常総市を訪問してきました

常総市を訪問して  長崎 圭子 
今年の9月10日。テレビで鬼怒川堤防が決壊し、大量の土砂や水が市街地になだれ込み、家や農作物を呑み込み、流していったあの映像を、沢山の人が今も記憶していることと思います。
あれから3ヶ月。
今、どうなっているのかを確かめたくて、八幡理事と訪問してきました。
一か所目は
「特定非営利活動法人あうんの会」常総市地域活動支援センターさぼてん

ここでは、精神に障害がある方などが袋詰めなどの作業をしに通っています。
いつもはみんなが過ごす一階部分が、1mほど水没したそうです。
みんなで掃除をしたデッキブラシなどが写っています。
中に入ると、水に使った部分の泥などはかき出されていましたが、一階は、畳、床板など全部はがして、濡れたところを乾燥させるため、寒いのに窓を全開にしていました。

壁の茶色く変色している部分まで浸水・・・。
電動車いすの私の座高をすっぽり呑み込む深さ。
電動車いすは、水深15㎝ほどでモーターがやられ、動かなくなります。
3.11の映像を観たときにも感じた「だめだ、助からない…」というあの絶望感が襲ってくるのです。
水に浸かると、電化製品はもちろん使えないし、畳もカビがはえます。
再会は10月7日だったそうですが、ボランティアさんたちやメンバーさんも一緒に、泥かきや消毒など、何日も続けたとか・・・。
職員の大塚さんが話してくれました。
「あの日の大雨で、うちは鬼怒川と小貝川を結ぶ「八間堀川(はちけんほりがわ)」という支流が越水(えっすい・堤防を越えてあふれでた水)して、ここらへんみんな浸かったんですよ。
1mも。
決壊したところからは8.5キロも離れてるのにねえ。
2~3日、水が引かず、カヌーで消防やらいろいろ来て、一軒ずつ人が取り残されていないか探してたそうです。
私も最初の一ヶ月くらいの記憶がなくて…。
半年ぐらい前のことに感じるけど、まだ三ヵ月しか経ってないんやなあって。
よく建物が残っているなあ、奇跡のように思います。
汚れた床を高圧洗浄するボランティアに来ましたって言って、終わったら5万円請求されたとか、そういう話も聞きます。」
ゆっくり2階への階段を上ると、ラジオから懐メロが流れる中、当事者の皆さん、10人ほどが作業をしていました。
ホームセンターなどで売っているカーテンフックを、5個ずつビニール袋に入れ、商品名を印刷した厚紙で挟み、ホッチキスで止める。
慣れた手つき!
「腰まで水がきて怖かった・・・。歩きにくかったです・・・。
姉ちゃんと避難所に、1週間行ってたけど、薬がなくて困った。今は大丈夫です。」
と、いつもの「居場所」で、仲間と一緒に過ごす時間を、なんとか取り戻せたメンバーさんが話してくれました。
床上浸水したメンバーは3人いて、家財道具や思い出の数々がだめになった人もいました。
ゆめ風基金のことをお話して、次の訪問先へ。
途中、あちこちの家の壁に「黒ずんだ線」が入っているのを見ました。

私の頭の上、まで浸水したという・・・「しるし」ですね・・・。街のあちこちにありました。
また、近所のファミレスでは、厨房のレンジや換気扇、その他調理器具や椅子、テーブルなどが浸水し、
買い替える資金がないので、閉店するしかないとか・・・。
今回は時間の都合で日帰りでしたが、電話でお話を伺って「大丈夫ですよ」とおっしゃっていても
全く「大丈夫ではなかった」ことを確認できました。
備品やら車やら、必要なものがたくさんでてくるのがこれからです。
再建は、まだまだ。
これから、これからなのです。
(長崎 圭子)

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