被災地障がい者センターいわてのブログ゜から(2011年5月23日)
被災地障がい者センターいわて(以下センターいわて)に、新拠点が誕生しました。
場所は、遠野市宮守。JR釜石線 鱒沢駅の目の前。まさに駅前の好物件を、代表の今川が見つけてきました。
現在、ボランティアスタッフが少ないため、まだ実動はしていませんが、本日はその拠点に初めて宿泊をしています。
拠点設置の目的は、センターいわてのある盛岡から被災沿岸部への移動距離が、どこへ行くにも片道約3時間はかかってしまうため。
朝8時に盛岡を出発して、現地到着は11時ごろ。19時のミーティングに戻るには現地を16時に出ないとなりません。
釜石市・大船渡市・大槌町・山田町への中継地点として、この場所が選ばれました。
日没後の遠野はまだ気温が低く、体が震えております。
センターいわてでの現在の主な活動内容
○支援物資で送られてくる衣類のサイズが合わない方への衣類お届け。(仮設住宅や避難施設、ご自宅へ)
○避難所や自宅で生活をされている方(知的障がい・重度身体障がい)と、日中一緒に過ごす。
○流失した就業支援センターの仮事務所へ文房具の支援
○仮設住宅の調査(スロープ設置状況・集会所の有無・障がい者の入居状況)
○障がい者関係のNPO、社会福祉法人、支援学校、関係団体へ訪問し、ニーズ調査。つながりを深める
○県内の障がい者関係機関で行われる、連絡会・報告会等への参加
等々
地域特有の様々な問題も浮き上がっています。
沿岸部のとある地域で、介護保険を利用しているにもかかわらず、家族介護が可能との判断でヘルパーが派遣されていないとの話を聞きました。
認知症 人工肛門 身障6級の父(81歳)・視覚障害 身障4級の息子(57歳)リウマチ 車椅子使用 身障2級 要介護2の娘(54歳)の三人家族。
息子さんは現在無職。認知症の父と妹を残して出かけることができず、買い物にさえもいけません。
現状の支援としては、車で30分の隣町へ買い物の付き添いをすること。通院の送迎。息子さんが外出中に妹さん、お父さんと一緒に留守番し、お父さんの見守り、妹さんの生活介助等を行っています。
都市部とは比較できないほど、福祉サービスの利用が制限されています。
息子さんは「この地域では介護保険は何の役にもたたない」と、嘆いておられました。
認知症や、障がいをもつ方へのサポートが十分ではなく、介護は家族任せ。
津波被害により、福祉関係の施設(デイサービス等)が流失していたり、施設職員も多数亡くなっている現状もありますが、 必要な方に必要な支援を提供できるよう、なんとかならないものかと考えています。
このご家族がゆとりある生活ができるよう、支援と平行して地域の福祉サービスの調査も行っていきたいと思います。