現実の事とは思えない惨状。まるで空襲にあったかのような状況です。

 神戸の共働作業所シティライトのスタッフの溝渕裕子さんから現地レポートを送っていただきました。
 溝渕さんは16年前の阪神淡路大震災の時に神戸に来たボランティアでしたが、神戸の障害者運動の一員として活動されています。
 ゴールデンウイークの一週間、東北に行ってきました。ゆめ風基金が地元の障害者団体と共同で設立した、被災地障害者センターで活動するためです。
 仙台で2日間、その後の5日間が岩手でした。被災地障害者センター岩手は盛岡に拠点があります。そこから被災地の沿岸部までは片道二時間半~三時間もかかりますが、そこを車で往復する毎日です。
 宮古市、釜石市、大船渡市などの避難所や障害者作業所、社協などをまわったり、保健師さんなどに聞いたりして、障がいのある方を探し、状況を聞いたり、ニーズに対応するなどをしました。これら沿岸部の被災状況は、そこにいながらにして、現実の事とは思えない惨状。まるで空襲にあったかのような状況です。
 避難所めぐりをしましたが、避難所になかなか障害者がいません。元々、大型入所施設が幅をきかせており、地域で生活している障害者自体が少ないのです。また、避難所で過ごすことができず入所施設に入ったり、親戚の家に避難したりしている方も多いようです。それでも何人かの方にお会いすることができました。元々様々な課題がある上に、震災がおきて問題が少しずつ表面化した感じです。
 震災から2ヶ月。仮設住宅への引っ越しも少しずつ始まってましたが、まだまだこれからです。しかし、被災地には様々な解決すべき問題が山積しているのに、圧倒的にボランティアが少ない!阪神淡路の時はボランティア元年と言われるほど、たくさんのボランティアが来ていました。しかし今回本当に少ないのは、原発事故などの影響もあるように思います。私も後ろ髪を引かれる思いで神戸へ帰ってきました。
 東北には、神戸よりひと月遅れの桜が咲いていました。小さな漁村で、いつもだったらみんなで花見をしてるのになあ、と寂しげに桜を眺めていたおばあさんに出会いました。いつかまた桜を楽しめる日がくるよう、これからも被災地を見続けていきたいと思います。

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