ゆめ風基金

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ゆめごよみ風だより

No.792017年5月21日発行

西原村仮設住宅 305戸に839人が暮らす

熊本は、いま

熊本大地震から一年、新たなニーズへの支援

被災地障害者センターくまもと事務局
一木 玲子

「益城町仮設団地で孤独死か/一人暮らし60代男性」(2017年4月4日熊本日日新聞朝刊)、「みなし仮設で独居13人死亡」(2017年4月5日熊本日日新聞朝刊、熊本県と熊本市の新聞社調査より)。4月に入り、相次いで仮設住宅やみなし仮設で一人暮らしをしていた方がなくなっていたことが新聞報道された。

センターにSOS依頼をされ現在みなし仮設に住まわれている方がいる。住んでいたアパートの取り壊しが決まったので出ていくように言われた、転居先を探して欲しいという依頼者は、絵手紙を書いたり陶器を収集したり着物の古着で小物を造られたりするとても趣味が豊かな女性で、リウマチを患われている。アパートに長く住んでいて、かかりつけの病院が近く、近所づきあいもあるので、できるだけ近くの場所に引っ越したいと希望され、また、経済的にも高くなく、できる限りバリアフリーで、地震が怖いので一階の部屋しか住みたくないとおっしゃられた。だが、希望通りの場所を探すのは困難で、区をまたいでのみなし仮設への転居となった。引っ越しが終わり数か月したころに、再度SOS依頼が来た。依頼内容は、家具の移動や、手すりをつけてほしい等簡単なものだが、お話を聞く中で、近所に知り合いがおらず家にこもりっきりである、困ったときに頼める人がいない、新しいヘルパーさんとの関係がうまくいかない、震災後鬱っぽくなり精神クリニックにかかっているなど、ポツリポツリ話された。センターを心のよりどころにされている様子が垣間見られた。

仮設住宅に住まわれている全盲の男性、昨年センターが避難所から仮設団地への入居手続きや引越しを手伝った方も、仮設住宅では家に引きこもりがちだという。以前住まわれていた家の周辺は勝手がわかっていたので一人で散歩をよくされていたが、仮設では同じような建物が多く、一度、散歩をした後に家を間違ってしまった。それ以来、一人で外に行くことが億劫になりあまり出なくなったという。最近は週に一回、集会所でカラオケ大会が行われるようになり、それにご夫婦で参加されるのか唯一の楽しみだとおっしゃっていたが、裏返せば外出はそれのみという事である。

震災によりそれまでの居住環境が変化すると、社会的資源との関係を絶たれ、人間関係を絶たれ、徐々に身体と心をふさぎ、自ら孤立してしまう。その様子を、他人ごとではない感覚でまざまざと突き付けられる。

被災地障害者センターくまもとは、2月21日に益城町の新拠点の開所式を終え、被災障害者のSOS支援を継続して行っている。最近のSOS依頼の傾向としては大きく二分でき、損壊した家屋の解体が決まったので片付けを手伝ってほしいというものと、精神的身体的にしんどいという理由で傾聴や移動等をしてほしいというものである。センターが昨年の震災直後から行ってきた”個人に対して個別の依頼に応じる支援“は、今までも、そして今からもますます重要である。そして、震災から一年経ち被災者のニーズが変化している中、ボランティア派遣という定期的ではない個人支援では賄いきれないニーズが派生してきている。これに対しては、「障害者が共にくらせる地域創生館」で賄うべく、新事業の着手を本格化させようとしているところである。新事業の準備期間としてはこの一年。新たなニーズへの挑戦が開始されている。

みなし仮設
行政が民間のアパートや公的な団地を借り上げて被災者に家賃無料で提供。

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