ゆめ風基金

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ゆめごよみ風だより

No.612013年5月17日発行

リレー・エッセイ 災害と障害者 第四二回

震災と自立生活
〜新潟での取り組み

3月24日、小室等さんとゆいさんをお招きし、ゆめ風コンサートを開催した。

新潟で開催した背景には 平成23年3月11日に起きた東日本大震災がきっかけだが、そもそも平成16年10月に起きた中越震災がその始まりだった。

平成16年10月23日、中越震災で全国の自立生活センター関係から問い合わせの電話が殺到した。そのうちにゆめ風基金から電話があり、障がいを持った方の支援を優先的にしたいので現地はどうなっているのかという内容だった。当時の事務局長が入院し、自立生活センター新潟の体制も弱いなか、中越に住んでいた障がいを持って生活していた知り合いに電話し安否確認を始めたことを覚えている。

嘱託医の黛ドクターと現地に入ったり、状況を目の当たりにしながら、その後、防災計画の策定の提言などかかわりながら防災について少しずつ考えはじめていた。

その後平成19年に中越沖地震が起こり、新潟に地震が頻発することにため息をつきながらもわかったことが一つあった。

施設や家族とともに住んでいた重度の障がいを持った方は災害の時は支援が後回しになること。であれば、地域で暮らすことにより自らの存在を地域に知ってもらい、地域の一員として生活を組み立てたいという気持ちが大きいということを。

このたびの震災が起きた後、ゆめ風基金から連絡が入った。放射能汚染が大変な場合、北陸路を通って避難するルートを確立したい。その拠点としてまた協力してほしいというものだった。

そして私は福島県から避難してくる障がいの方たちの避難所の確保にも奔走した。

支援でかかわれたのは福島県田村市から新潟に避難してこられた自立生活センターの皆さんに対してだった。皆さんは新潟で自立生活をしていくものと、そのつもりで新潟市での自立生活の支援を行うことを考えていた。

しかし、それは大きなお世話であり、独り善がりの考えだった。

田村の皆さんはエンパワーメントがあり、自立生活を実践してこられた方たちで今回は放射能の影響が心配で一時的に避難してこられ、田村市に戻りたいという気持ちも強く持っていらっしゃった。その気持と新潟の支援の在り方といろいろな課題が生まれ、新潟市への避難ではなく隣接の新発田市で避難生活をおくることが優先された。

田村の皆さんとのかかわりは地域で暮らす手法を学ばせていただく大きな機会だった。

新潟市では公共交通機関がある程度バリアフリー化が進んでいるのになぜ連絡が悪い新発田にとどまるのか、最初に避難して来た時にそこでのある程度の人間関係が構築された中でまた移動することのリスク。バリアフリーが進んでいなければそこでバリアフリー化を叫んでいくことの大事さ。など。田村の皆さんが避難所におふろ場のバリアフリーを求めてゆめ風に支援を求めたのもその一つだった。

このようなことを学んだあと、南相馬市に行ったり、状況をみながら、痰の吸引行為の研修を新潟市でおこない、そのノウハウを構築し、被災地で必要としている人につなげていきたいということを感じ、昨年度、痰の吸引行為の研修 (第3号研修)を開催した。

福島でもこの研修を数回にわたって実施していたので直接支援の実施には至らなかったが、今後の支援として新潟県で今年度も痰の吸引行為の研修を行う場合、福島枠や被災地枠を設けるように県会議員に働き掛けることを行っている。

また、福島県田村市の人が避難して来た時に私たちの法人で避難所としてバリアフリーの住宅を確保できなかったことから、その反省も含め、地域活動支援センターを立ち上げ、また同時に事務所を増築し、寝泊まりできるスペースを確保した。

ゆめ風からの支援を受けて一人 24歳の若者を採用したが、彼には新潟市西区のボランティアの皆さんとネットワークを設けてもらうために、ワーキンググループに参加してもらったりしている。もちろん、私と一緒に被災地に何度も赴いている。今では頼りになる職員として成長しつつある。

田村の皆さんが支援してきた南相馬市の方も自立生活センター新発田の高木さんの支援のもと、新発田市で自立生活を送り始めた。どんな状況の中でも支援の在り方は、エンパワーメントを引き出すことで、支援者も学びながら育っていくことを経験した。

そして、中越震災の時から自立をしたいと望んでいた中越地方出身の若者が昨年の春、新潟市で一人暮らしを始めた。田村の皆さんとのかかわりで学んだことを踏まえながら並行して支援してきた方だった。

今後も新潟での活動は続けていくが、仙台の自立生活センターたすけっと、南相馬のさぽーとセンターぴあ、田村の障害者のみなさん、被災地障がい者支援センター郡山と連携をとり、障がいをもつ方の自立支援を続けていきたい。

これからもよろしくおねがいします。

遁所(とんどころ)直樹(なおき)
社会福祉法人自立生活福祉会事務局長
1987年、当時新潟大学大学院時代海に飛び込み、頚髄5番の四肢マヒとなる。6年間病院と施設生活を送った後、新潟市に戻り在宅での生活を始める。1997年社会福祉士資格取得。2000年に自立生活福祉会の前身の NPO法人自立生活センター新潟就職。法人の設立や訪問介護事業の設立にかかわり現在にいたる。

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