特定非営利活動法人 ゆめ風基金

特定非営利活動法人 ゆめ風基金

〒533-0033:
大阪市東淀川区東中島1-13-43-106

TEL:06-6324-7702
FAX:06-6321-5662

MAIL:info@yumekazek.com

障害者救援活動にご協力ください

障害者救援金
送り先
郵便振替口座
00980-7-40043
ゆめかぜ基金
その他の振込方法

ゆめごよみ風だよりNo.92 | 2020/9/18発行

コロナウイルス騒動に想う……黙っていると殺されかねないトリアージ

代表理事 牧口 まきぐち 一二 いちじ

電動車椅子に座り、マイクを持つ高齢の男性
7月の催しで話す牧口さん

ある日から突然、まもなく80億人になる地球上の人間が震えています。マスクをすり抜けるほど小さな新型コロナウイルスの出現にて。極小なれど強いウイルスとそこそこ大きくて弱い人間はどのようなお付き合いをすればいいのやら、予測できないことばかり。
その付き合い方法なんですが、ボク個人は、「たたかう」とはチト違ってて、「共に生きる」は互いに育ち合う感じで、カッコ良すぎる。「共生」となれば丁々発止の感ありで、ウン?まぁ少しの距離を保ってのお付き合いってとこかナ。だけど、少しの距離も取れない人たちがいる。障害者や高齢者と介護する人々は密接しないと仕事にならない。危険を背負い合っての命と命のせめぎ合い。ここに全てのいきものの原点がありそうだ。人類は動・植物の命を「いただきます」の一言で自らの命を長らえるよう食している。
他者への感染を防ぐための密集・密閉・密接は、人間にとって非常に大事なものなのに、「3密回避」を長く保っていると人間味がどんどん削ぎ落とされていきそうだ。だからと密を解くと、感染がどんどん増幅していく。あー厄介やなぁ。
災害や事故で多数の人が生死さまよう時、1人でも多くを救おうと図られる治療手段がトリアージ。いかにも「正しい」ように思われるが、ちょっと待ってほしい。
たまたま、ETVテレビ『バリバラ』がコロナ・ウイルス特番。各国から7人の障害者によるリモート討論。まず、イギリスの人工呼吸器を使う障害者が「治療に時間がかかる者は、自ら辞退せよと求められる酷さ。『トリアージは間違っている』と声を発しなければ、障害者や高齢者は殺されてしまう」と発言。世の中の障害者観はどの国もあまり変わらないなぁと思った。と、すかさず人工呼吸器を付けたアメリカの若者が「私も同じ。もし感染して病院に駆け込むと、私の人工呼吸器を外して健常な患者に与えかねない空気がある」と言った。オランダでは、「テレビで福祉系の大臣が、『70才以上の高齢者は後回しになる。もう社会の役に立てないから』と発言。大問題になった」と報告した。
世界各国でトリアージは行われている。助からない命に時間をかけるより、助かる可能性が大きい順に2人、3人と救うほうが「正しい」ように思われがち。だが、これを「命のガイドライン」なんて誤魔化しているが、「命の選別」「命のランク分け」にほかならない。その結果、障害者や高齢者の治療は後回しにされてしまう。科学的(医学的かな)に、どのような状態になれば早く死ぬ、なんて立証できていない、できるわけがない。一刻を争う緊急時ゆえの基準だろうがムリがある。そんな命のランク分けは要らないよナ。
じつは福祉系の大臣とか著名な医師が、ランク付けの基準づくりを担当しているとのこと。これは社会的に責任ある立場から、「……すべき」と考えるクセが身についているからだろう。厄介なことだ。ただ救いは、こうした大臣や医師の姿勢に「それは間違っている」と声を上げている人も多く存在することだ。ボクは単純に思う。大臣や医師たちは余計なことを考えず、ただ1人でも多くの命を「順番に」救うことにのみ専念してほしい。それだけである。

©ゆめ風基金