ヒデの救援レポート、2012年7月28日

ヒデの救援レポート、7月28日:81
28日、54歳で逝った女性の友人のお通夜。29日は、告別式。30日は、亡くなった連れ合いの保子さんの命日です。ということで、早めの発信にしました!すんまへん!
福島県民として大飯原発再稼働に関してもの申すその2
福島県民・白石清春(脳性マヒ者、被災地障がい者センターふくしま代表)
 放射線の影響は成長の早い子供の身体を蝕んでいく。放射線のエネルギーで細胞のDNAが傷つけられる。そのDNAが修復されないうちに細胞分裂が起こり、悪性腫瘍ができやすい身体になっていく。さらに、放射線による影響から免疫力低下の状態になっていくことが考えられる。障がい者や高齢者にも、免疫力低下による様々な病気が起こるのではないだろうか。
 今後、福島県では放射線の影響によって虚弱児や障がい児が多く生まれてくることも考慮しておかなければならないだろう。いくら重度でも、いくら身体が変形していたとしても、この世に生を受けたものとして、この社会で生きていく権利=生存権が確立していかなければならないと私は考える。放射線の影響で産まれてくる身体が変形している子供たちは、私たちと同じ障害者なのである。その障害者を認めないということは、私の存在自体を認めないことにつながるのだから。
 福島県内に住む若い女性が、福島の戸籍を抹消したいと言っているということを聞いた。福島県の女性とは結婚できないという風潮が全国的に広まっているからだろうか。さらに、福島県内では水面下で堕胎が増えているという。福島で生まれた子供は身体に障がいを持って生まれてくるのではないかという優生思想に裏打ちされた障がい者に対する差別意識と恐怖意識があるからだろう。
 原発事故を契機に障がい者を排除していく意識に対しては敢然と闘っていかなければならないと私は考えている。障がいがあろうが無かろうが、みんな平等に人権が認められ、明るく楽しく安心して生活していける社会を創設していこうではないか。
 福島県民の多くは政府や東電、または福島県から派遣された放射線の専門家の講演を聞いて、放射線はそんなに怖いものではないと錯覚してしまっている面がある。または、放射性物質の怖さから逃れたいという意識が働いて普通通りの生活を送っているふしがある。
 原発事故が起こった当初はマスクをかけていた県民だったが、月日が経つにつれて自己防護の姿勢が見られなくなっている。私は郡山市に住んでいるが、電動車いすで走っている途中の保育所の前に放射線を測るモニタリングポストが設置されている。その数値は毎日0・4マイクロシーベルトを示している。この数値は、病院のレントゲン室と同じである。レントゲン室の中で毎日生活しているようなものである。このようなところに住んでいていいものだろうかと、ふと不安になる。また郡山市保健センターのモニタリングポストの数値は0・6マイクロシーベルト以上をさしている。健康を保つ保健センターがこのような放射線量のある場所にあるのが不思議だ。
 放射線被ばく関連の情報では、外部被ばくのことだけがクローズアップされているが、本当は内部被ばくの方を真面目に考えなければならない。ある専門家の話だと、外部被ばくの影響が15%だとすると内部被ばくはなんと80%になるという。人間は1日に5キログラムの空気を吸うという。この空気の中にも放射性物質が紛れ込んでいる。また、福島県産の野菜や果物、穀物の中にも放射性物質が混入している。昨年から今年にかけて降った雪が解けて、その水が山から里へ流れてくる。雪解け水の中にも放射性物質が入っている。高齢者のいる家庭では庭に野菜を作っていて家族で食べている現状を聞いている。
 チェルノブイリの事故状況を調べている方たちの話を聞いていると、放射線の影響は5.6年後から出てくるとある。今はまだみんな平気で生活しているが、将来が恐ろしい。チェルノブイリ関係の動画を見ていると、原発事故が起きた時に30歳だった男性が40歳になった際、急に白血病に罹ったという。相当重篤な病状を見せていた。福島県にもこのような恐ろしい現実が来るのだと思うといても立ってもいられない気持ちになってくる。
 政府や東電は、福島第一原発の1-4号機の格納容器の中に水が入っているので、メルトダウンしている燃料棒は安定状態になっていると伝えているが、ある情報によると2号機の核燃料は格納容器から漏れ出して地下800メートルにもぐってしまっているとのこと。格納容器に穴が開いて大量の水が地下に行っているに違いない。
 4号機は無残な姿をさらけ出していて、今にも崩れ落ちそうになっている。4号機の上の方の燃料プールには使用済み核燃料棒などが1500本ほど入っている。今後強い地震が起きて、4号機の建屋が壊れて核燃料棒が地上にばら撒かれたら、再臨界が起きて4号機をはじめ1-6号機に人間は近づけなくなり、すべての原発が爆発していくのを、手をこまねいて見ているよりほかない状況になる。東日本は放射線によって人の住めない無法地帯になってしまうだろう。
 4号機の上にクレーンを取り付けて、使用済み燃料棒を一本一本取り出し、4号機の下の方に新たに設置した燃料プールに移し替えるというが、あまりにも放射線量が高く4号機の近くに作業員が近づいて作業を行っていくことは難しいだろう。まだまだハラハラドキドキの綱渡りの状態が続いていくのだ。強い地震が来ないことを祈っているしかない。その3に続く
ただいまの基金残高290907921円・012年4月30日現在これまでに届けた救援金・178547749円・012年6月7日現在被災障害者支援ゆめ風基金に寄せられた東日本大震災への救援金、金額は、130209050円・012年6月7日現在。○台風12号関連、2942828円。フィリピン洪水関連、1000000円です。
このメールは、東北関東大震災被災障害者救援に関する、被災障害者支援ゆめ風基金副代表理事、障害者問題総合誌そよ風のように街に出よう編集長、バクバクの会事務局員でもある河野秀忠が感じた、各方面の被災障害者救援活動のあれこれの個人的レポートです。広く知ってもらいたいので、転送自由。自由にお使いください。
息の長い救援が求められています。長期戦です。救援金の送り先は、郵便振替口座00980-7-40043ゆめ風基金です。;とうほく;と書いてください。
東日本大震災救援活動の中のボクの風景
 吾亦紅と名付けられた植物は、小さな赤い花をつけます。大輪の紅薔薇のようにではなく、ひっそりと。大きな声、叫び。大勢の群集の権利要求、強い権力ではなく、小さく、ひっそりと。しかし、その大勢の人たちと同じように、わたしにも、赤い血潮がしっかと流れているんだぞと、われも、また、赤い吾亦紅と咲くのです。
 この、7月11日、東京の毎日新聞本社で、優れたNPOを表彰する第1回エクセレントNPO大賞受賞式が開催されました。ゆめ風基金も応募していたので、牧口代表の代理として、橘高事務局長と、車いす使用の女性、Nさんが参加しました。応募したNPO団体は163団体。その中から、受賞団体を選定する段取りです。主催・エクセレントNPOをめざそう市民会議共催・毎日新聞社・共同通信・丸紅など。
ゆめ風基金は、
震災特別奨励賞
 貴団体は東日本大震災の被災地域において市民の力を結集して復興活動に取り組み、人々に大きな勇気をもたらしました。ここに第一回エクセレントNPO大賞審査委員会より頭書のとおり高い評価を贈り、これからも復興にむけて豊かな市民社会づくりに貢献されることを期待し、その栄誉を讃えこれを賞します。
課題解決力賞部門
 貴団体は社会の課題に挑む非営利組織として課題解決力において第一回エクセレントエクセレントNPO大賞審査委員会より頭書のとおり高い評価を得られました。これからも豊かな市民社会づくりに貢献されることを期待しその栄誉を讃えます。
と、ふたつの賞を受賞しました。7月末頃には、毎日新聞紙上で報道される予定です。
 ここからは、hideのぼやきです!一円を笑う者は、一円に泣くと故事にあるように、どんな小さなお金でも、大切に受け取り、被災地障害者支援のために、大切に使うのが、ゆめ風基金のポリシーです!だから、文句を言うつもりは、毛頭ありません。
 が、しかしです!二人の、大の大人が、時間の都合をつけあって、大阪から東京まで遠出して、参加した受賞式です。立派なデッカい表彰状が2枚、副賞の目録袋も、紅白熨斗の堂々たるものです。問題は、その熨斗袋の中身なんですよ。これだけ、仰々しく開催された賞の副賞賞金が、驚くなかれ、金10万円だったのです。
 もちろん、栄誉は、お金には変えられません。大変にありがたいことです。でも、でもですよ、ゆめ風基金は、讃えられるために、被災障害者支援をしているんじゃない。人としての権利のために、お金を集め、被災地に届けるのが努めなんです。現在進行形の被災地障害者支援のために、お金が必要なんです。hideは、想いました。嗚呼、10万円!たかが10万円。されど10万円!
以上

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