■報告④:愛媛県重症心身障害児(者)を守る会 愛媛県支部長 岩井さん
《7月7日西日本豪雨災害》
愛南町の町職員で町災害対策本部の対策部長の一人だった岩井さんは、警報が出るという連絡が早朝に入り、緊急召集されました。
災害対策本部で待機していたところ、守る会の家族で作るLINEグループに、ご自宅の床上浸水の様子や、土砂崩れで孤立化した集落もあるなど、被害に関する報告がリアルタイムで入ってきたそうです。
《重症心身障害児・者や家族から見た必要な物として》
発災時に必要な物資としては、水、紙おむつ、おしり拭き、カテーテル(チューブ)、経管栄養剤、薬、手指消毒液、歯ブラシ、着替え、マスク、手袋などで、
人口呼吸器、吸引器、呼吸管理に必要な在宅酸素当を使用する方は、電源を確保できる一時避難の場は本当に大切で、必要だと実感されたそうです。
物資の調達方法としては、LINEグループに物資の協力要請をされました。特に需要の高かった水に関しては、全国守る会へ依頼したところ、迅速な対応で翌日には届いたそうです。
《避難の現状》
当時の様子として、近くの川が氾濫し、自宅の2階へ避難。その後しばらく2階での生活が続いた方や、呼吸器を使用されているご家族は、自宅近くの川が氾濫。自宅にも水が流れ込んできたため、直ぐに車で近くの避難所へ避難されましたが、他の方に気を使い、駐車場で過ごされ、呼吸器の電源は車のシガーライターから確保されたそうです。
その後、主治医の方などが避難所の問題を取り上げ、色々と働き掛けをされて、今は個別避難ができるようになったそうです。
《今後の課題、今後の動き》
まとめとして「守る会としてのネットワークが活かされることで身近な支援として安心感を与えることが出来たと思う。その一方で、そのネットワークの範囲が限定的なので、有事に役立つ合意形成された情報の整理が必要だと感じた。
また、1年前に愛媛県守る会の若いお母さん方を中心に、医療的ケア児(者)家族会というものが発足し、自分も構成メンバーには入っているが、若い世代の方々とも繋がりながら、ネットワークを構築、刷新していかなければならないと思っている。
そして、今回の様にゆめ風基金に関わる方々や、医療福祉、教育など様々な関係者とコラボすることで、信頼できる重層的な関係を構築していくことを目指したい。
孤立・孤独することを一番心配しているので、そのような状況を防ぐ為にも、早い段階で知り合うことが、地域ニーズにもつながっていくと思うので、あらゆる立場で「繋がりあう」「繋げ合う」、「コネクトする」という事をこれまで同様、高めていきたいと思います。」と、締めくくられました。