ゆめ風基金

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ゆめごよみ風だよりNo.84 / 2018年9月15日発行

7月8日 倉敷市真備町 / 写真提供:ホハル

災害大国日本。
人びとのいのちを守ることを最優先に!自己責任? おっとその前に「公助」の探求でしょう

理事 橘高 千秋

6月末から7月8日頃にかけて西日本を中心に広い範囲で猛威をふるった豪雨は、各地に甚大な被害をもたらしました。
被災地が多すぎて自衛隊や消防の救援の手が届かぬ中、市民が水上バイクやゴムボートで、屋根や2階に取り残された多くの人を救い出した映像を観て二つの驚きがありました。「危険を顧みずやむにやまれず飛び出した市民の心意気、そして『救援のプロ』はどこに?」の驚きです。ボランティアが足りない!と連呼される報道に、違和感をもった人も少なくないと思います。ボランティアの重要性は言うまでもないのですが。

今回、避難指示が出ても避難しない住民が多かったことから、テレビなどでは認識の甘さを指摘する報道が多かったように思いました。
愛媛県大洲市、西予市ではダムの放流で9人の方が亡くなり、放流指示をした国土交通省に対し伝達の不十分さなどの批判が起こりましたが、担当者が記者会見で「住民の方も意識を高くもって対応すべきだ」と発言したことには恐怖を覚えました。西予市によると実施時間の70分前から3度の防災無線、サイレンによる避難指示、消防団による戸別訪問が実施されましたが、雨音で気付かなかったという住民もいたようです(7月15日毎日新聞)。西予市野村町の障害者作業所に昨年まで通っていた障害者夫婦が逃げ遅れて亡くなられました。大洲市の場合は、避難指示が出されたのは放流5分前でした(7月23日東京新聞)。
多くの被災地で、自治体による避難勧告、避難指示について、「指示が夜中に出されても怖くて動けない」、「避難所に行っても足が悪いので過ごせない」「体調を崩すので避難できない」などの意見が聞かれました。
要支援者が避難できるようにするための公的サポートが、国、自治体の責務として必要だと思います。
今回「自己責任の大合唱」に危機感を覚えた障害者団体が、自治体がどのように要支援者に安否確認体制をとったのかについて調査し、検証しようという動きが出ています。

住民の健康や尊厳を守る避難所の整備もすぐに始めてほしいことです。
体育館に雑魚寝という避難所は、国際的にみても難民キャンプよりひどいと言われています。避難所で体調が悪化して亡くなる関連死も後を絶ちません。熊本地震では、関連死211人のうち95人が避難所生活や車中泊を経験したとのこと(NHK調べ)。
とにもかくにも早急に国際的な最低基準(国際赤十字などによる「スフィア・ハンドブック」では、被災者が人道的な支援を受ける権利を明記。スフィアとは「範囲」の意)に達した避難所、緊急にホテルなどに泊まれる公的サポート、災害救援隊、学校体育館、教室に冷暖房完備、孤立した被災者を救助する水上ボート、水上物資輸送車ほか、被災者の命を守るもろもろを全自治体に配備できないものでしょうか?(財源は、一機200億円もするオスプレイの返品、総額5000億円とも言われるミサイルシステム「地上イージス」購入予算をあてたらどうでしょう)。
スフィア・ハンドブックでは「避難所では一人あたり3.5㎡の広さが必要」とされ、「災害避難者は尊厳ある生活を営み、援助を受ける権利をもつ。避難者への支援については第一に国に役割と責任がある」と宣言しています。先日、避難所で首相が窮状を訴える被災者に「応援しています」と応じましたが、それは大きな間違いではないでしょうか。


10年の時をへて「いのちと防災を考えるゆめ風中学生プロジェクト」のDVDが完成しました。昼間、地域にいて力持ちの中学生が、災害時にはどういう手助けが必要かを学び、実際に障害者と一緒に避難体験をする取り組みです。これまで、のべ380人の障害者と3000人以上の中学生が参加してきました。
毎回、障害者と生徒たちの一所懸命な様子に胸を打たれます。そして生徒たちが発する言葉のなんとみずみずしいことか。「私らも人を助けられるんや」「自分の命と人の命ってつながってる」「自分を大事にしたら人を助けられることに気付いた」。障害者たちの勇気と生徒たちへの信頼のたまもの。みなさんにご覧いただいて全国に広がってほしいと思います(7月25日 記)。

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