特定非営利活動法人 ゆめ風基金

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ゆめごよみ風だより No.88 | 2019/9/12発行

防災シンポジウム報告

事務局長 八幡 隆司

5月26日にゆめ風基金、ももくり送迎基金、BCP研究会共催で、防災シンポジウム「大規模災害をリアルに考える~要援護者の視点から~」を大阪市中央区民センターで開催しました。当日は200人を超える参加者で会場が埋まり、大盛況の中で終えることができました。

誰ひとりとりのこさない防災をめざして

はじめに同志社大学立木茂雄さんから、課題提起をしていただきました。立木さんは「災害時における個別支援計画づくりがどこの自治体でもほとんど進んでいない(47都道府県への電話調査で11.2%)。倉敷市真備町で障害児を含む親子がなくなった。福祉サービス提供事業所からは『避難勧告が出ているので早く避難してください』とメールをしたが、帰ってきた返事は『避難所がどこがわからない。近所付き合いもないので、誰に聞いて良いかもわからない』というものだった。倉敷市でも人口の20.9%にあたる9万9千665人もの人が避難行動要支援者として名簿掲載されているが、個別支援計画については未着手。
一般的に障害者を取り巻く状況は平時は福祉サービスを提供する人たちが関わっているが、災害時には町内会や民生児童委員などが助けるとしている。この縦割りが良くない。大分では福祉分野の相談支援専門員とコミュニティ・ソーシャルワーカー、町内会が一体となって災害時の個別支援計画を作成している。平時から町内会の人とともにどのような支援が必要かを考えることによって、平時と災害時の分断がなくなる」と説明がありました。
「このような取り組みが兵庫県でも、今年モデル事業としてスタートすることとなり、福祉サービス事業所が災害時の個別支援計画を作れば1人に付き7千円を行政が支払うということである。同様の取り組みが大阪の茨木市や東大阪市でも進みつつある」ということが紹介されました。

ふだんからの備えや地域とのつながりづくりが大切

第2部のパネルディスカッションではまず自立生活夢宙センターの内田瞳さんより、「自分は阪神淡路大震災も経験しているので、被災経験者として、また女性障害者として防災に取り組みたい。住之江に職場があるが、実際リアルに防災を考えるのは難しいが、地域の取り組みとしてはNPO・企業交流会に参加するなどして、顔の見える関係づくりをめざしている。また住江区に防災パートナー登録をし、座談会を行ったりした。住之江にはSALIVEというまちづくりを考える自主組織があり、そこにも加盟し、一緒に防災の取り組みもしている」という話がありました。
次に自立生活センターあるるの鳥屋利治さんからは、「都島区において要援護者見守りネットワーク強化事業で区内の障害者(2016年度は身体障害、2017年度からは知的・精神障害者)に要援護者名簿への掲載の同意を呼びかけてきており、区と区社協の見守り相談室が地域(小学校区9地区)に名簿手渡し時に同行し、障害についての理解と、グループワークでの意見交換を行い啓発活動に取り組んできている。また地域住民向けの研修会を5年前からやっている。今年度は、「地域で生活する障がいのある人のことを知ろう」というテーマで、見守り連絡会の方を対象に講座を行った。障害者自立支援協議会ではまちづくり推進課とも協議を行った」などの話がありました。
自立生活センターいこらーの東谷太さんからは「昨年台風21号の影響で岸和田も大きな被害を受けた。仲間からSOSの連絡があり他の人と連絡をとったが、強風の中では助けに行くこともできず、台風がただ過ぎ去ることを祈るばかりだった。ある仲間は停電で自分の家に1週間ほど避難しにきた。岸和田市社会福祉協議会では災害ボランティアセンター設置訓練も行われており、いこらーも訓練に参加している。防災訓練や街歩きなど、日頃から社会福祉協議会と連携している。この台風の教訓を活かすために、現在マニュアル作成など色々なことに取り組んでいる途中です」との話がありました。
次に防災士で、知的障害者の母親でもある湯井恵美子さんにお話をいただきました。湯井さんからは「昨年の大阪北部地震が起きた時間は、支援学校の送迎バスに子どもを乗せる時間帯で、多くのおかあさんが乗せてよいか迷ったという。学校はメールで情報を発信したが、災害時はメールが遅れて届くということもあり、きちんと情報が届いているかもわからなかった。子ども部屋も大きな家具が倒れる家庭があった。親としてもっと事前に備えることができないかと考える。支援学校も真備町では建物の被害が大きく、今も4ヶ所に分かれて授業をやっている。そんな中、学校で防災対策を積極的に打ち出しているところもあれば、親が中心になって事前の備えをどう考えるかという動きも出てきている。そういった当事者の自助の取り組みが今後重要になってくると思う」との話がありました。
その後の討論の中でもやはり地域や仲間とのつながりを大切にし、自助をどのように行うか、また個別支援計画の重要性などが確認されました。
たくさんの方に来ていただき、本当にありがとうございました。

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