■■
調査目的:障がい者の避難状況、そこでの生活状況をつかみ実態を明らかにする。さらに障がい者・家族のニーズをつかみ、緊急かつ専門性がいるものは、相談事業所につなぎ、物資支援などセンターで対応できるものは、対応する。市町村・県・国で対応すべき問題は、要望活動につなげていく。
調査範囲:第1次避難所となっている地域の学校・公民館などの公共施設。
調査期間:4月5日~18日。
調査方法:1チーム2,3人で各避難所をまわり、責任者・行政関係者・障がい当事者・家族などから直接話を聞く。
調査内容:避難所に障がい者がいるか。どういう生活状況か。困っていること、ニーズの把握。
~障がい者・家族はどこに避難したのか~
避難所を訪問して気付いたのが、障がい者の方々が少ないということです。その理由として想定されるのは、避難所の住環境の厳しさ、大集団の困難さ、仕切りもない開放された空間、周囲の目、障がい者のニーズに応えた設備が揃えられていない等が挙げられます。一方指定された避難所を離れ、独力で親戚の家や民間のアパートを借りたとしても、親戚の家にもたくさん避難してきて住みづらくなった、民間アパートを借りたが行政から支援がなく経済的に追い詰めらている、避難所のように物資がもらえない、情報が入ってこない、避難所のように行政職員、保健師、医者、相談員による支援が受けづらい等の問題があります。
また、最近では、周囲とのトラブルや環境の劣悪さなどから3回、4回と避難所を転々とする方々がおり、「疲れた」という言葉をもらしていました。
~1か月余の避難所生活から出てきたニーズ~
●プライバシーが守られず、つい立等で区切ること
●介助等の人的支援の必要性
●トイレに行くまでに階段がある、和式しかないなどトイレの改善
●ベッド、お風呂の椅子など日常生活上の問題への個別対応
●糖尿病などの持病を持った方の食事内容の改善
●「眠れない」「集団生活にストレス」等の精神的な部分のケア
●感染症の不安や健康上の不安を解消すること
●毎日の生活のリズムや社会との結びつき、目的をもった活動
●医者の診察や今まで通りの福祉サービス継続ができないことへの不安を解消すること
●もっと分かりやすい情報の提供
●避難所への支援体制格差の是正
~避難所の方々が抱く将来への不安~
「2次避難をするが、その後の見通しをもてない」「先の見通しが見えず、いつまでこの生活が続くのか知りたい」「いつ避難しなければならなくなるのか不安」「これからの住宅が心配」など震災後の復旧への見通しの不安がありますが、あわせてその見通しを考えようにも福島では、原発の問題が大きく立ちはだかっています。原発による放射能汚染状況の変化、それに対応した避難の追加や変更、依然根強い風評被害なども絡み見通しが立たない状況が続いています。そのことにより避難所では、将来への不安が膨れあがってきているという印象を受けました。
~第1次避難所を訪問して~
第1次避難所訪問の調査は実態やニーズ把握の入り口であり、まだまだ多くの障がい者の生活上の困難さやニーズは顕在化してはいません。今後とも様々な形で実態を明らかにし、ニーズを拾いだしていくことを私たちの取り組みの柱として、活動していきます。
■障がいを持つ子どもたちとその家族の避難支援情報■
『福島の子どもたちとつながる宇部の会』さんから
地震、津波、原発事故と大変な状況の中、自閉症のお子さんをお持ちのご家族は避難所にも行けないのではないだろうか。もしそういうご家族がおられるなら、こちらでしばらく暮らせるようにサポートしようと、表記の会を立ち上げました。会には自閉症の子どもを持つ親や永くサポートをしている人、25年前のチェルノブイリ原発事故で被災した子どもや医師を受け入れた人などがいます。この動きに対し、市のほうも住宅を始め、さまざまな支援を連携してくれることになりました。希望があれば、ぜひお問い合わせください。
<概要>
・宇部までの交通費は当方負担
・宇部まで移動が可能な子どもさんとそのご家族
・住宅はこちらで準備(家賃と水道代は無償)
・生活一時金として一世帯に対し、宇部市から10万円
・孤立を避ける意味でも、2家庭を受け入れる
・最長1年間は滞在できるよう、私たち生活サポーター20~30名で経済面を支える
・それ以外の一般サポーターが、さまざまに支える
<連絡先>
「福島の子どもたちとつながる宇部の会」
代表: 木下文雄 Tel:090-6838-2881
携帯メール:kinochan-dont.vs-yamaguthi-110@ezweb.ne.jp
事務局:武永佳子 Tel&Fax:0836-33-3982
携帯:090-8359-2863
PC メール:ntakena@mail.bbexcite.jp
『カム バック プロジェクト実行委員会』さんから
しょうがいをもつ子どもさんとそのご家族の支援。生活基盤が崩壊してしまった中で、次の一歩を踏み出すためには多大なエネルギーの蓄積がご家族お一人お一人に必要です。現実からの逸脱や地域からの離脱としてだけではなく、次のステップの充電のために、大阪や神戸の地で1週間から約6カ月の期間、心身のケアを含めた生活の場をご提供し、専門家の人的支援により、今後の人生に向けての「リセット」をしていただける場になりますよう支援していきたいと思います。
<プログラム内容>
1.移動支援
2.住居の確保(被災者向け公営住宅等のご利用)
3.お子様の園・学校・専門機関につなぐための支援
4.親の就労支援
5.学童保育支援事業との連携
<対象> しょうがいをもつ子どもさんとそのご家族
<期間> 1週間~約6カ月
※相談窓口を設置し、期間をはじめ、ご家族の意思を反映した支援の実施をします
<スタッフおよび協力機関>
フレンドシップミーティングの専門ボランティアチーム、児童支援、家族の心理面をサポートする専門スタッフ、しょうがい児をもつ兄弟姉妹の会、地域支援学校・支援学級・通園事業施設、各医療機関、その他の支援サポートのチーム、行政機関
<連絡先>
合同会社ユニバーサルプラン (事務局 田伏高治)
住所:兵庫県神戸市東灘区魚崎北町5-3-5-201
電話:078-413-5111 メール:tabushi@universal-plan.jp
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