特定非営利活動法人 ゆめ風基金

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ゆめごよみ風だより No.86

南海トラフ大地震に私たちはどう備えるか?

vol.06「災害時要支援者」支援の制度的課題と提案 後篇〜福祉避難所〜

事務局長 八幡 隆司

大規模災害時の障害者支援

東日本大震災以降、行政が大規模災害時に行う障害者支援は、避難行動要支援者名簿に基づく安否確認と福祉避難所協定策定が主なものです。京都などのように一般の指定避難所に障害者が避難できる工夫をしているところは未だ殆どありません。前回は避難行動要支援者名簿について書きましたが、今回は福祉避難所についての課題を示します。

東日本大震災での福祉避難所

福祉避難所が公的に初めて設置されたのは2007年の能登半島地震です。ただ能登半島の福祉避難所は高齢者モデルであり、一般の指定避難所で集団生活が難しい高齢者を老人保健施設へ避難させたというのが始まりです。この時に福祉避難所開設までに要した日数は10日です。
一方、東日本大震災の福祉避難所は障害者も含めた福祉避難所となっています。平日の昼間に地震が発生したこともあって、日中活動の場所の多くがそのまま避難所となりました。ほとんどが災害発生後24時間以内に開設されたものであり、しかも一次避難所として機能したことが大きな特徴と言えます。
ただこの東日本大震災の福祉避難所をみて、福祉避難所協定策定が義務付けられたのにも関わらず、多くの自治体が一次避難所ではなく二次避難所として福祉避難所協定を結んでいることが大きな疑問と言えます。

福祉避難所を一次避難所に

内閣府の人になぜ福祉避難所が二次避難所なのかと尋ねたら、「国は二次避難所なんて一言も言ってませんよ」ということでした。確かに内閣府が出している福祉避難所の説明には、福祉避難所が二次避難所なんてことはどこにも書いていません。ただ同時に一次避難所とも書いていないのです。
兵庫県福祉避難所運営・訓練マニュアルでは、「個別支援計画の策定等を通じ、福祉避難所に直接避難することが望ましい」とあり、一次避難所として福祉避難所を位置づけています。しかも福祉避難所を災害発生後24時間以内に開設することとも書いています。同様に上越市でもホームページで「福祉避難所に自宅から直接避難できるのは、あらかじめ市の聞き取り調査を終えて、避難する福祉避難所が指定されている人です。福祉避難所が指定されていない人は、まずは近くの指定避難所に避難してください」と書いてあります。このようにまだまだごく少数ですが、福祉避難所を一次避難所として開設することを決めているところもあります。ただやはり大多数が、福祉避難所は二次避難所と考え協定を結んでいるところが多いのが現状です。

指定避難所の合理的配慮が課題

2016年に障害者差別解消法が施行されています。指定避難所の開設義務は自治体にあるので、指定避難所での障害者への合理的配慮は、法の上では義務規定となっています。熊本県益城中央小学校は一般の避難所であったにもかかわらず、視覚障害者のご夫婦と車椅子を使用する女性1名が何の問題もなく過ごせるという配慮(通路の確保など)を受けていました。障害者のうち大半の人はきちんとした合理的配慮があれば、一次避難所である小学校などでも十分過ごせます。障害者差別解消法ができたのだから、福祉避難所よりも一次避難所で差別なく障害者が過ごせるようにすることが一番だと思います。
一次避難所でどのような合理的配慮が必要かということを明確にすることも、今後の大きな課題だと思います。

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