特定非営利活動法人 ゆめ風基金

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ゆめごよみ風だより No.85 / 2018/12/1発行

シリーズ中学生プロジェクトものがたり(全5回)

その1

事務局 福本 千夏

2006年に始まった障害者と中学生が避難体験するとりくみ。
DVD完成を機に、かかわった人たちのコメントを掲載します。

6年前、初めて参加した時、生徒さんに靴箱で出会い頭、「うわっ、リアル障害者!」と驚かれた。私は、「うわっ、これが今時のリアル中学生?」と逆に驚いたが、あの頃はとっさに切り返す大きな声が出せた。「バーチャルと違うでー。(ホラー映画の)貞子とも違う、ちなつやでー」生徒は一瞬きょとんとして、はにかむように笑った。14歳の彼と心が交わせた気がした。
事前学習では自己紹介を兼ねて障害者としての生きざま、加えて避難体験の注意事項や避難時の介助方法を話す。教室に入った瞬間のあの緊張感はずっと変わらない。脳性まひできつい言語障害のある私は、カンペやプラカード、板書、ジェスチャーを交えての授業。年々伝言ゲームのようになっていくが、先生や生徒さんの笑顔や驚きをヒントに異文化コミュニケーションを楽しんでいる。子どもの心は広く、頭は柔らかい。
とはいうものの、教室では良い子を演じているが、教師がいない廊下で私を真似る子に出会うことも一度あった。「君、ええ根性やん」そう言う私に気づいてもなお、首を振り、顔をゆがめて真似る。彼の勘違いした英雄の瞳が輝いた瞬間、私は大人の誓いを立てた。売られた喧嘩はきっちりと買おう。もしこれで彼を見過ごしたら私がここにきた意味はない。全校生が集まる体育館に到着後、彼の姿を探し出し「君にお願いがあります。みんなの前でもう一度さっきみたいに真似してください」車いすに座ったまま、足こぎで詰め寄り、逃げる彼を体育館半周ほど追い回した。「何かあったんですか」と教師が飛んできた。「彼に聞いてください」。黙ったままの彼の顔を私は覚えている。私もまだ元気だった。若かったと今は懐かしい。彼はどんな大人になっているだろう? 学校はみんなで育ちあえる場所。気力と体力と人間力が今年もまた試される。

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