相模原事件を受けて―福本千夏

障害者なのに・・・障害者だから・・・障害者のくせにといわれる。
その時々に、勝手に言うとけ、「私は私」と歯ぎしりをしてきた。
でも歯ぎしりだけでは、もうあかん気がする。声なき声を聴けではだめなのだ。
口がたつ方にお任せして、合理的に生きてきたことのしっぺ返しを受けた、重度言語障害者といわれる私の正直な思いだ。
死は理不尽なものである。だからこそ、生は理不尽であってはならない。逝ってもいい命などない。「命の線引きをすることなかれ」と私はこわごわ叫ぶ。―福本千夏―
160728『命の重さ同じなのに』(朝日)
(2016年7月28日朝日新聞朝刊より。※記事はクリックで拡大)

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