救援活動からの10の提言

提言1 避難方法 
津波・洪水等が予想される地域においては すべての障害者に確実に伝わる伝達手段で情報を発することが必要です。また情報を受けた障害者が確実に避難でき る手段・方法を確立しておくことが求められます。

(ア)避難情報が確実に障害者に伝わるよう伝 達手段を準備すること。
(イ)津波・洪水が予想される地域については、事前に支援を必要とする障害者の把握が重要であり、国として自治体に名簿等情報の事前開示ができるよう働 きかける こと。
(ウ)「避難行動要支援者避難行動支援プラ ン」策定の徹底を図ること。

提言2 安否確認 安否確認については すべての障害者を網羅するとともに、安否確認により明らかになった障害者のニーズにこたえられる方法を確立することが必要です。

(ア)国は各自治体が準備する避難行動要支援 者名簿が有効に活用されるか、また内容が妥当かどうかを検証すること。
(イ)安否確認については地元の障害者団体、 福祉サービス提供事業者と連携が取れるよう、事前に協定などを結んでおくこと。

提言3 避難所 災害時であっても障害者、女性、外国人、妊婦などが持つ当たり前のニーズに対して、どのように合理的配慮をしていくかが問われるべきものです。一次避難所 の段階から障害の種別に応じ適切な支援が受けられる場所を確保してください。

(ア)一般の指定避難所に障害者が安心して避 難できるよう、指定避難所のハード面の整備を進めること。あわせて障害者支援の仕組みを確立するなどソフト面の整備も図ること。
(イ) 福祉避難所も一次避難所として開設するとともに、介助に必要な人員配置を徹底すること。
(ウ)在宅で避難をする障害者支援策の充実を 図ること。
(エ)薬や医療的ケアを必要とする人が、災害時においても安心して生活できるよう薬や医薬材料、電源確保等の体制整備を図ること。
(オ)障害者支援センターを各市町村に位置づけること。

提言4 移動・送迎支援  災害直後から障害者の移動・送迎支援ができる体制を確保するとともに、復興までの長期の視野に立って障害者の移動・送迎支援方策を行政として取り組まれ ることが必要です。また民間団体が行う移動・送迎支援に対し、国として十分な支援を行なってください。

提言5 災害関連の情報発信 聴覚障害者等コミュニケーションに配慮が必要な方々にとって、災害情報、避難情報、記者会見・ニュース・関連番組などに対し字幕付与の完全実施を義務付け ることが求められます。さらに災害時に、代理電話、遠隔通訳支援、文字情報支援など遠隔情報支援を保障してください。

提言6 仮設住宅 仮設住宅建設については、障害者だけでなく誰もが安心して暮らせる福祉住宅仕様を基本とすることが求められます。また敷地内においても舗装するなどバリア フリーな設計にしてください。

提言7 復興住宅 復興住宅建設については、すべてをバリアフリー仕様とすることが必要だと考えます。また障害者・高齢者など移動困難な人たちが、利便性の高い地域に立てら れる復興住宅に優先して割り当てられるように配慮してください。

提言8  復興まちづくり  復興のまちづくりについては、計画段階から障害者が参画されるようにしてください。そして商業施設や公共施設についてもバリアフリー仕様にするなど障害 者の声が反映できる仕組みづくりを確立していくことが求められます。

提言9 原発事故 原発がある地域の30km圏内における障害者・高齢者が安全に避難できる方策を早急に確立することが求められます。また移動が難しい時には、シェルター等 放射線を防御できる設備が必要です。さらに80km圏内の自主避難者に対しても、公的助成を行ってください。 介護現場の深刻な人手不足については、福島県内での単価の引き上げやヘルパー養成講座への助成策など、国として不足する人材の補強政策を積極的に取り組む ことが急がれます。

提言10 平時の備え 障害者や高齢者などをはじめ、あらゆる人々の命を支える防災を目指していくために、平時からの備えが重要です。

(ア)要支援者を中心に据えた避難訓練、避難 生活訓練を全国的に拡充させること。
(イ)自主防災組織の編成にあたっては障害福祉サービス提供事業所も参画させること。 また防災計画作成については障害者の参画を義務付けること。
(ウ)障害者の日中活動場所やヘルパーサービ ス事業所など福祉サービス提供事業所における大規模災害時に向けた避難対応計画の策定を促す指針やガイドラインを作ること。

(エ)災害対策の視点からも、インクルーシブ 教育を推進すること。

詳しくはこちら  救援活からの10の提言(WORD)


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