ゆめ風基金

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ゆめごよみ風だより

No.612013年5月17日発行

障害者市民防災提言集
東日本大災害版ができました!

わたしたちの7つの提言+1
障害者の視点から

被災障害者の声がつまっています

提言1 地域に見合った災害対策を
東日本大震災では大津波による広域の被害と、
放射能汚染という大変な難題が襲いかかってきました。
提言2 届かぬ支援はもうゴメン、災害時に役立つ名簿管理を
東日本大震災では障害者の死亡率が健常者に比べ2倍という調査がありました。
命が助かっても避難所で暮らすこともできず、支援が届かない状況です。
提言3 福祉避難所に問題をすりかえないで
福祉避難所の名称は広まりつつありますが、
福祉避難所の内容については十分な検討がなされていません。
提言4 障害者が関われる支援体制の確立を
災害時に備えてボランティアセンターに障害者支援センターを設置すること、
その運営に障害者が関われる仕組みが必要です。
提言5 障害者がふつうに暮らせる仮設住宅づくり
すべての仮設住宅をバリアフリー規格に。
提言6 病院にも買い物にも行けない障害者、災害対策に移動手段の確保を
普段から交通手段に困っている障害者市民は不便な仮設住宅では
ますます身動きが取れなくなってしまいました。
提言7 コミュニティづくりこそ最大の防災
防災や災害の支援活動でもっとも重要なのが、ふだんからの人と人とのつながりです。
番外編 自然災害は止められないけど、原発事故は止められる
人間の能力で制御できないものを作り使ってはいけません。
放射能は半永久的に命をおびやかします。次世代にツケを回してはなりません。

障害者防災提言集 東日本大災害版 刊行にあたって災害が起こる前の社会問題が
浮き彫りになる

代表理事 牧口一二

2011年3月11日に東北地域を中心に起こった大地震、それに伴う大津波、くわえて福島第一原発の大事故は、あの日から2年が経過した現在でさえ、問題のほとんどが解決されていないばかりか、かえって深刻な事態が露呈してきています。

当初から、「1000年に1度の」とか「想定を超えた大規模な」と語られてきましたが、そのような言い逃れこそ自然界の営みを越えようとした人類のオゴリにほかなりません。自然のダイナミックな営みは人間がいくら想像を膨らませてみても想定できるものではありません。「大地震は地球がほんの少し寝像を変えたようなもの」と言われたりしますが、そのたとえからボクは、地球が両手を伸ばして大きなあくびでもしようものなら、日本列島ぐらいはすべて大海原に呑み込まれてしまうのではないか、と怖くて畏れ震え上がってしまいます。

大きな自然災害が起きると、その災害が起こる以前の社会が抱えていた問題点が浮き彫りになる、とよく言われます。私たち障害者の立場からいうと、まさにその通りで、災害が起こる前に何となく感じていた疎外感、一人前扱いされていない生きにくさは、世の中全体が大混乱になった時に障害者市民(で、私たちも社会を構成する一員なんだと、時々自らの自覚を促す意味でも「障害者市民」と名乗ります)が不安になり、混乱状況を尋ねに行くと「いま、それどころではありません」とか「あなたの来るところではない」などと、いろんな場所で、さまざまな事柄で後回しにされてしまったのです。

ボク自身が障害者市民の1人なので説得力をもたないかもしれませんが、世の中全体が大パニックに陥った時に、まず優先的に助け出される立場は障害者であり、高齢者であり、子どもたちだと思うのです。それを障害者の身勝手であるとするなら、人間社会とはどのような理念や理性で形づくられているのでしょうか。まさか、人間も動物であるから弱肉強食もしかたないこと、ということでしょうか。

いま東日本大災害・福島原発大事故から丸2年が経ち、そしてゆめ風基金活動のきっかけになった阪神淡路大震災から18年が経過しました。阪神淡路大震災を体験することから学んだ私たちはゆめ風基金の活動を進めていく中で、10年経ったころに『障害者市民・防災提言集』を刊行しました。2011年3月、東日本大震災が起こり、私たちは、被災地の障害者を主体に、全国の障害者ネットワークと連携して、被災地障害者センターを立ち上げ救援活動に取り組みました。『障害者市民・防災提言集』が貴重なテキストになりました。東日本大災害は広範囲で規模も極めて大きく、その上、原発事故という、あってはならない人災が複雑に絡んでいるため、まだまだ掴み切れていないことも多く、それでも今後に備えて少しでも早くすべての市民と確認し合っておきたいことがある、との思いから新たに『東日本大災害特集・東北3県版』の刊行に踏み切りました。

そしてまた、ゆめ風基金からの声明として、これだけの大被害に福島の市民をはじめ多くの市民を巻き込み、仕事はもとより住み家そして家族や地域をバラバラにした原発の存在そのものの即時停止、廃絶をつよく求めます。人間の能力で制御できないものを作り使ってはいけません。放射能は半永久的に命をおびやかすわけで、次世代にツケを回してはなりません。ここに断固として宣言します。

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