特定非営利活動法人 ゆめ風基金

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ゆめごよみ風だより No.87 / 2019/5/12発行

リレー・エッセイ 災害と障害者 第61回障がい者にとって、
戦争と原発はまっぴらごめん!!

障がい者と戦争

私は現在山口県宇部市で、市民グループいのち·未来 うべに所属し、会の活動方針であり、また重度障がい者の立場から、戦争出来る国にさせない、上関原発を建てさせない、原発再稼働反対活動をしている。萩市むつみに計画されているイージス·アショア配備反対活動もしている。なぜなら、イージス·アショアはミサイル迎撃システムで、軍事基地であり、戦争の道具だからだ。住民説明会では「敵からの防衛のため」と防衛省は言ってきたが、攻撃してきたものを撃ち落とせば、また攻撃され、撃ち合いになり、戦争になる。私は重度障がい者として、戦争は絶対に再びしてはいけないと思う。戦争は障がい者が生きることを否定し、生きることを奪うから。戦時下では多くの障がい者が「鉄砲を持って戦地へ行けない、戦争で力を発揮できない役立たず」と言われた。
脳性小児まひで、現在沖縄の伊江島で民宿経営や芸術活動をされている木村浩子さんは、母親とともに満州から山口県に引き上げて来られた。そこへ日本兵がやってきて、「ここに障害者の子どもがいるだろう、有事の時は邪魔になるから親の手で殺せ」と言い、青酸カリという薬を持ってきたという(木村浩子さん談。NHK「ハートネットTVシリーズ戦後70年」より)。
このように戦争は、親や身内にまで障がい者を殺すことを迫る。「障がい者には生産性がない」と言う相模原市障がい者施設殺傷事件を引き起こした植松容疑者がいうところの生産性は、「戦争で役立つ力」が基になっているのだと思う。他人を殺し、殺されることが生産性だなんて、あり得ない。政治が目指すべきものは他国を攻撃する防衛ではなく、対話による平和外交で敵を作らない、どんな国とも仲良くすることだと私は考える。
最終的にどれだけの額になるかわからないほどのイージス·アショア配備や辺野古基地建設に巨額な税金を使うより、全国各地で起こっている災害救助、支援や社会福祉に税金を使う方が人々の生活を守ることになりはしないだろうか。

障がい者と原発

今年の3月11日で東日本大震災と福島第一原発事故から8年が過ぎたが、この事故は東日本大震災と時を同じくして起こった人災だと私は思っている。原発事故で、多くの重度障がい者が逃げたくても逃げられず、泣く泣く屋内退避を受け入れた。屋内退避とはすなわち、置き去りにされることである。NHK「〝原発避難〟7日間の記録~福島で何が起きていたのか~」では、屋内退避を理由に自衛隊に避難支援を拒まれ、苦悩される病院事務長の証言があり、また避難したヘルパーが数日後に見舞った高齢者は瀕死の状態になっていて、ヘルパーは利用者を置き去りにして死なせたという思いでずっと苦しんでいるという。このように、原発事故が起これば置き去りにされる当事者だけでなく、障がい者や高齢者を支援する人たちも苦しめるのだ。そしてこのような人権侵害と言うべき屋内退避を、原子力防災の基本原則とした上で、原発再稼働が進められている。置き去りになることが避難計画だなんて、あり得ない。人災である原発事故の被害をなくすには、原発を一切無くすことしかないと考えている。
上関原発建設予定地から海を隔ててわずか4㎞先の祝島は高齢化率が76%で、上関原発が建てられ原発事故が起これば多くの人が置き去りになる。事故が起これば、山口県全体、それ以外の県も、福島第一原発事故のような危険に脅かされる。私は重度障がい者として、福島第一原発事故の恐怖の中で置き去りにされた障がい者・高齢者のことが他人事とは思えず、上関原発を絶対に建てさせてはならないと思い、活動している。

戦争と原発は人の力や思いで止めることができる

東日本大震災以降、全国あちこちで地震や集中豪雨による自然災害が起こり、昨年2018年だけを見ても大阪北部地震、西日本豪雨、北海道胆振東部地震などが起きた。自然災害は人間の知恵や力で止めることはできないので、障がい者自らが普段から自然災害に備え、逃げ遅れない方法を考え、行政に提言していく必要があると思い、障がい者、健常者の仲間と、昨年から障がい者の防災・避難の勉強をしている。一方、人災である原発事故はどんなに勉強を重ねても、事故が起こった時の障がい者や高齢者が置き去りにならないための知恵は出し難いと思う。しかし、原発は人の力や思いで止めることができる。私一人は微力だが、仲間と一緒に日々、上関原発を建てさせない、原発再稼働を許さないと声を出し活動することで仲間も増え、いつか原発が一切無い社会にできると信じている。
同様に平和を願う人が増えれば、戦争をしない世の中になれると思う。兵器を買うことや軍事基地を作ることをやめ、人々が安心安全に、幸せになるために税金を使う政治になれば、そのような税金の使い方ができれば、障がい者だけでなく、すべての人が安全・安心に暮らせるようになると考えている。

岡本(おかもと)正彰(まさあき)

1967年山口県岩国市生まれ。生まれつきの脳性麻痺アテトーゼ型で、手足と言語に不随意運動が強い。戦争をしない、原発のない世の中になるための活動をライフワークとして、取り組んでいる。宇部の脱原発市民グループいのち・未来 うべ会員。障がい者の防災・避難を考える市民の会呼びかけ・世話人。

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