ゆめ風基金

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ゆめごよみ風だより

No.762016年9月11日発行

被災地熊本報告 その3

事務局 八幡隆司

震災から3ヶ月あまり、避難所の避難者数は減り、片づけや修理をして自宅に戻る人、仮設住宅・みなし仮設住宅に移る人が多くなっています。

東日本大震災以降の災害対策基本法改正により、災害時に避難行動要支援者の名簿が本人の同意なく開示されるようになりましたが、今回、障害者の安否確認がどれだけ進むのか注目されていました。また全国的に広がった福祉避難所協定がどれだけ役に立つかも検証されるはずでした。

最初の安否確認については、当初、自主防災会など町内会がその責務を負うはずでしたが、4月16日金曜の夜中に本震が起きたことで、どこの町内会も混乱がひどく、熊本市では自主防災組織に名簿を流すことをやめています。その代りに地元の障害者相談支援事業所を中心に、日本相談支援員協会や日本障害者フォーラムなどから派遣された要員で安否確認を行うこととし、名簿を開示しました。重度の障害者でふだん福祉サービスとつながっていない人たち9千人を対象に安否確認を行いましたが、全部回りきれたのは6月末。災害発生から2か月余りがたってしまいました。しかもその半数が留守や全壊宅などで不在ということです。

SOSビラ

そのため被災地障害者センターくまもと(以下センター)の東事務局長は熊本市と協議し、市内の全障害者4万人に熊本市より「何かお困りごとがあれば被災地障害者センターへ」というビラの配布をすることにしました。そのビラが順次市内の障害者宅に回っているので、センターの相談電話は鳴りっぱなしで、支援の人手も足らない状況になっています。

福祉避難所については、熊本市は150ほどの事業所と協定を結んでいましたが、実際この協定はほとんど役に立ちませんでした。4月20日の時点では高齢者、障害者合わせてわずか40人ほどが利用したにすぎない状況です。福祉避難所はあくまで二次避難所ということで、協定をどこと結んでいるかは非公開として障害者に伝えていなかったのが大きな要因です。

ゆめ風の支援についてですが、従来の団体支援に加え、行政の補助金や義援金が全く出ない一部損壊住宅で年金収入だけの被災障害者に対し、50万円を上限に家屋の修繕費、生活に必要な備品購入費を助成することにしました。

西原村で思ったこと。復興に村の財政が追いつかない

作業所たんぽぽハウスの「村有地」の敷地斜面が崩れかけていて危険なので村に対応を尋ねた。東日本大震災の復興資金は特例措置で100%国と県が予算を出していたが、熊本地震では1割から2割自治体が負担しなければならない。既に村の年間予算の3倍に膨らみ、年度末には5倍程になる。限度いっぱいの10億円まで起債したが通常の村予算が40億円で、9月以降の予算めどが立たないとのこと。もともと赤字予算の村財政に地震が打撃を与えている。特例措置が必要だ。

事務局 危険な斜面工事費としてたんぽぽハウスに655万円をお送りしました

関西から参加したボランティアのレポートより抜粋熊本地震 ボランティア報告

報告者H

6月11日 身体障害者の入浴介助で震災が酷かった益城町へ。益城町に入ると世界が一変。家の全壊、半壊、地面のヒビ割れなど道路が整備されただけでまだ手つかずのまま。

6月12日 引っ越しのお手伝い。今回は前の住居の荷物をまとめるお手伝いと、新居への運び出しです。依頼者の住居は震災で屋根に被害がありブルーシートで覆われている。その前は雨漏りがひどく畳や布団がダメになったそうです。ブロック塀もかなり曲がっており地震の恐ろしさを思い知りました。雨漏りで布団がダメになったのでセンターにある折りたたみマットをお貸しすることに。

6月14日 入浴介助・家事支援・相談支援。今日は午後からの依頼だったので午前中は、西原村へ。世帯数は2652。全壊344、半壊1087、合計1431。半分以上の世帯が被害にあっていて驚きました。益城町の被害状況とはまた違い、ブロック塀などが倒れて土砂崩れがおきているのが目立ち、片付いていない所が多く、震災直後はもっと被害が大きかったのだと思いました。通行止めの道路も多かったです。

報告者M

6月12日 熊本支援3日目。本日は1日目、2日目の緊急で向かった身体障害者の家の片付け、引っ越し準備の手伝いをしました。今回のチームは男性2人、女性3人の計5人。感じた事→依頼者の初めて出会った時と、2日、3日の顔は明らかに違い、しっかりと話を聞いていくうちに、緊張していた顔がほぐれていくのが分かりました。作業をして終わり、ではなく、話を聞くことの方が大切なのではないかなと感じています。作業によってはできないこともあるので、できないことは業者に頼むように促したり、どうするか一緒に考える。話をして一緒に考えることが大切だなと思いました。

報告者I

6月22日 御船町にある避難所にSOSのビラを配りに行ってきました。その道中に、名古屋のボランティアと益城町に入りました。すさまじい光景に、彼が終始「うわぁ」と呟いていたのが印象的でした。 しかし、所々で仮設住宅の建設が始まっており、復興に進んでいる状態だと思います。障害者にとって生活がしやすい仮設住宅かは定かではありませんが。支援が出来るのもあと2日、たくさんのことを自問自答しながら、少しでも多くの「何か」を持って大阪に帰ります。

6月23日 精神障害者宅の片付け ボランティアの看護士の報告によると、うつ病の依頼者から「僕はもう死にたい。家の中もグチャグチャだし、誰もいないし一人だし。でも、こうやって作業に来てくれるのは本当に嬉しいし楽しいね」と言われたそうです。この震災で生き延びた人に「死にたい」と思わせたくない!また明日も喜んでいただけるように行ってきます。

6月24日 支援6日目 明日大阪に帰ります。今日の活動は、午前中にゴミをリサイクルセンターに持って行き、午後からは昨日の続きという感じで、うつの方の家の片付けをしてきました。僕は今日で最後なので、引き継ぎを名古屋と現地ボランティアにしましたが1週間程度で帰ってしまうボランティアに引き継ぐのが非常に難しく感じました。普段の引き継ぎとは違う言い方や指示の出し方、目の前のことだけに捉われず、その先を見据えた伝え方をしなければなりませんでした。思い残すことのないようにこの1週間支援してきましたがやはり心残りがあります。まだまだ支援をしていきたい気持ちが湧き出てきます。

報告者O

7月1日 今日は精神障害者のお姉さんの依頼で家の片付けをしてきました。家の状態は、被災してから手をつけていない状態で、特にお風呂場、外壁の損壊が激しく、家も全体的に5センチほど傾いていました。傾きのせいで玄関のドアが開かない状態で、縁側からお邪魔する形になりました。作業内容は、瓦礫の撤去、衣類の整理、外壁の片付けなど。その後、2グループに分かれて処理場にゴミを棄てに行きました。作業員さんに話を伺うと2ヶ月で13年分ほどのゴミが運ばれてきたとのこと。

報告者N

7月3日 センターで話を伺う。熊本市の手帳保持者は4万人。そのうちサービス利用者は7千人。3万3千人はサービスを受けていない。震災が起きると身近な避難所に避難するが、その避難所に居られない人は支援のネットワークからこぼれ落ちていく。避難所には人、モノ、情報が集まりそこから復興へのプログラムに乗っていくが、それに乗ることができず「目に映らない存在」になってしまう。センターとしてはそういう人たちを見つけて支援する。また福祉サービスに繋がる前の段階の支援をする。例えば被災後に相談支援に繋がりサービスが利用できるようになっても、その人が暮らす家が被災してぐちゃぐちゃという場合、その片づけを支援する仕組みはない。そのように行政サービスではカバーできないところを支援するのがセンターの役割。熊本市の手帳保持者4万人のうち行政が行った安否確認は9千人だが、実際には半分しか会えていない。身体3級以下、知的B2以下、精神1、2級以下の「軽度」の障害者は安否確認リストから外れている。

満員でした!

7月2日
第3回 ゆめ風であいましょう イン 大阪
ー 感謝と希望のつどい

東北の被災障害者を10年かけて支援し続ける近畿労金サポートV報告会では、大船渡の作業所とグループホームを運営する「さんりくコスモス」新沼節子さんから「復興は遅々としているけれど、仲間も増え手をつないで前を向いて歩いています」と、いわき市の自立生活センター長谷川秀雄さんから「支援を受けて障害者の生活、就労支援の建物を建設中、災害時の地域の福祉避難所の役割も担っていきたい」と報告されました。5年間で総額5,565万円にのぼるサポートVの支援は東北14か所の障害者拠点の復興に役立てられています。震災から5年経ちますが、復興は道半ば、近畿労金さんと共にゆめ風はこれからも支援し続けます。後半は我らが小室等さん、こむろゆいさんの音楽に浸りました。「個人の尊厳と自由」を歌った「道」では力がみなぎり、「寒い冬」では小室さんの低音と歌詞にくぎづけになりました。今の世相に抗したい時に必聴です。ご協力くださった近畿労金のみなさま、ボランティアのみなさま、ありがとうございました。

報告する古木隆さん

8.6 熊本支援活動報告会

熊本地震被災障害者救援関西実行委員会とゆめ風基金の共催で、熊本支援活動報告会を開催しました。当日は、全国各地から約140名が参加、会場は熱気に満ちたものになりました。熊本から関西に避難移住された古木隆さん、熊本学園大生の津隈颯一郎さん、ゆめ風スタッフによる熊本概況報告、現地支援を行ったボランティア総勢21名による月別報告、「自分たちの災害対策について」の全体しゃべり場と盛りだくさんな内容でした。 古木さんは「県外ボランティアには助けられた。今後は関西で責任感を持って自分で決めて動いていきたい」、津隈さんは「県外で災害が起これば駆けつけたい」と話しました。しゃべり場では、白石清春さんをはじめ福島県から来られた方々から、福島の被災状況は続いており今後も協力して動いていきましょうと呼びかけがありました。今回、被災障害者支援の情報を共有し、今後も共に動いていくことが大切であると確認できました。

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