ゆめ風基金

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ゆめごよみ風だより

No.492010年6月3日発行

防災の基本は、日常の地域のつながり福祉避難所計画策定のための調査業務を終えて

ゆめ風基金防災プロジェクト 八幡隆司

城東区自立支援協議会の取り組み

2009年7月にゆめ風基金は「緊急雇用創出基金事業 福祉避難所計画策定のための調査業務」を受託しました。今年3月には報告書作成も終えて、無事事業は終了したのですが、今後の課題としては多くのことが残りました。

障害者防災の取り組みは今後自立支援協議会地域部会に受け継がれることになります。ただ今年は防災のことをメインにするのではなく、障害者団体と地域の関わりをふやすことに重点を置き、防災訓練をサブテーマとして持って行こうとすることで、みんなの意見が一致しました。

これまでも地域と障害者の関わりということでは、日常の取り組みが非常に重要と考え、また実践も進めてきましたが、今回の防災訓練や調査を終えて、日頃の地域とのつきあいが大事だということをいっそう強く感じたからです。

福祉避難所計画モデル案の概要

今回の委託事業でゆめ風基金が提案した福祉避難所は、各小学校の中に福祉避難所となるスペースを確保すること、また各小学校の福祉避難所スペースや自宅での被災者をバックアップするための拠点を確保するというものです。

小学校区を中心としたのは、昨年2月に区内の福祉施設を回って福祉避難所協定の聞き取り調査をしましたが、その結果ほとんどの施設で協定を結ぶことが難しいという回答があったからです。その理由は高齢者施設では、居住者だけでなく、ショートステイ、デイサービス、ヘルパー派遣などのサービスを行っており、利用者の安否確認すら不安で、人員に余裕がないということでした。そのため地域の住民を支援者とすることを基本に小学校の中に福祉避難所スペースを設ける方が、現実的だと考えました。

大阪市ではほぼすべての小学校に洋式トイレがあり、1階はバリアフリー化されている上、多目的教室など利用できるスペースもあります。2008年6月に厚生労働省が出した「福祉避難所設置・運営に関するガイドライン」でも、福祉施設や旅館に加え、一般の指定避難所を福祉避難所として活用することが盛り込まれています。

モデル案の基本は日常の交流と意識の改革

災害直後は外部からの支援がすぐに期待できない状態であり、要援護者支援の担い手として住民が中心となるほかありません。

しかし災害における住民意識はまだまだ自分が避難するための場所を確認しているにとどまっており、相互に安否確認をしたり、避難所を運営する、要援護者を支えるといった意識が浸透しているとはいえません。

さらに高齢者は地域の中で比較的把握されていますが、障害者については「居場所がわからない」「どう接してよいかわからない」などの声が多くありました。また、ある民生委員からは「これまでよく見守りで声をかけていた一人暮らしの高齢者が、知らない間にデイサービスを利用するようになり、何度昼に声をかけても不在で驚いた」という声もありました。ヘルパーやデイサービスなどの広がりは支援を必要とする人にとって欠かせないものの、それが逆に地域とのつながりを薄くしてしまっているという状態になっていることもわかりました。

大規模災害の発生では、日頃福祉サービスを必要としない人たちについても支援が必要となります。

障害者へのアンケートでは小学校への避難は建物がバリアフリーであっても「人的支援に不安がある」「避難は無理」などの回答が7割近くを占めていました。これらのことからも日頃の交流を広めて、お互いが支え合いのできる関係になることが非常に重要と考えています。

被災障害者支援の拠点作りを体験して

今年の2月27日に、城東区民ホールを被災障害者支援の拠点にするため、区内障害者団体が連携して訓練を行いました。

区民ホールがボランティアセンターとして立ち上がると同時に、障害者団体はその中の障害者支援班として連携をとり、各小学校の福祉避難所スペースへの支援、安否確認を含め自宅にとどまる被災障害者の支援を行うことを想定しての訓練です。また区民ホールの一部に福祉避難所スペースを設け、被災者が生活できるスペースを確保するということも考えました。

避難所の中で説明を熱心に聴く当事者と健常者たち
各班ごと熱心に話し合われた

障害者支援班として本部、受付、食料・水、相談、広報・情報、衛生に分かれ、それぞれの班ごとで1〜2時間程度設営を体験したあと、本来どんな準備や要員が必要かなど、実際の災害時に必要な支援についての話し合いをしました。

色々な団体から障害当事者約50名が参加し、災害時のイメージや障害者団体としてのネットワークの必要性が確認されました。また毎年このような訓練が必要だという声も多く上がりました。

様々な要援護者支援の組織づくりの必要性を

昨年埼玉県越谷市で障害者団体が中心になって、小学校で避難所宿泊訓練がされたことを伝えました。この取り組みは先日発行した防災ハンドブックでも紹介していますが、城東区でも是非やってみたいという声が上がっています。小学校を避難所とした場合にどんな問題が出てくるかは、実際に泊まって意見を出してもらうことが一番です。

また安否確認や支援の体制を整えるにしても時間がかかることがわかり、災害直後はやはり近隣の人に助けてもらうことが必要だと、もう一つの課題である地域住民との関わりが今年のテーマです。

はじめからすべての小学校区で取り組もうとしても、こちらの人材が足りないため、今年は区全体を北部、中部、南部ぐらいに分けて、地元密着の取り組みをすることを目指しています。

大規模災害時における障害者支援の仕組みが少しずつできてくる中で、高齢者支援のための組織づくりができていないことも課題として浮かび上がってきました。

今年の訓練ではボランティアセンターそのものの立ち上げ訓練が合同でできなかったので、要援護者支援のための総合的な訓練をしたいという思いもあります。

ただ今はまだ小さな取り組みですから、地域全体に広げるには時間がかかりそうです。

福祉避難所計画イメージ図
<被災者支援拠点>区民センター内災害ボランティアセンター障害者支援班(城東区自立支援協議会)を中心に小学校福祉避難所や区民センター福祉避難所・自宅避難者の支援を行い、また、福祉施設や団体と協力する

みなさんのところでも、防災の取り組みとして、どんなことをしたらよいのか困っているとか、何か進めたいと思っていらっしゃる方があれば、ゆめ風基金の防災ハンドブックを活用していただければと思います。またこんな取り組みをやったよとか、聞いたよということがあれば知らせていただければありがたいと思います。

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