アメリカから届いた心

アメリカから届いた心
 先日、豊能障害者労働センターが開いた被災障害者救援バザーでゆめ風基金のことを知り、一人の女性が救援金を持ってきてくださいました。
 お話をうかがうと、その救援金はアメリカの支援学校からのものでした。
 息子さんが障害をお持ちで23年前にアメリカに行かれ、9年間アメリカに在住されていて、息子さんはその間カトリック教会系の支援学校に行かれていたそうです。そして14年前に日本に帰ってこられ、箕面市に住んでおられるということでした。息子さんは現在箕面市の老人保健施設で働いておられるそうです。
 今回の震災で、息子さんが学んだ学校や当時の友人たちから「大丈夫?」と心配するメールがたくさん来たそうです。
 自分たちのことをおぼえていてくれたことのうれしさやなつかしさから、ご一家が久しぶりにアメリカに行き、息子さんが学んだ学校に行くと、写真のような大きな募金箱が置かれていたのでした。
 今回の震災で世界中が日本のことを心配し、支援の輪が広がっていることはテレビ、新聞などの報道で知っていましたが、まさか自分たちのことを紹介しながらこの学校で募金活動をしていたことと、そしてなによりも自分たちのことを隣人として友人として覚えていてくれて、思いを馳せてくれていたことに涙がでるほどうれしかったそうです。
 そして日本に帰国し、このお金をどこに届けたらいいのかと思っていたところに箕面の豊能障害者労働センターのバザーでゆめ風基金のことを知り、アメリカの友人たちの思いに応えるのはここしかないと思われたそうです。
 
 わたしたちはこのお話を聞いて、グローバルな経済や巨大なインターネットによるのではなく世界のいたるところで、時には銃声がひびく地であっても、時には乾ききった大地で飢えに耐える地であっても、この世界の大地に生きるひとりひとりのこどもたちやおとなたちの小さな声と小さな手がつみかさなり、つながっていくことによって、世界がつながっていることを強く感じました。
 わたしたちの活動もまた被災地へとつながりながら、世界の大地と海と空へとつながる心を大切にする活動であることを、あらためて自覚しました。
 たしかに、この地球はこの大地はこの海は、今回のような理不尽な暴力でわたしたちを痛めつけ、たくさんの命をうばい、たくさんの幸せをふみにじりました。
 けれども、わたしたちがこの地球で生きていかなければならないとしたら、この地球の無数の小さないのちがつながり、助け合い、共に生きることでしか幸せに近づけないこともまた、たしかなことではないかと思うのです。
 そのことを教えてくださったみなさんに、心から感謝します。
 学校がよびかけたメッセージを日本語に訳してもらいましたので、いっしょに掲載します。
                                                                   細谷常彦
日本へ義援金を送ろう!
以前、本校に在籍していた北出谷浩多は、現在は家族と共に日本に住んでいます。
北出谷ファミリーは、地震・津波が襲った地域から離れた地域に住んでいるので無事でしたが、非常に多くの人達が被災し、今でも膨大な援助を必要としています。
5月末に浩多が両親と共に訪米し、本校を訪問します。
5月いっぱい本校で義援金を集め、浩多を通して、緊急な援助を必要としている人達の為に寄付することに決定しました。
学校の事務室に大きな広口ビンが置いてあるので、1セント玉(5セント玉、10セント玉、25セント玉でもOK)を子供たちに渡して下さい。
たとえ1セント玉でも、沢山集まれば、まとまった金額になります。
子供たちが持参した義援金を広口ビンに一度にざっと入れられるように、コインを封筒、ビニール袋、又は容器に入れて渡して下さい。
勿論、期間中に何度でも寄付して下さって結構です。
ご協力、よろしくお願いします。
フェリシアン特別支援学校 スタッフ一同
アメリカから届いた心

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