中学生プロジェクトのご報告

摂津二中で、「中学生プロジェクト」に参加しました!
ゆめ風基金では数年前から、「中学生プロジェクト」を行っています。
これは、昼間、何かあったとき、地域にいるのは中学生じゃないか・・・?
ならばその「力」を借りて、障害者も生き延びよう!一緒に避難訓練しよう!と始まったワークショップです。
それは「障害」についての理解を深めてもらう「事前学習」を行い、いろんな障害について、当事者が生徒さんに話します。
視覚障害者、身体障害者、盲聾者・・・。
その後、障害者と一緒に「避難訓練」をやります。
先日は、摂津市で「中プロ」やりました!
以下、そのご報告です。


「はじめまして!
突然ですがクイズです。
今日私がマスクをしている理由は
『1.カゼ、2.ギョウザ、3.感染』と、教室に入り黒板に書きだす。
摂津二中・三年生のクラスで「避難訓練の事前講習」に今年も招いていただいた。
持ち時間も20分なので一瞬で教壇に集中してほしい。
「はい、3択です。風邪だからマスクをしていると思う人、手を挙げてください」と必死で呼びかける。
大半の手が伸びる。
「はい、昨日私はギョウザ食べて匂うからだと思う人は?」には笑いながら「はい」手があがる。
「では最後。えー私の障害が空気感染するからと思う人は?」
何食わぬ顔を装い聞いてみる。
二クラスの中で一人だけこれを選んだ。
「すっ、すごい!あなたはみんなの前でたった一人の自分の意見が言える。でも、正解は二番のギョウザでした。おばさんの障害は脳性まひという名前がついていて、空気感染はいたしません。安心してください」
「あっはは! ギョウザやったんや!」
そうそう、人の話は聞いてみないとわからんもんでしょ、と、自己紹介から始まり、避難訓練時の注意事項を話す。
「ご協力お願いしますね。
で、勇気あるあなた、いつかおばさんと握手などをしていただけたら嬉しいです。」と、授業を終えようとした。
誰かが声をかけてくれている。
「えっ何」、と、聞き返す。
ある生徒さんが「いつ握手してくれるんですか?っていうてはる」
微妙にニュアンスが違う女の子の通訳が入る。
「そっ、そんなこと言ってないよ。大人になって機会があればの話です。皆さんの優しさに感謝します。当日もよろしく」という私の目の前に、なんとわざわざ席を立ち、照れくさそうに手を出してくれたのは「感染」に手を挙げた子だ。
「うわ!!!」
私のほうがビビッてしまい、おそるおそる動く人差し指一本だけ出す。
避難訓練の当日は、言うまでもなく、命を託される側・託す側の関係ではなく、命を支え合う避難訓練になりました。
はじめて出会った、少しキャラが違う大人と車いすでの移動、互いに不安ではあるけれど笑顔が絶えない冬の体育館でした。
(福本 千夏)

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